決闘
「お、リーダーとゆーさんで戦うのー?いいねー、私もゆーさんの戦闘は見てみたいから賛成だよー」
新要素の決闘システムを使ったPvPか。
セブンさんもあの様子からすると、俺の戦いにはすごく興味がありそうだ。
「俺も問題ない。プレイヤーとは、なかなか戦闘する機会がなかったからな」
それに、お互いの実力も知れる。
竹田はここ、A2ではどれ程の実力者なのだろうか。
「よーし!じゃあきまりだね、ゆっきー」
俺からの了承を聞き、少し嬉しそうな表情をする竹田。
「おー!久々にゆーさんのキャンセル技術が見れるの楽しみー。私観戦してもいいー?」
「じゃあ、大まかなルールは俺が決めちゃうから確認したいことがあったらいってね。あ、もちろん観戦はonにしておくよ」
「うーん、特に無いけど。そうだな・・・・・・あっ、ライトトリガーとマルチオーダーは使っていいのか?」
「えっ!?・・・・・・ま、まぁ、使える範囲なら何つかっても大丈夫だよ。・・・・・・い、一応アイテムの使用だけは無しにしようか」
嬉しそうな表情から、一転して表情がどんどんと曇っていく。
えっと、なにかもうすでに負けを確信した雰囲気が竹田から出ているような気がするのだが。
き、気のせいということにしておこう。
「プレイヤー名 TAK☆EDA から決闘を申し込まれました。決闘を受けますか?はい/いいえ」
全ての設定が済んだのか、視界にそう書かれたメッセージウィンドウが表示された。
はいを選択すると、先程とまた同じ形式でテレポートし、いかにもな場所の光景が目の前に広がる。
目測で、大体半径50mほどの円形をしている。
地面は学校の運動場みたいな砂場になっていて、円の外側には石畳で造られたであろう観客席がある。
「二人ともがんばれ~」
と、呑気に応援しているセブン以外の観客は誰もおらず、スッキリとしている。
俺のいる位置は、円の中心から大体20mって所だろうか。ちょうど反対側に竹田の姿が見える。
先程までの表情は既になく、真剣な眼差しをこちらに向けていた。
竹田の色は白。
それと竹田の装備は俺とはちがって、初期装備ではないものを付けているのが見てわかる。
剣の類いは一切見当たらないのが少し不思議だ。
まあでも、俺も今剣を装備していないので、同じようなものだろう。
必要無いからな。
「では、これから試合を始めます。先に相手のHPを全損させたプレイヤーが勝者となります。では、3、2、1...」
移動してから少したって、試合開始の知らせを告げるアナウンスがこの専用マップに響きわたる。
「光剣召喚!!」
試合開始と同時に、先に動いたのは竹田。
竹田の周りを、150センチはある光る白い剣が漂い始める。
それとは別に、光速の黄色いレーザーが俺の体を貫く。
最初のやつがなんのスキルかは分からないけど、今食らったのはどうせファンタズムだろう。
ファンタズム
色 白
系統 放出系
速度 光速
威力 低
実質回避不能の黄色いレーザーで攻撃する
おそらくだけど、最初に使った謎のスキルをファンタズムでキャンセルしたのだろう。
そして、その謎スキルで剣を出現させるから剣を装備してなかったのか。
ファンタズムは避けようがないため、ダメージはこちらが最初に喰らってしまった。
だがしかし、当然俺はなにもしていない訳ではない。
本当なら、最初にマホジャマーをかけて妨害したかった所だけど。
残念ながら射程範囲外なので、もうさっさと攻撃し始めていた。
ファンタズムの光が出たとほぼ同時に、大量のくるくる回る黒い星が竹田に向かって襲いかかってきていた。
「なっ!?やっばぁ!」
「ひゃぁー!すごーい!」
この圧倒的な物量に、竹田も観客席で見ていたセブンも動揺を隠せずにはいられなかった。
そう、俺も試合開始と同時に攻撃をしていた。
黒系統の最高火力が出る放出系魔法の黒星様。
黒星様
色 黒
系統 放出系
速度 中
威力 最高
真っ黒い星がくるくると回転しつつカーブ軌道を描いて攻撃する。
これをライトトリガーでMP消費量とクールタイムを極限にまで減らし、それをマルチオーダーで乱射する。
カーブ軌道のせいで、本来なら人目掛けて攻撃してもまず当たらない。
そこを量でごり押して無理矢理なんとかする。
要は、1発でも当たったら致命傷になるグミ打ち。
そして、これは今の俺のキャンセル技術で出来る最高の技。
しかし、この技は長時間は使えない。
歩くことすらままならないので短期決戦向けといえる。
普通であれば、この時点で相手の敗けが決まったようなもの。
だが、竹田は諦めてはいなかった。
これを全部回避するのは不可能だと判断し、受けの体制にシフトした。
実際白色には、防御系魔法が大量に存在している。
それに、黒には有利が取れる色なのでこの量でも問題なく受けきることができるだろう。
その判断は決して間違っていない。
でも、俺は竹田がそうすることを待っていた。
竹田の前方に黄色い半透明の盾が出現し、さらに周囲を回っていた剣の数がいつのまにか2つに増えていた。
俺はこれを見て防御系魔法を発動したことを確認した。
そして、俺は1発だけライトではない魔法をトリガーさせる。
使った魔法は、ショートジャンプ。
これは、当たった場所にテレポートするだけのシンプルな無色の魔法だ。
この魔法自体の射程はあってないようなもの。
数メートル位しかない。
しかしトリガーで組み合わせることで、凶悪な性能になる。
こうすることで、射程の長い別の放出系魔法の着弾点にテレポートできてしまう。
これによって、俺は一瞬にして竹田に最接近した。
そして向こうは、受けに集中していて全く気付いていない。
それをいいことに、マホジャマーを始めとするありとあらゆる異常状態魔法をかけまくる。
「えっ?えっ?はぁ!?」
ようやく自分の身に何をされたのか分かったようだが、もう遅い。
既に、竹田は20の状態異常を受けている。
そして黒色の魔法のなかに、状態異常を20以上受けている相手にしか発動できないが、発動さえすれば最強の魔法が存在している。
「ポイズンデス」
回避不能の即死魔法の名を俺は小さく呟いた。
登場する魔法について試しに別途説明を書いてみました。




