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オウレリア・アーキテクト  作者: 伝令 鮗
ギルド攻防篇
17/32

TAK☆EDA


 俺がイベントのことを知った翌日。


 この日は金曜日で、明日でA2が発売されて丁度2週間になる。



 今日もいつもどおり学校に登校して、いつもどおり長たらしい授業を受ける。


 そして、今は昼休み。


 今は購買で買ったパン3つと飲み物を全て平らげ、良さそうなギルドを設立していそうなクラスのグループを探しているところだ。


 最近気付いたことだが、A2によっての精神影響が日が経つにつれてだんだん薄れてきているように感じる。

 もちろん、A2の話題をしてる所はある。しかし、A2を買おう!なんかの台詞は全く耳に入らなくなった。



 俺が、このゲームを購入したのは意味がなかったってことか。

 こういうゲームはもうやらないって決めていたのに、結局やり続けてるし。



 ・・・・・・まあ、いいか。

 A2はそれ抜きに普通に面白いからな。


 そんなことより、よさそうなのを見つけないと。


 とにかく人数の多いギルドに、ではなくちゃんと攻略をメインに据えたギルドに入らなければいけない。


「あっ、ゆっきーじゃん。おーい」 


 誰に声をかけようか考えていたとき知った人物から声をかけられた。

 俺のことをゆっきー呼びするとはあいつしかいない。


 後ろを振り返ってみると、思ったとおりリアルでは高校に入ってからの友達である竹田光太郎の姿だった。


 そうだったそうだった、こいつがいたんだった。良さそうなギルドを立ててそうなやつ。

 完全に今のいままで頭から抜けていた。


 竹田とは、オウレリア・アーキテクトの一連のあれこれのせいですっかり会話しなくなってしまったからな。

 クラスも別だしね。


「しばらくぶりじゃね?竹田」

「えっ?あー、そだっけ」

「ほら、あれからしゃべってなくね?」


 そう俺が聞いても、まだピンと来ていないよう様子だった。


 こいつ、何にも覚えてねぇのかよ。


「・・・・・・あっ、あぁ思い出した。A2やらないかって誘ったとき以来だったっけ。あのときはゆっきーやらないって言ってたのに、あのあと結局買ったんだよね?」

「まあな、昔やってたあれのこともあって直前までは買ってやる予定はなかったんだけどね」


 A2の精神影響を調べたくてこのゲームを買ったんだよね、と心の中で呟く。


 それと、今のちょっとしたやり取りを経て、やはり以前の竹田に戻っていると感じる。



 約2週間前のみんなの豹変は嘘だったかのように。

 いつもどおりの学校の日常に戻っている。



 それで、結局こいつは何で話しかけてきたんだ?

 まぁ、なんとなく予想はつくのだけれど。


「あぁ、そうだったそうだった。ゆっきー、A2でイベントやるっての知ってる?」


 買っているなら知っているよね?と言わんばかりに聞いてくる。


 やはり、例のイベントについてのことだったか。

 恐らくだけど、俺をあいつのギルドに誘おうとしているのだろう。


 丁度いい。こっちもどこかしらのギルドに入りたかった所だ。


「帰ってから、一日中あっちに居たから当然知ってるよ。ギルドにはまだどこにも入っていなかったから、良さそうなのを探している所。もしかして、ギルドの誘い?」

「あ、やっぱりどこにも入っていなかったか。そうそう、俺んとこのギルドに来ない?いやー、まだまだ人が少なくてね」


 それにゆっきーはソロでエリア50に最初に到達したプレイヤーでしょ?と俺にしか聞こえない声で問いかける。


 竹田は、俺が前のゲームでキャンセラーと呼ばれていたことを知っているリアルでは数少ない人物だ。

 いや、ただ一人の人物だろう。


 というのも、竹田は元々そのゲームでのフレンドだった。

 入学した高校がたまたま一緒でたまたま同じ学年とかなり奇跡的な出会いをしている。


 気付いて当然か。


 それに、竹田は俺ほどではないけど相当キャンセル技術が上手いし、マルチオーダーも出来たはずだ。

 A2でいままで出会ったプレイヤー達と比較するのであれば、待ち伏せPKをしていたジェノーと同じくらいの実力者だ。


「あれ、というか竹田がリーダーだよね?」

「そりゃあもちろんそうだよ、誰かの元にってのは嫌だからね」

「ということは、セブンさんやヘクトアールさん達もそこに入ってるってこと?」

「あー、いるよいるよ。まだあいつらしかギルドには居ないけど、パーティ組んで、エリアも50まで到達してるよ。ふふっ、どうよ?」


 と言って、自信満々に右手を差し出す竹田。


 俺は何も言わずに、ノータイムでその手を掴んだ。


 これでイベントに参加できる。

 メンバーもあのとき基準で考えると滅茶苦茶強いしなにも文句はない。


「よっしゃぁー!さんきゅーゆっきー。超助かるぜー」


 そう言って、ニヤニヤとした表情を俺に向ける。

 ・・・・・・俺も同じ表情をしていただろう。


 こうして、竹田のギルドに加入することになった。

 そして、とりあえず一旦エリア50で一番目立つであろう時計塔前で落ち合うことになった。



 ちなみに、竹田のA2での名前はTAK☆EDA。ギルド名はバンブーFLASHだった。


 学校で、これを聞いたとき思わずもっとマシな名前にしろよと思わず突っ込みかけた。


 なんだよ、TAK☆EDAって。

 なんだよ、バンブーFLASHって。

 まんまじゃねえか、と。


 あいつはそういつやつだったなと思い返し、結局これらのことは口には出さなかった。


 このネーミングセンスのおかげで竹田がフレンドのあいつだってわかったしね。



 それと、俺は気付いていなかったが、もう学校の宿題なんかでA2の話題についてはいつの間にか無くなっていた。


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