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オウレリア・アーキテクト  作者: 伝令 鮗
ギルド攻防篇
16/32

宇宙の洗礼


 幻想的な光景が広がる、ここ"宇宙"。

 普段は静かな場所だが、プレイヤー達がこの地に足を踏み入れると突如として戦闘音が鳴り響く。


 エリア50以降のエリアに進むには絶対にここを通らないといけない。

 そしてここには大量に強力なモンスターが徘徊している。

 なのでしっかりとバランスのよいパーティを組み最善の準備を尽くして挑むのがこのゲームの最速攻略組のなかでは、もはや常識になっている。


 しかしながら、当然のようにパーティなんかを一切組まずに次のエリアへ無理矢理行こうとするプレイヤーもいるわけで・・・・・・


「いやいやいや、流石に敵多いって!処理できないってこんなの」


 そう、エリア50にソロプレイヤーで最速到達した彼である。

 有象無象のモンスターに囲まれつつも、スキルを駆使して全速力で駆け抜けている。


 エリア50にきて、もうこの先のエリアは無いものだとずっと思っていたけど、まさか"宇宙"を経由することでもっと先のエリアに行けるとは思わなかった。


 一応それまでの間に、今まででたまったスキルポイントを殆ど使って黒系統でとれるスキルはすべて入手しておいた。

 つまり、数少ない黒系統の魔法攻撃が全て揃ったことになる。


 その他スキルショップで大量にスキルと魔法を集めてきた。

 流石に行けるだろうと高をくくり、まったく準備をしないでここを攻略しに来たわけなんだけど・・・・・・



 一旦、いまの状況を整理してみよう。


 今回の目的はあくまでも、ここを通過して先のエリアに進むことだ。

 なので、無理な戦闘は避け移動のみにリソースを割けばよい。


 "スライス移動"の移動速度であれば、ここのモンスターでも大抵追いつけないことはわかった。


 でもモンスターの包囲網から脱出できない・・・・・・何故!?



 モンスターとの追いかけっこが始まってから、ずっと周囲を漂っている黄色い星状モンスター(シューティングスター)の突進攻撃を何回も避けていた。

 それ以外のモンスターにも当然攻撃されつつ、立ち塞がるモンスター達を針に糸をとおすように進み続けていた。


 しかし、突然自身の動きが硬直する。

 発動したはずの"キャンセル"がスキルが不発して、スキル硬直が発生した。


「なにがっ!?」


 今は、失敗する可能性のある技はなにもやっていないはずだ。

 だが、俺でもキャンセル技術を失敗するときは当然ある。


 こればかりは、どうしてもわりきるしかない。


 "ライトトリガー"ができない魔法だけど仕方ない。

 一旦、周囲を吹き飛ばすような感じに"ダークシャワー"を発動させて立て直そう。


 そう考え"ダークシャワー"をイメージオーダーするが、魔法が発動する気配は全く無い。


 刹那的に、先程のキャンセルミスは自分のミスではなく何らかの状態異常を受けていたことに気が付く。


 急いで自分のステータス画面を開き、状態を確認する。


「うわぁ、イメージオーダー無効の状態異常とかゲームやってて初めて食らったぞ」


 つんだ。


 そう思ったときにはもう既に、HPは0になっていた。






 マジックジャマー

 HP 高い MP かなり高い

 色 無色

 全ての魔法攻撃に高い耐性あり

 専用技として"マジックジャマー"というイメージオーダー無効の状態異常魔法を使用


 "宇宙"限定のモンスター。多種多様の魔法を使い、その移動速度は"宇宙"内でシューティングスターに次いで2番目に速くそれだけでも厄介。"マジックジャマー"を受けるとそれだけで全滅がほぼ確定するため最優先で撃破するか"マホジャマー"を使って異常状態魔法の発動を阻害する必要がある。


「しかも、マジックジャマーは"マホジャマー"も使ってくるため非常に危険・・・・・・か」


 見た目は、球体状でいかにもな帽子と小さな杖を持って浮遊しているのか。


 たしかにいたなそんなの。


 "マホジャマー"は黒色だから持っているし、こいつだけなら何とかなりそうだ。


 

 現在唯一"宇宙"の情報が載っている、エリア50専用掲示板から離れる。


 ちはみに、ここ以外には"宇宙"の詳しい情報は全く載っていない。

 ここにこれた者のみが知れる情報としてなのか、SNSや攻略サイトには一切記述がない。



 数分間その付近をただ彷徨き、そして現状では突破が不可能だということを実感する。


 それに、あそこで厄介なのはあたりまえだけどマジックジャマーだけじゃない。

 世界樹というモンスターは、書いてあること全てが厄介極まりないことしか記述されてなかった。


 そういったモンスターしかいない場所だった。


 最速攻略組ですらなかなか進めていないわけが改めてよくわかった。

 それに、あの掲示板の情報が正しいなら、エリア53にはどのパーティも到達できていないらしいしね。


 レベル概念無いゲームのに、なんでにこんな鬼畜要素を詰め込んだんだよ運営は・・・・・・







 最初に"宇宙"に突撃したあの時から、3日以上たった。


 今でも、そのあまりの難易度でエリア51に到達できていない。


 ・・・・・・そろそろ、本格的にエリア周回して武器防具の素材を集めるべきかもしれない。


 ここに来るまで、エリア解放を優先してきたので装備は大体初期装備だし。


 それに、エリア8のあのダンジョンにも挑戦したい。

 あそこはまだ誰も攻略出来ていないらしいし。

 もしかしたら、そこにしかないアイテムがてにはいるかもしれない。



「・・・・・・ん?運営からお知らせが届いているな」


 周回がてら、まずはエリア1に向かおうとメニューを開く。

 そのときに、運営からのメッセージが届いていることに気付く。


 自分の記憶がたしかなら、最後に届いたのは低エリアのPvP廃止とか決闘システムの追加みたいなアップデートのお知らせだったか。

 5日前、俺がここに到達した直後くらいだったはず。


 最近は、運営メッセージをあまり見ていないから少し驚いた。

 どうせ、バグとりなんかでいそがしいのだろう。



 予定していたエリア1には向かわず、届いていたメッセージを見てみる。


 内容はアップデートで導入された決闘システムを組み込んだ、オウレリア・アーキテクト初となるイベントを実施するというものだった。


 ギルド対抗で1つの専用マップ内に拠点を形成し、PvPをするバトル・ロワイアル形式。


 イベント開始はこの日から1週間後。


「詳しいルールについては後日解禁で、優勝したギルドメンバー全員には特別なスキルとアイテムがもらえるのか」


 欲しすぎる。


 思わず、小さくそう呟いてしまう。


 しかし、今までずっとソロで攻略してきた影響がでてしまう。

 そう、どのギルドにも入っていない。


 そして1人ではギルドを設立できない。

 複数人いて、初めてギルドが設立できるのだ。


 ようするに、今のプレイスタイルだとどうやってもこのイベントには参加できない。

 しかしながら、それに参加しないという選択肢は彼には存在しなかった。


 そう、"特別"には勝てなかった。


「しょうがない、うちの学校のクラスメートの誰かがギルドをどうせ設立しているだろし、そこに潜り込むかー」


 チーム戦はそれほど上手じゃ無いんだけどな、という独り言もしゃべりつつ、この世界から姿を消した。


ルビというものを初めてつかってみました。

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