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氷の女王は家出少女  作者: まろマロン
第1章 氷の女王編
1/119

1氷の女王は家出少女

月影黒兎はこの春から私立桜乃花高校に通う高校1年生だ。親は転勤が多くほとんど家に帰らないので、実家に居ながら一人暮らしに近い生活をしている。たまに帰って来てはお土産をくれたり、黒兎のことをとても気にかけてくれるいい親なので不自由はしていない。むしろ恵まれている方だろう。


そして高校生になってから2週間ほど経った頃ある出会いをする。



黒兎はいつものように朝の支度をして家を出る。

誰もいない家に向かい「行ってきます」と一言残し学校に向かう。


学校が始まって2週間ほど経つのでもうクラスのグループは、ほとんど出来ている。

もちろん黒兎は中学の頃からの数少ない友達である陽キャでクラスの盛り上げ担当、彼女もちリア充の坂口聡(さかぐちさとし)とイケメンで学級委員長でお坊ちゃんの冴羽陽(さえばひなた)の3人という少グループの中の一人だ。

もちろん黒兎以外の2人は他の人気者(陽キャ)グループにも所属している。

なんならなんであいつら2人が黒兎といるのか最初はクラスから不思議がられたが、同中の友達ということでクラスからは理解されている。


そして一人だけ、クラスのどのグループにも入らず、しかし決していつも1人ではない人が1人だけいる。それは

氷の女王こと冬矢雫(ふゆやしずく)だ。

成績優秀、運動神経抜群、超絶美少女しかし、表情が固く(ほとんど出さない)どこか冷めた目と心をしているためクラスからは氷の女王なんて呼ばれている。しかし人気が無いわけでは無く、ただ特定の誰とも深い関係を持たないミステリアスな少女である。

それでもクラス内ヒエラルキートップクラスの言わば学年の有名人だ。


学校も特に何も無く終わり下校する。今日は金曜日。

聡と陽に「先帰る」とだけいい1人で下校する。


帰り道コンビニで今日のご飯を買って帰ろうとした時 ありえないはずの顔が見えた。

冬矢雫、そう氷の女王である。

しかも、何か物欲しそうにこちらを見ている(表情はほとんどないが雰囲気で)。


「何か用か?」


初めて話すので少し緊張した震えた声で雫に問う。


「……………」


グゥ雫のお腹がなる。


雫は何も言わない。

しかし明らかに今、黒兎の持っているコンビニの袋を見ている。

黒兎が今日の晩ごはんのサラダと、サラダチキン、たらこスパゲッティを袋からだすと、ヨダレを垂らして氷の女王がこちらを見る。


「もしかしてお腹空いてるのか?」

「……」


雫は、言葉にはしなかったがコクリとうなずいた。


「食べるか?」

「……うん」


初めて聞いた雫の声、冷たく感じたが透き通っていてとても綺麗な声だった。


「こんな所もなんだし、俺ん家で食うか?」


黒兎は冗談で言った。高校生の超絶美少女が今日ほとんど初めて知り合った冴えない男子の家に上がるなんてことはない。しかしコンビニの前で食べるのもなんだから、場所を変えようと思っただけだった。


「うん。いく」


雫は答える。冷たく感情のなさそうな声と違って少し温かみのある声で。


「ん?今なんて?」

「行く。君の家にいく」

「へっ!?」


俺は驚きのあまり店の前で恥ずかし声を出す。

普通に考えて男子の家なんか来たら何されるかわかんないよ!しかも今日ほとんど初めて知り合った間柄なのに?!


「あの……わかってる?男子のお家に来るんだよ?

一応、俺一人暮らしだよ?何されるかわかんないよ?」

「あなたはそんなことする勇気なんてなさそうだから安心」

「うん。しれっとヘタレそう宣告だね。傷つくよ」

「そんなことより家に行きたい」

「そこまで言うなら何があっても責任とらないよ!」


ヘタレな黒兎はもちろんそんなことをすることはないが、 雫を家まで案内するとことなった。

家につくと雫に今日の晩ごはんを与えてあげた。なんか小動物みたいでいつものような氷の女王感は感じられなかった。


「食べたか。んじゃ帰りな。親も待ってるだろうし」

「……」

「なんでそこで黙るんだ?」

「…………」

「黙ってたら解んないぞ」

「……私は」

「どうしたんだよ」

「……私は家出してきた」

「ええっーーー!!!!!?」


氷の女王は、 その名の通り家出してきたことを淡々と告げた。


初投稿です。

緩く短めで片手間で読めるような緩さでやっていきます(多分)

なにとぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 雫との会話「一様、俺一人暮らし」ではなく「一応、俺一人暮らし」が日本語的に正しいと思います。
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