おまけ:人物紹介
アドラス・ド・ブレイズ
リサンドル王国騎士団長の長男。弟がいる。
前世は姉がいた弟。父親がモラハラDV親父だったため、父親という存在を憎んでおり、母親という存在に弱い。姉という存在にも弱い。
モラハラDV男にならないように生きていたので自分がそうなってかなり絶望している。エミリー全肯定botになっていたのもそのせい。
雑食オタクなので悪役令嬢コンテンツにも詳しい。高卒→ホスト→金持ちのお姉様のヒモ→配信者→Vtuberという職歴をたどっているため、甥に職業を聞かれて困った。
ヒモ時代にドクサい台詞のセンスが磨かれたので、Vtuber時代もそういう感じでボイスとか売ってた。
エミリー・ド・シャルヴェ
シャルヴェ伯爵家の長女。兄と妹がいる。
自己主張が下手なコミュ障で、嫡男と要領のいい妹に挟まれて常に損をしてきた。そのうえ地雷物件と婚約させられ、実質捨て駒扱いされている。魔法の才能があり、従姉妹のエレノールからもいいように使われていた。もし家出してなかったら家に閉じ込められ魔法の研究をさせられていたかもしれない。
自分の『体験』を消したので、それまでに育んだ情緒とかは全部消えている。両親に対する承認欲求、兄妹への情、エレノールへの畏怖も当然消えている。辺境で魔獣を殺しまくれたのも恐怖心が小さいから。
旧エミリー時代から攻撃魔法に興味があったのは事実なので、新エミリーになった後は家族とか気に食わないやつ皆殺しにできたし今もできるんだな~とうっすら思いながら生きている。
レアン・ド・リサンドル
リサンドル王国の第一王子。弟が一人と夭折した姉がいた。
前世は医師。医学部に行きたかったが経済的な事情から断念するも、進学した別の大学もすぐ退学。ホストをしてたところで金持ちのお姉様のヒモになり、何故かお金を出してもらえたので、もう一度やり直した。
依存・奉仕体質で、一回ストーカーで通報されて以降はカウンセリングなど受けて自制していた。
転生直後は目の前で死んだミレイユのため、エレノールが死んだ後は息子のティニアンのために生きているタイプの人。この体質がエレノール相手に発揮されていたらエレノールの夢は叶っていたかも。
倫理観が現代日本なので、普通にアドラスのことは怖いと思っているが、エレノールを刺せるくらいには本人もどうにかなっちゃっている。
ダミアン・ド・コルヴォー
リサンドル王国宰相のコルヴォー侯爵の長男。姉と弟がいる。
前世は俳優の卵→ヒモ→借金で身持ちを崩し海外へ飛ばされる→海外の詐欺拠点で働かされる→その中で幹部までのし上がる→逮捕されて独房の中で病死。
前世で借金にまみれてどうしようもなかったとはいえ犯罪に手を染めたことを後悔していて、異世界では現代知識チートでのし上がった人。転生国王と転生騎士団長の国なら面白そうと思い、父親(元宰相)を言いくるめて宰相になったが、五年くらいで他の派閥の突き上げで辞任し、しかしその五年後にまた戻ってくる……みたいなのを一生やってる。
ヨロズヤ商会は弟の嫁に継がせた。
マデウス・ド・ブレイズ
アドラスの弟。脳筋デリカシー皆無クソお兄ちゃんへの殺意と執着を常に持っていたが、急に別人になったのでビビって、目が覚めた。今のお兄ちゃんに対しては負けを認めているし、実はかなり好き。
一方で初恋はエミリーというテンプレかわいそうな男。
母親の薫陶を受け、父親を下ろし跡を継いだ後はヴァルモン公爵家の下で大人しくしていた。嫁のことはスパイだと思っていたのでいざというときに切り捨てる覚悟はあった。見切りをつけた相手には基本的に冷淡。
知略を活かしすぎた結果、最終的に派手に暴れてる兄の影でコソコソやってたほうが効率良いな……と気づいてしまった。ので、騎士団長とブレイズ伯爵の地位はまるっと譲った。
五年で身長も伸びたが、兄をはじめとした周りがデカすぎる。美男子なので実は爆モテしている。
エレノール・ド・ヴァルモン
ヴァルモン公爵家の長女。当腹の一人娘。
レアンの外見は好きだが中身は大嫌い。第二王子(国王)のことはもはや眼中にない。エミリーの『体験を消す魔法』がなかったら拷問まがいの調教でレアンの人格を破壊していたと思われる。
自分が主人公だと思っており、他人は家族含めて全て駒とみなしている。自分の視界にいる人間を自分の思い通りに動かしたいタイプ。
ヴァルモン公爵(父)は王家の乗っ取りを企んでいたが、本人はレアン以外はどうでもいい。世界に自分とレアンとそれ以外しかいない。
アレインとミレイユはヴァルモン公爵の妾腹の子であり、双子。ミレイユは母のためにハニトラ要員になり、アレインはエレノールに心酔して監視係になっていた。ディアンナなど辺境にいたのはヴァルモン分家の末端の、貴族とは言えない身分の子供。
ヴァルモン家は精神に干渉する魔法を研究している――と言われているが、実際は軽い好意を抱かせる・油断させる程度のもの。ミレイユは直系で適性があったので無事だったが、ディアンナは自分が使える以上のものを使って命を落としてしまった。
エミリーの方が魂への干渉については異様な才能を発揮しており、エミリー本人が魔法を改変していたら『他人の人格を消す魔法』は成功していた。とはいえ、エミリーは『自分の人格を消す魔法』の実験台になり、その経過観察のために隔離されていたため、自分で改変することは不可能だった。
『自身を魔獣に変える魔法』はいつからかヴァルモン公爵家に伝わる外法(現存する魔法体系とは違う魔法)。使われないように管理する役割のはずが、一家はこの魔法により自滅した。
ヴァルモン公爵家に与した者のうち、誰がこの魔法を使えるかわからない以上、ドラゴンを殺せるアドラスとエミリーを王国騎士団に置くのは必然だった。
おまけの余談ですが、前世の三馬鹿をヒモにしていたのが「寝取っちゃったもんは仕方ない!」のリリアンヌの前世の人です。この三人とリリアンヌの転生先は別世界です。




