表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

新しさ

ー神道[シントウ]ー

ーそれは古来、日本から伝わる民族的な信仰。神話を基としており、開祖は居ない。しかし、国土創世譚から始まる日本の伝承が紡がれた。ー


ー信仰には神がいた。しかしー


ー時代の権力者により新たな形を成し、信仰とともに文化の一部となった。紡がれた伝承は時代によって変わることや消えるものもあった。ー


ー信仰の神は八百万の神と呼ばれ、如何なる物にも存在していると伝えられた。そして時折、人に試練を与えることもある。ー


ーそれは私たち。人間が抗うことのできない強大な存在。世界を創造から調節する神聖な存在。神の力と同じものを持ち、世界に恵みを与える場所を耕す存在がもう一つの『神』であると伝承されている。ー

私が学校に向かうと、多くの人が掲示板を見て楽しそうに笑っており、私もそんな一人になっていた。

「私は(いち)組」

私が見ていると、周囲からも同じように自分の組を言って確認する生徒が居た。

「えっと。俺は(さん)組か」

「私は壱組…」

「私も壱組なんだよ。よろしくね」

「ええ」

同じクラスの人たちで自然と集まり、自己紹介を始まった。

高校の新入生は二〇〇人ほどいるようで、一クラス四〇人、()組まで分かれているようだった。

「何でだあ!どうして(よん)組なんだ!」

私が周囲の光景を見ていると、急に隣で泣き崩れる女の子がいた。

「えっと。大丈夫ですか?」

女の子は私より一〇センチは低く、クリクリとした目で私の方を眺めていた。

「なんだよ。もしかして、変わってくれるのか?」

女の子は私の方を輝いた目で見て尋ねた。

「えっと。私にそんなことできませんよ」

(あんず)ちゃん。迷惑をかけたらだめだよ」

私が戸惑っていると、泣いている女の子を杏と呼んでいる女の子が横から現れた。

「うわ…。柚子(ゆず)、お前は何組なんだよ」

「壱組だよ」

杏と呼ばれていた女の子は、その場で駄々をこねて言った。

「この優等生め!」

この学校は特に決まったこともなく、ランダムにクラスが決められているため、女の子が言っていることに周囲の人は不思議そうに見ている。

「杏ちゃん。優等生だからと言って、壱組ってわけではないよ」

「ぐぬぬ…。だったらどうして試験をやるんだ!」

「杏ちゃん、この世は時の運って言うし…」

「もう知らん。先に行くぞ柚子!」

杏と呼ばれていた女の子は足取り早く体育館へ向かって行った。

「もう…杏ちゃんは揶揄(からか)甲斐(がい)があるんだから。ごめんなさい。あの子、子どもなの許してね。また話せたら」

「はい…」

今日、会ったばかりなのに勢いで話す人に驚いてしまった。

「知っている人、少ないなあ」

周囲の人たちは会話を楽しみながら体育館へ向かっており、私だけ一人で止まることなく、入学式が始まるのを待つ。

時間が進むにつれて、他の生徒も同じように座り出し、入学式が始まる。

一同起立(いちどうきりつ)(れい)

御神木様(ごしんぼくさま)(はい)

壇上(だんじょう)の方を向いていましたが、左の壁の方を向いて手を合わせて一礼した。

「着席」

司会の先生が促すと参加していた全員が席に着き、入学式が始まった。


春の暖かな日、入学式の最中は動かないこともあり、眠気に襲われてしまい目を閉じると、意識がはっきりとしない時間ができていた。


「新入生挨拶(あいさつ)。新入生代表、冬月(ふゆつき) (もも)

私はいつの間にか寝てしまっていたようで目を覚ますと、新しい服を着た女子生徒が壇上で挨拶を始める。

「…この(うら)らかな春の日に県立藤沢(ふじさわ)高校に入学できたことを(ほこ)らしく思い、充実した学校生活を過ごすことを誓います。新入生代表 冬月 桃」

女子生徒は淡く輝いたピンクの髪色にボブショートヘアを(たなび)かせて壇上を降りていく。

私は再び眠くなってしまい、目を閉じた。

薄れ行く時間の中で、私の見えているものが変わっているように感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ