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いつかどこかできいた詩

僕は夏が嫌いだ

リズムもテンポもお好みで。



春は終わり街の色は 鮮やかに移ろって

セピア色の木漏れびの中僕は

実をつけない花の意味を問う


こぼれたため息ひとつ 爽やかな風が拐う

居心地のいいこの場所でも

弱音は吐けないらしい


ああ、名残惜しいけれどここでお別れだ 

影を出る 乱反射の光に呑まれる

嫌いな夏が来る


早く昇る太陽が嫌いだ

息を染める青空が嫌いだ

目を穿つ緑が嫌いだ

僕を責める夏が嫌いだ




灰色のコンクリートを、ただ歩いてる

道の先揺らぐ陽炎に僕は

夢もなく生きる意味を問う


こぼれた雫一粒 潮風に混ざってく

汗が目に入っただけだ

悲しさも悔しさもないよ


さぁ、進もう それだけが唯一の取り柄なんだろ

高い空にかかる白い歩道橋

もうすぐ夏になる


身を焦がす陽の光が嫌いだ

喉を抉るサイダーが嫌いだ

いつの間にか消えてるホタルが嫌いだ

僕を縛る夏が嫌いだ



テトラポッドにぶち当たって壊れる高い波に

僕だけがあの日の花火を思い出してる

他の人はとっくに終わらせた宿題を

僕だけがいつまでも抱えてる


コントラスト最大値でも

僕だけいつまでもあやふやなままで

それを許さない夏が嫌いだ



早く昇る太陽が嫌いだ

息を染める青空が嫌いだ

目を穿つ緑が嫌いだ

僕を責める夏が嫌いだ


身を焦がす陽の光が嫌いだ

喉を抉るサイダーが嫌いだ

いつの間にか消えてるホタルが嫌いだ

僕を縛る夏が嫌いだ



蝉の声も、塩素の匂いも、湿気も、眠らせてくれない蚊も

祭囃子も、風鈴の音も、ぬるい風も、

全部、全部、全部

嫌いだ、嫌いだ、大っ嫌いだ


僕は夏が嫌いだ



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