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ショーグン・ブレイクダウン  作者: 43番
第三章「L.O.S.T」を探せ
43/50

その8

短いですが、更新します。

 小張の考えていた計画は以下の通りである。


 アレックス・ローの暗殺はテロ事件の起きたカフェを最初から指定しており、周りの人間も自分の息が掛かった者たちを配置していた。ローの暗殺計画といってはいるが、本来は毒殺に見せかけた狂言のつもりで最初から指示書に従うつもりはなかった。カフェの店員や客をすり替えていたのも上手いこと証拠を隠滅する目的もあり、ショーグンの信頼を勝ち取るために仕組んでいた。


 しかしながら当日イレギュラーが起きた。まんまとローを指定のカフェに誘導したのは良かったものの、その場に月鏡と北條がいたことを小張は関知していなかったのである。ローの飲み物に仕組んだはずの毒が何故か効かず、ローと月鏡がカフェを出ることになってしまった。焦ったカフェの内通者が小張に連絡した直後にカフェの爆発が起きた…。なお此処で月鏡が巻き込まれたのは完全に偶然である。



「これのせいで俺のチームは壊滅。結果的にではあるが、俺はショーグンの信頼を得られた。……犠牲が多数出てしまったがな」


「なるほど。狂言殺人を目論んでいたとして何故最初に手配していた毒は効かなかったのですか?」


「それがイマイチ分からん。想像するに事前に中和剤を仕組まれていたようだ。だが、一つあるとしたら何者かが我々の邪魔をしたということだ」


「L.O.S.T…」


「そうだ。あの時邪魔ができるとすれば、巻き込まれた月鏡を除けば一人しかいない。………北條千奈津、あの女こそが俺は「L.O.S.T」なのではないかと睨んでいる」


「北條千奈津…」



 真一文字は少し思い出す。先程月鏡と一緒に斑鳩記者と落ち合った際に斑鳩記者からある動画を見せられた。その動画に映っていたある人物を見て月鏡が確か呟いていた。「千奈津」という女性の名前を。



「…確かに興味深い内容ですね。実のところ私も彼女に目星を付けていましてね。もっと調べてみたいと思っていたところですよ」


「?珍しく気が合うな。大概俺のことは否定するくせに」


「ま、いずれにせよ断定はできませんが、彼女が行く先々或いは行動によってショーグン絡みの何かしらのアクションが起きている。無関係や偶然で片付けるには少々無理がありますね。彼女が「L.O.S.T」でなかったにしても裏で何かしらの組織が糸を引いている。そんな気がします」


「……彼女はもうキングスカンパニーを去っている。恐らく別の会社に潜伏していると思われるが、正直俺もそこから先は知らない」


「その辺は心配はいりませんよ、小張君。月鏡さんがキーマンだ。彼女に疑いなく接触できるとしたら彼しかいない」


「月鏡が?」



 小張は首を捻るが、真一文字は構うことなく続ける。



「ところで小張君、実はキングスカンパニーにもう一人ショーグンのスパイがいるのではないですか?」



 真一文字の言葉に小張はビクッとすると、慌てて真一文字の方を向いた。

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