表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショーグン・ブレイクダウン  作者: 43番
第二章 ウロボロスの終末事件
34/51

その13

「L.O.S.T」とは何なのか。昨今の政治的、思想的な団体や組織とは異なり、より細分化された個人の攻撃者によるテロリズムに対抗する為に政府が極秘裏に立ち上げた直属の部隊である。


「lone offender special troor」の略称でいわゆる「単独犯に対する特別部隊」が正式な組織名となっている。部隊の主な任務は政府または警視庁によってマークされた重要犯罪人となる人物を監視または諜報することである。そして場合によっては対象の人物を暗殺することすらも許可されている。


「L.O.S.T」自体が完全に三権分立の定義から独立しており超法規的な待遇を与えられている為、部隊の隊員が対象の人物の暗殺を遂行したとしても一切罪に問われることはない。部隊の隊員は基本的に市井の人間に混じっており、隊員同士でお互いの正体は知らない。横のつながりよりも縦のつながりによってのみ連携を取っている。


「L.O.S.T」は完全に秘匿された存在であり、政府もしくは警視庁の極一部の人間しか隊員に関する情報を与えられていない。あくまでも名前のみが独り歩きしているが、実在すら疑わしい為に半ば都市伝説化している状態である。真一文字も名前こそ知っていたが、本当に存在していることに対して全く信じていなかった。



「まさかとは思っていましたが、水面下で動いていた「L.O.S.T」が本格的に活動を開始したという情報を傍受して存在を確信したところです」



 車を運転しながら助手席の月鏡に向かって真一文字が「L.O.S.T」に対する説明をした。月鏡は余りにもぶっ飛んだ組織の内容に開いた口が塞がらない。



「この国にそんな組織が存在していたなんて…じゃあ水面下で動いていたのであれば「L.O.S.T」も神仏無をずっと追っていたということですか?」


「推測ですが、そのようです。しかし「L.O.S.T」の本当の恐ろしさは他にある」


「本当の…恐ろしさ…??」


「先も説明したように「L.O.S.T」は超法規的な待遇を受けている。現法の適用外の存在で政府から公式に認められた特別な戦士といえます。つまり暗殺任務さえも政府公認であるということ。しかもその規模は不明。全容すら把握しきれません」


「そうですね…確かに解釈としては合っている。でも恐ろしさというのは?」



 月鏡の質問に真一文字の顔つきが強ばる。自然とハンドルに握る手の力も入っているように見えた。



「「L.O.S.T」は暗殺の対象と定めた個人の攻撃者を決して逃したりはしない。どんな手を使って必ず仕留めることを信条としています。裏を返せば一般人が巻き込まれることも厭わない」


「………」


「そして万が一個人の攻撃者に協力者が存在したとしたら、その人物をも暗殺の対象となる。例え攻撃者の正体を知らないで協力した形となっても絶対に容赦はしない」


「……じゃあ、「L.O.S.T」は…この街の何処かに潜んでいるということですか!?一般人が巻き込まれることを厭わないような暗殺者が!!?」



 衝撃的な事実に驚愕する月鏡に真一文字はゆっくりと頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ