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不幸の檻  作者: みあ
愛された子
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白眼視

 秋ほどにもなってくると、クラスの人達がどんな人たちなのかわかるようになってくる。すると、あることに気がついてしまう。


 スクールカースト


あまり関係ないところにいるつもりだが、ふと周りを見てみると、そうでもないらしい。カースト上位の子からしてみれば私は気に入らない存在らしいが、今のところ嫌がらせ的なものは受けていない。


それよりも、彼女たちからしてみれば、もっといじめやすい子がいるようだった。それでも、いじめている子ともいじめられている子とも関わりのない私はどうすることもできなかった。 


 いや、ここでも居場所がなくなるのが怖いだけかもしれない。


直接見たわけではなくて、そういうのは隠れたところでやるものだから、証拠もないので、先生に言うこともできなかった。


 全員が教室から出て行った後、学級委員の仕事として戸締りをすることになっていた。今日は燈子も部活だそうだ。


「ああ、小野寺さん!まだいたのね、よかった!」


「どうしました?」


担任が教室に入ってきて私を見るなりホッとしたように言う。


「先生ね、今から職員会議なんだけど、これ戻しにいくの忘れちゃってて、この階の非常階段の横にある教室に置きに行ってくれない?」


渡されたのは今日授業で使った辞書が入ったプラスチック製のカゴ。


「わかりました。鍵は開いていますか?」


「開いていると思う。ちょっと重いけれどお願いね〜!」


それだけ言うと、小走りに教室から出て行ってしまった。


「……重。先にこれ終わらせよ。」


廊下を歩いて一番奥まで行くと、声が聞こえてきた。非常階段の辺りに誰かいるようだった。しかも複数人。それに全くもっていい雰囲気ではない。


「うち言ったよね?いいんちょうの物なんでもいいから盗ってこいって。なんでやってないの?まさかビビってんの?」


「そんな時間なかったって…」


「は?いくらでもあるじゃん。朝にでもやれよって言ったのに。」



話しをしているのはいじめっ子4人。そして、彼女らに迫られているのが所謂いじめられっ子。というか構図だ。



……見なかったことにしてもいいが、これを置きに行く教室はその横なので、バレずにやり過ごすことは困難だろう。それに、この状態を見てしまってはなんら関係を持たない、ということもできないだろう。


 私に気がついたいじめっ子の代表格が何もないかのように声をかけてきた。


「どーしたの、いいんちょう。こんなところで何してんの?」


このグループの中で一番目立つ。彼女が嫌いと言ったら他の子も嫌いだと言い出すらしい。


「…私は先生に頼まれて、これをこの教室に置いてくるように言われているの。」


そう言って教室のドアへ近づく。


「そーなんだ。そういえば、さっきの聞いてた?」


ドアの横にあった机にカゴを置いた。


「聞いてたけど、どうかしたの?」


相手の表情が固まる。


「は?何聞いてんの?」


「何って…言ったでしょ、先生に頼まれてここへ来たら田川さんたちがいたんだよ。」


「何それ。うちらが悪いみたいじゃん!先にここにいたのはうちらなのに。」


「話しを勝手に聞いてしまったことは謝るけど……話している内容については聞き捨てならないかな。」


「うちらのこと担任に言うの?きっと信じてもらえないよ。だってこれじゃああんたが勝手に言ったってことになるから。」


「確かにそうかもね。…あーあ、そっかぁ。だから最近、私の教科書やらペンやらなくなってたんだね。先生に解決しましたって言わないと。」


「…は?何それ。大人に言うなんて卑怯だと思わないの?」


「どうして?私は物を盗られた側の被害者なのに?」


「調子にのんなよ。勉強しかできないくせに。」



「そうかなぁ?まあ、いいけど。…取引をしようよ。」


「逃げるつもり?」


「今後、田川さんたちは私と彼女に一切関わらない。そして、私も彼女もあなたたちのしたことには目を瞑ってあげる。……どう?山岡ゆりさん?」


山岡ゆり、というのは、いじめられていた彼女。


「……は?」




 あの後、無事仕事を済ませた私は教室に戻って荷物を持って教室の鍵を閉める。その横に、人が近づいてくるのがわかった。


「……なんのつもり?」

サブタイトルをすごく悩みました。

ちょっとした自分の中でのルールですが、サブタイは漢字だけ!となっております。だからたまに難しい…

今回の場合、白眼視しているのは恵都、それとも…?

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