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不幸の檻  作者: みあ
お伽話とすべてのはじまり
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昔話

 明治時代初期、ある公家の華族の御曹司で心理学者だった男がいた。


 彼は、優秀であったが、人の心を理解できなかった。よって他の者を巻き込んで多くの研究をしたが、それでも、彼は人の心を理解できなかった。そして、彼は一つのことを思いつく。人間の感情の中には幸と不幸がある。不幸になり続ける人間を見たら、自分は人の心を理解できるようになるかもしれない、と。


 その名も、「不幸の檻」実験。


 しかし、一つ問題があった。その実験の被験者がいないことだった。周りの人間は、その話をすると、絶対に嫌だと首を振った。それは、家に古くから仕える部下たちでもだ。途方に暮れかけた時、父親が妾の子供を家に連れてきた。母親はそれから毎日機嫌が悪くなった。子供は男の子だった。自身の子の立場が危うくなると、考えたからだった。彼に何かあった時に、その子供が一族の主となるのも許さなかったらしい。

 子供は毎日、正妻である母親にぶたれても、食事を抜かされても、謝るばかりであった。父親は家庭に無関心であったため、母親は嬉々として虐めた。


 それを見た彼は歓喜した。いい被験者がいる、と。


 まずは、子供をその母親のもとへ連れていった。あらかじめ雇っておいた暴漢に、母親を目の前で殺させた。その後、何年かかけて、その親族を子供の前で殺していった。親族が滅ぶ頃には、子供は大人になっていた。そして、彼はその妾腹の兄弟に、嫁を娶せる。そして、その間に子供が数人できた頃、子供を目の前で殺した。最後の2人になるまで。その後、嫁も殺した。被験者は、精神的に異常をきたした。彼は実験は失敗した、と思った。だから、この研究を続けることにした。1人目の被験者は、失敗なので、処分した。勿論、生き残っている2人の子供の前で。生き残った2人をある程度成長させた後、片方はもう片方の目の前で殺す。そして、生き残った方が大人になると、嫁を娶せる。


 しかし、彼も神ではない。寿命がくる。


 彼は、その研究を息子に受け継ぎ、この結果がわかるまで、続けるように言って死んだ。そして、これを繰り返していった。殺し方もさまざまで、身内に殺させるとか、片方だけ生き残れるようにするとか、とにかく凄惨をきわめた。


 これが未だ現代にも伝わっている。


 その研究者の一族を三条、被験者の一族を小野寺と言った。


サブタイに毎回数字を入れていたのですが、数が数えられなくなっていたようなので、やめることにしました…

今回以降、サブタイは文字だけになります…


2022年7月30日編集

編集後にサブタイの数学は消させてもらいました

終わり方がなんとなく納得いかなかったのでちょっとだけ文章を増やしました…どうでしょう?

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは。ツイッターから来ました。 途中まで読ませていただきました。各話ごとの引きがが上手で、次の話へ自然に吸い込まれました。 [気になる点] 主に序盤なのですが、歯に衣着せぬことを申…
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