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不幸の檻  作者: みあ
お伽話とすべてのはじまり
1/62

序開

   眠い?ーーううん。まだねむくない。ーーそう、じゃあ、昔話…聞かせてあげるね。ーむかしばなし?ももたろう?しんでれら?かちかちやま?ーーううん。ふふっ違うよ、昔むかーしね、、、





家に帰りただいまっと言っても返事がない。寝ているのだと思い、部屋へ入ってみる。すると、宙に浮いた足ともう上がることはないであろう首と、その首から繋がっているコードが目に映る。3分くらいその場で固まったまま頭が働かず、その後5分くらいかけて、ゆっくり考えてやっと、これが自分の母親であり、そして彼女がすでに死んでいるということが理解できた。足元に、遺書と思われる封筒があったこと以外は、恐ろしいほどいつも通りの風景だった。

 

 通帳の残高は結構残っている。普通に働いて得たものではないだろう。ーー通報して駆けつけた警察によると、自殺だろうということだった。まあそうだろう。なんの疑問も持たなかった。腕に何本もできた傷は止めても、怒っても泣いても、増える一方だったから。どうしたら以前の、あの男が付き纏うようになる前のような生活に戻れたのか。母が笑っているのを見れることが幸せだと思っていたのに。




 暗い部屋の中で時計を見ると、0時41分を指していた。どうせ寝てもあの時の光景しか出てこないのだから。服は制服のままだった。春とはいえ夜は寒いので、服装を隠すためにも少し長めの上着を着る。外は街灯しかついていなかった。確実に未成年が補導される時間だ。少し歩くと小さな公園がある。そこで時間を潰そうと思い、ふらふら入る。先客がいた。若い男…年は20代半ばといったところか。


 「こんばんは、お兄さん。隣、いいかな?」


彼は私を睨むように見た後、ため息をついて口を開いた。

 

「高校生が出歩いていい時間じゃないと思うけど。何してるの?警察に突き出していい?」


ーー高校生はバレるかぁ真面目そうだなぁこのお兄さん。


「何で高校生だってわかったの?…でもさぁ、警察に突き出してもいいけど、困るのは私だけじゃないんじゃない?ね、人殺しのお兄さん。」

 

割と鼻がきく、ということがこんなに役に立つとは思わなかった。


「…ふぅ、君の、余裕そうに構えて実は色々気にしているような感じが、大人じゃないなって思った。そうすると背丈的に高校生かなって。…あと別に俺を警察に突き出しても捕まらないかな。でも、人殺しってのは正解だよ。やっぱ臭うもんか。気をつけよ。」


ーー人殺しなのに捕まんないんだ。変なの。お金持ちかな。どっかの御曹司だったりして。少女漫画じゃないんだからそうホイホイ出てきてたまるか。まあ、しかしこちらとしては好都合だ。


「ねぇねぇ、お兄さん、お願いがあるんだけど。聞いてくれない?」


「何?こんな会って間もない男に頼むようなことなの?」


  逆に、そうでないと頼めない。今の私にとっては、究極の願い事。


 「うん!ねぇ、私を殺してくれない?」

はじめて読んでくださった方は、はじめまして!

一度読んでくださりリメイク版で読んで下さった方もいらっしゃるかと思います。

ご両者ともに本当に読んでくださり、ありがとうございます!

ちょっと色々読みやすいように編集したつもりですが、でもまだちょっと読みにくい、と思われた方は感想を書いていただければ、また編集します!

模索状態ですので、あたたかく見守っていただけると幸いです何かあったら感想又はみあのTwitterのリプ欄までお願いします!

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