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One day  作者: 羽瀬川まる
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別の男


エセと私の初コンタクトは電話だった。

その日、私は高校の同級生である美樹との宅飲みで、ひどくお酒が回っていた。

「アサヒ、良いやつだから絶対電話出てくれるよ。」

酔うと誰かに電話をしたくなる美樹は、

この日も私の知らない人に電話をかけ始めた。


それが当時美樹と同じインカレにいたエセだった。

普段なら知らない男との電話は躊躇うところだが、

私も酔っていたため特に気にすることなく電話越しのエセに絡んでいた。

エセの声はとても好みだった。

それに美樹が言ったように普通にいいやつだと思った。


そのまま電話は朝の五時まで続き、エセのインスタをフォローして、

私が寝落ちしたところでようやく電話は終わった。


次の日、私は美樹の家を出て、自分の家に帰った。

それからしばらくエセとの交流はなかった。

それも当然だ、数時間友人の友人という関係で話しただけなのだから。


エセとの交流が始まったのは、それから一か月と半月がたった日の夜だった。


 ー最近飲んでるん?ー


友人と飲んでいた所、インスタにエセからのメッセージが届いた。

お得意のエセ関西弁だ。

その日もお酒が回っていた私は、エセと連絡先を交換し、

また電話をする流れになっていた。


一緒に飲んでいた友人は、飲み始めてすぐにお酒が回り既に眠っていた。


エセと電話を始めると、お酒はもっと私をちょろくした。

酔っ払いの相手をしてくれたエセに少し好意を抱いてしまったのだ。

エセもエセで、面倒な酔っ払いの相手を嫌な反応もせず、

笑って話を聞いていたため、ちょろくなった私がその気になるのは容易かった。


次の日から連絡が途切れることはなかった。


そしてその一週間後、エセと二人で飲むことが決まった。


エセのところまで電車で片道一時間、電車賃は二千円以上もかかる。

大学生の私にとっては安い金額ではなかった。


ただ、一週間前の電話からその気になっていたのだ。

それにエセも私に気があるのを感じていた。

会ってよほどのことがなければ、本格的に恋愛に発展させてもいいと思っていた。


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