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04


 青い空に白い雲。


 向こう山々まで続く森の絨毯。


 そして、空を飛ぶドラゴンに森を徘徊する巨人。


 これが俺が求めていた世界!


 第二の故郷というべきファンタジー!


 異世界よ、俺は帰ってきたぁああああああああああ!!


『マスター、歓喜するのはいいのですが、まずは現在の状況を把握することが最優先だと当機は提案します』


 あ、はい。そうですね。

 念波によるミネルヴァの言葉に冷静になる。


『意識疎通ができるところ、魔王城とマスターのリンクは正常のようです。マスターの身体を検査したところ《奈落》からの異次元移動による副作用はみられません』


 たしかに。

 《奈落》の影響で老化が停止して、髪の毛が白くなったけどほかに異常がなさそうだ。

 衣服だってもちゃんとある。

 異世界に転移したら全裸なんてオチにならなくて済んだ。

 ちなみに、俺の服装は勇者時代のまま。

 侍ファッションに騎士の甲冑で部位を固めたコーディネート。イメージは騎士侍。専属のドワーフに頼んで作ってもらった特注品だ。

 性能はお墨付きの上に、魔王城の技術でさらに強化済み。

 その辺の装備とは比べもろになさいほどの性能を秘めているが、性能を試すのはまた今度にしておこう。


『また、《奈落》からそちらの世界を観測することは可能ですが、マスターを起点とした半径一キロメートルが限界です』

「一キロメートルかぁ。計算だと三キロは余裕だっけど、次元の壁的な問題か?」

『可能性は大かと。リンクを最適化させれば距離は伸びるかと思われます。また、観測以外でのサポートは問題なく使用は可能です。まずは虚数倉庫(ストレージ)をご利用ください』


 ミネルヴァがそういうと、俺の目の前に魔法陣が出現した。

 右手を魔法陣に突っ込む。

 右手は魔法陣の中に消えるが、手の感触はある。

 そして、魔法陣の中にある物を掴み、魔法陣から右手と一緒に取り出す。

 取り出したのは一本の剣。十年前、ケインが置き去りにした宝剣だ。


「よしよし。次元の壁関係なく、魔王城の虚数倉庫(ストレージ)から物を取り出せるな。次にサポート戦闘。バフを頼む」

『了解。筋力強化魔法をマスターに付与させます』


 とたん、俺の体が力が漲ってきた。

 魔王城による強化系の魔法によるものだ。

 次元の壁を越えても魔法はしっかり発動するらしい。


「さてと、試運転として何か試し切りができそうなのは……アレだな」


 遠くのほうで、空を飛んでいるドラゴンが目に入った。

 見た目からしてスカイ・ドラゴンのようだ。

 スカイ・ドラゴンはドラゴンの中で高水準の飛行能力と敏捷性に優れているため、通常の戦士でも仕留めるのは困難な生物だが、俺にとってはちょうどいい実験動物だ。

 俺は剣を構える。


「――飛斬(エア・スラッシュ)!」


 剣を振るった瞬間、剣から魔力を帯びた斬撃が飛ぶ。

 斬撃をカマイタチ状に放ち、遠くにいる相手を切る技だ。

 斬撃は音速を超え、一直線にスカイ・ドラゴンのほうへ直撃し、その首を飛ばした。

 そればかり、斬撃はさらに肥大化し、その向こうにある山脈を山頂からふもとまで縦に切り裂いた。


「あ、やべぇ……」

『なにをしてるのですかマスター』

「いや、まさか山まだ切れるなんて思わなくて……」


 十年前の俺だったら飛斬でスカイ・ドラゴンの首を落とすくらいで済んだのだが、今の俺は魔王城のバフを受けているためさらに攻撃力が強化されていた。

 試し切りのつもりだったが、本気で攻撃でもしたら災害規模の被害が出るかもしれない。

 そんなことになったら、俺か犯す予定の女たちも死んでしまう。

 被害が出ないように、使いどころを考えなくては。

 ストレージから取り出した鞘で宝剣を収める。

 そのままストレージに仕舞うのもいいが、丸腰のままだと不用心だから、念のため佩刀することにした。


「ところで、ミネルヴァ。俺がいる場所ってどこなんだ?」


 現在、森一面を見渡せる崖の上に立っているが、この土地に見覚えがない。

 勇者時代でいろいろな土地や国を回ったこともあるものの、背景がどれも同じに見えるから何処なのかわからないのだ。


『観測範囲内の土地と生態を魔王城に記録された地理を照合したところ、東南大陸の西側にある森かと思われます』

「南東大陸? 俺を召喚した中央大陸とずいぶんかなり離れてるなぁ」


 この異世界は中央の大陸である中央大陸を中心に、東北大陸、東南大陸、西南大陸、西北大陸の五つの大陸で形成されている。

 俺をこの異世界に召喚したマーベラス王国――ケイン・マーベラスの祖国は中央大陸だ。

 魔王討伐のため、中央を除く四つの大陸を廻ったことがあるが、自身のレベリングと魔族との戦いに忙しかったからあんまり観光は出来なかった。 

 土地勘が無いのもあたりめだ。


「中央大陸だったらケインたちに十年前のことで御礼参りできたんだけどなぁ。細かな座標設定ができなかったし、しょうがないか。ミネルヴァ、近くに町や村がないかナビ頼んだ」

『了解しました』


 辺境の地であれ、人間が暮らす街や村がきっとあるはず。

 手始めにそこを襲撃して女たちを犯そう。

 農業や家事で勤しむ母親や熟女、そして素朴な娘たち。

 ありふれた日常が突如として壊れ、夫や彼氏を目の前で犯されて快楽に堕とされる様を想像しただけで滾ってきた。

 童貞卒業は親子丼で決まりだな。

 ぐへへへ。


『……なぜ、こんな下種が勇者になれたのでしょうか。十年間観察しましたが、いまだに疑問です』


 これが俺の本性なんだから仕方がないのだろう。

 それでも文句があるなら俺を勇者として召喚した王族か神にいってくれ。

 勇者になれたのはあいつらの眼が腐ってた結果なんだし。



■■■■


 崖を降りてる最中、崖下の近くであるものを発見した。


「ん? あれは……」


 十歳くらいの幼女が盗賊らしき男たちに追いかけられていた。

 少女は茶髪で双対の三つ編みにそばかすという、いかにも村娘らしい娘だった。


『助けますか?』

「いいや。もしかしたら盗賊に強姦されるシーンがみれるかもしれないからちょっと様子見」

『……襲われている相手、十歳くらいの少女ですが?』

「幼女もありなので、俺」


 俺の守備範囲は幼稚園児から完熟まで年齢層は広いのだ。

 しかも相手はいたいけな村娘の少女。大きい大人に悲鳴をあげなら犯される姿は俺の加虐心を刺激してくれる。

 というわけで崖の上で鑑賞タイム。

 必死の逃げていた少女は転んでしまい、盗賊たちに囲まれてしまった。

 おっと、盗賊たちの怖さにお漏らししたみたいだ。

 うん、いい展開。

 このままいけば少女が醜い男たちに肉棒で串刺しにされて白濁の液体まみれに――と期待してたのだが。


『殺されそうですね?』

「だな。よし、助けるか」


 盗賊の一人が少女を剣で斬りかかろうとしたので介入することにした。

 凌辱はいいが、女の子が殺されるのは無視できない。

 R-18はいいがR-18Gはダメだ。

 女は男の性欲を満たすために生まれてきた道具。それを壊すなど言語道断!

 お天道様が許しても、勇者(おれ)がゆるしません!

 崖から飛び降り、源義経みたく崖を駆け下りて、剣を持つ盗賊の背後に着地。

 盗賊が振り向くと同時に、腰に掛けた宝剣を抜刀し、盗賊を細切れに斬る。


「ああ、兄貴ぃぃいいいいいいい!?」

「誰だテメェは!」


 ほかの盗賊たちがヤクザのような反応で武器を構えようとするが、遅い。

 先ほどと同じく盗賊たちを瞬時に細切れにする。


「まったく。相手が幼女とはいえ、可愛い娘を性的暴行をせずに殺すとか、それでも盗賊の端くれかよ。股間にぶら下がった凶器は張りぼてですか、この野郎」


 肉片と変わり果てた盗賊たちに暴言を吐き捨てる。

 十年ぶりに生でエロシーンが見れると思ったのに、まさかのグロシーンなんておまえらにはがっかりだよ。

 せめて、女の子を犯してから殺せよ。その場合、殺す直前でお前たちを殺すけどな。

 視線を肉片から少女のほうへ切り替える。

 少女はぽっかーんと唖然としてこちらを見ていた。

 あっ、盗賊の返り血が彼女にかかってる。

 不注意で斬らないよう気を付けたけど、返り血までは考えてなった。

 せっかくの可愛い顔が血で汚れてしまった。失敗、失敗。


「ほら、立てるか」

「あっ、はい」


 手を差し伸べると少女はオドオドしながら俺を手の掴み立ち上がる。

 彼女の手から震えが伝わってくる。

 どうやら警戒しているようだ。

 まぁ、目の前で盗賊たちの惨殺を見れば怖がるのも無理はない。


 しかし、近くで見ると中々将来有望そうな少女だ。

 いかにも、戦乱や襲撃で母親もろとも犯されていそうなほど薄幸ぽさがある。

 このまま押し倒して、種付けしたい。


『マスター、邪なこと考えてるとこ悪いのですが、新たな敵勢がこちらに向かっています』


 ちっ、空気を読めない奴らだ。

 ミネルヴァの情報によれば、後ろからさらに十人ほどの盗賊たちがこちらに向かっているという。

 また、隠れ家らしい場所にはさらに五十人も待機していた。

 一般の盗賊団にしては規模が大きすぎる。傭兵団崩れかなにかか?

 どちらにせよ、俺の邪魔をする奴はすべて排除するまでだ。

 触媒になる死体(肉片)があるし、得意のアレが使えるな。


死霊創造クリエイト・アンデット命貪る獣(ネクロ・ビースト)


 俺が唱えると、地面に散らばった肉片が一か所に集まり、肉体を形成していく。


 死霊創造。

 死体を触媒にアンデット系の魔物を生み出し使役する死霊術の一種だ。

 勇者としてイメージが悪い魔法で聖職者のアスタロットに嫌悪されたが、人手が補えるうえ、いろいろと応用性があるため重宝している。

 あと、個人的に興味があったから、死霊術は真っ先に習得した。

 光魔法とか古典的な魔法よりマイナーでダーク系のほうがかっこいいし。

 

「――Gooooo」


 俺の魔法によって一体のアンデットが誕生した。

 それは、虎のような巨躯をするくも毛皮は無く、筋肉繊維むき出しで、硬い外骨格と剛爪を携えた獣。

 その頭は巨大な人間の頭蓋骨でサーベルタイガーのような巨大な牙が伸び、眼球無き空洞には火の玉のような淡い青い光が瞳のようにこちらを見つめていた。


 命貪る獣(ネクロ・ビースト)

 狩猟犬として敵を食い殺すまで追い続けるアンデットの猛獣だ。


「GOOOOOOOOOOOOO!」

「ひっ!?」


 命貪る獣は吠える。

 その遠吠えに少女がビビり、俺に抱き着く。

 腰当たりから、柔らかい感触がする。

 大きさからしてBかな?


「ネクロ・ビースト、この森にいる盗賊を全て狩り尽くせ」

「GOOOOOOO!!」


 俺が命令するとネクロ・ビーストはそのまま盗賊たちがいるほうへと走って行く。

 数秒して遠くのほうから男たちの悲鳴が聞こえてきた。これで盗賊のほうは問題ないだろう。

 邪魔者が居なくなったので、抱き着いている少女を姫様抱っこする。


「え? え??」


 突然、姫様抱っこされ困惑する少女。

 うん、思って以上に軽いな。腕もなんか細いし、ちゃんとご飯食べてるのか?

 しかも、盗賊たちに追いかけれて服が汚れている。とくに返り血とお漏らしで臭い。

 ミネルヴァ、近くに服とか洗える場所はあるか?


『西から二百四十メートル先に川があります。それとストレージに石鹸類と女の子用の着替えも入れておきました』


 サンキュー、相棒。

 約十歳児の女の子をお持ち帰りをして、川へと向かった。

 後ろのほうで野郎の悲鳴がまだ続いているが、興味はないのでスルーする。

 今は、この娘を綺麗にすることが優先。

 俺の童貞卒業で、汚れたまま処女を奪われるのさすがに可哀想だしな。

 ほんと紳士だな、俺って。



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