星屑の星
ふと授業中の窓から空を見た。緑と青色の混じった不思議な色の空が広がっている。ここはかつて地球と呼ばれた惑星では無い。あの星はかれこれ100年前に宇宙人によって支配された。人類は星間戦争で負け、今は伝説となりつつある異能力者シリウスによって開かれたゲートを越えこの「新天地」にたどり着いた。だがその人は...
「おいユウト授業に集中しろ」
ゴリラみたいな先生からチョークが投げられる。半分考え込んでいた俺は避けられず見事に額に命中。絶妙な威力のチョークに悶絶する。
「おいおい情けないな最強」
隣の鈴木がニヤニヤ行ってくる
「うっせえ。だいたい最強なのは能力だ。素手の喧嘩でお前らに負けるよ」
ネバーランド高等学校。新天地最高クラスの学力の学校だ。その中でもここは《魔法科学科》。最高クラスの学力、魔法、科学を持った者達のみが来ることを許される場所だ。。普通ならひょろひょろや陰キャ、もやしばっかなのに隣の鈴木はゴリラだ。なぜはいれたのだろう。
「てかユウト。お前もう単位持ってるわけだし出席したから帰っていいぞ」
先生が言ってくる。教師としてそれでいいのか
「あ、もし出現したら来い」
「了解です。じゃあなお前ら。真面目に勉強しろよ」
羨ましそうなそれでいて妬ましそうな顔でクラス中から見られつつ教室を出た。
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することなく屋上で昼寝していると屋上の扉が開いた
「なにやってんの?」
「昼寝」
声の方を見るとポニーテールの女の子、相棒の優花がいた。
「あ、そう。私もそうするわ」
暖かな日差しの中適当に昼寝する。
「ねえ」
「ん?」
「第23区が堕ちたって」
「へー」
「随分淡白ね。周りは騒いでるってんのに」
この新天地は100の区域に別れていた。だが昔人類を救った英雄は敵に回り、宇宙人は英雄の作ったゲートを越え攻めてきている。残る区域はあと40。まあ関係のない話だが。
「ねえ」
「ん?」
「なんで宇宙人を滅ぼさないの?さっきと滅ぼせばもっと多くの人が生き残ったかもしれないのに」
「なんで、か。別にどうでもいいからかな。勝手に戦争して勝手に負けて勝手に逃げてる人類を助ける気にはならないんだよ」
「そう。まあ私もどうでもいいわ。戦争なんかよりも今の昼寝の方が大切だし」
「だな」
それ以上喋らず無言の時間が過ぎた。
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爆音が響いた。
「こっちにも攻めてきたか」
伸びをしつつ校庭の方を見る。ロボットに乗ったイグアナみたいなやつが大量にUFOから降りてくる。クラスメイトも何人か戦ってる。おーぶっ飛ばされてるな
『こちらアキマル。おいユウト早くこい。戦線が持たないぞ』
「行かないの?」
「行く必要ある?」
「ええ。じゃあ命令するわ。《敵を殲滅しなさい》」
魔力のこもった言葉を優花が喋る。レイジストも容易だがあえてせず、なされるがままになる。
「具体的にどんなのがご所望で?」
「味方の目の前で殺しなさい」
「了解」
ニヤリと笑い、起き上がる
「じゃあ行くぞ。落ちるなよ」
手を掴み、言葉に魔力を込める。
「ひゃっ」
転移
その一言で俺らは戦場のど真ん中に降り立つ。
「やあ皆さん」
「apmgyrmhgmgmpddu" (貴様どこからきた!)」
「おいユウト遅いぞ!」
鈴木がボロボロになりながら叫ぶ?
「おいおいヒーローは遅れてくるもんだろ?」
適当にイキっておく。
「おいおいヒーローって馬鹿かよ。早く宇宙人様に忠誠でも誓っとけよ」
なんか宇宙人の間から人が出てきた。
「俺は強いからな。必要ない」
「はっ!どんな戦い方でも俺には叶わん!」
イキってる馬鹿はなにがするらしい。
「そうか《死ね》」
その一言。それだけで宇宙人は死んだ。俺の能力は事象変換。言葉だけで世界の事象が変わる。サーバーのデータを書き換えするみたいなものだ。
「じゃあ俺は帰る」
「おい!待てよ!なんで最初っから来なかった!お前が最初から来れば死人は出なかったのに」
「は?馬鹿かよ。じゃあなんでお前は鍛えてるんだ?魅せるためか?俺がいればいいならお前らは存在する価値はない」
「っ...」
「じゃあな。転移」
「ユウトあれはさすがに...」
「言っただろう?俺からすれば宇宙人も人類も同じく平等だ。なんたってここは俺のサーバーなんだから」
「だからって...あれは...」
定点カメラから見る男達は嘆いき悲しんでいる。中には鈴木の姿もあった。
「だいたいなんのためにこんなサーバ建てたの?」
「そりゃ...」
「昼寝のためさ」
は?