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苦情の多い生物部  作者: タワラヤ
7/8

水着回?

時は五月初旬

場所は山の中の渓谷

人は誰もいない

水温はむちゃくちゃ低い

着ているものは水着

誰だよこんなイベント考えたやつあほなの?死ぬの?大体水着回ってそういうのじゃないでしょ?もっと熱くなってから海とかプールとか行ってさ女の子に囲まれてキャッキャウフフしたり、泳げない女の子に体を密着させて泳ぎ方を教えてあげたり、気の弱い子がヤンキーにナンパされてそれを助けて神領君♥とかなるやつでしょ?僕ライトノベルとかそこまで読む方じゃないけどそのぐらいは知ってるよ?というかなんであいつら友達いないのにハーレムはいるの?なにあいつらどっかで油田でも見つけたの?

と不平不満は多々あるがまぁ現実なんてこんなものなわけで。むしろかわいい女の子と一緒な分世の中の非リアの皆様よりもだいぶましなわけで、というか日本じゃあ法律的に一夫多妻制は認められていないからかわいい女の子と二人きりの俺のほうがラノベ主人公よりも上なのか、やったぜ!、

というようなことを考えながら現在僕は一人で滝に打たれている。

死んじゃうよ?

ウサギは寂しくても死なないけど人間は死ぬよ?

というかもう心も体も瀕死である。神領のHPはもうレッドゾーンだ。早くきずぐすりを、というかもしかしたらげんきのかけらじゃないともう無理かもしんない。なんか目がかすむし腹の感覚がないし頭がかき氷10杯ぐらい食べちゃいましたみたいな感覚に襲われてるし足は動かない。

こうなった原因は約15分前の自身の失言にある。15分前

「ちょっと肌寒いのでtシャツは羽織っていったほうがいいのですね。」

という発言に対して

「胸の大きさを気にしてるなら大丈夫だよ。ぼくはこの鳳来さんぐらいの大きさが好きだし、現代人の胸は昔に比べて大きくなってるからいわゆる貧乳でも育児に支障はきたさないし、そもそも妊娠すれば育児しやすいように一時的に大きくなるから!」

と返したのだ。

「その後、けだものと一緒は嫌なのでしばらく滝に打たれていてください。」

と事実上の死刑判決が言い渡されたのである。。世界にはねケダモノもノケモノもいるんだよ。ホントの愛はどこにある?

でも僕頑張るっ、このはちゃんの水着姿を見るまで絶対負けない。

という具合であれよあれよという合間に水着とタオルを持たされ、テントを追い出されこの滝へと追いやられたわけだ。

リアクション芸人じゃないよ?

あっ、やばいなんかもう冷たさなくなってきたし、頭痛もない、目の前もほとんど見えない。これはほんとに死ぬかも。というかこんなことをやってる修行僧は人間じゃない。

そのとき

「先輩大丈夫なのですか?」

女神が現れた。

「早く出てきてください。毛布持ってきましたから。」

あれ?確かこの娘に滝行やらされてた気がするんだけど。いや、そんなはずはない。

この娘は女神

この娘は天使

この娘は菩薩

よしっ雑念は払われた。

この娘に滝行やらされて死ぬかと思った過去なんてものはなかった。

その後毛布にくるまれて10分ほど意識がなくなっていた。

「鳳来このはは神領夕月の想い人鳳来このはは神領夕月の想い人、鳳来このはは神領夕月の想い人、鳳来このはは神領夕月の想い人、鳳来このはは神領夕月の想い人・・・」

後頭部に柔らかな感触を感じて目が覚める。なんだろう体の後ろ半分が車のタイヤで思いっきりすられたかのように痛い。まぁ実際にすられたことはないのでその感触を想像してみただけなんだけどとにかくひりひりする。

目が覚めると目の前に鳳来このはの顔があった。しかもなぜか驚かされた猫のように瞳孔が開いた状態で顔を朱に染めて硬直していた。たぶん普通は目が覚めた時に女の子の顔が目の前にあった男のほうが驚くと思うんだけど。結局水着の上からさっきから来てるジャンバーを羽織ってきているようだし特に恥ずかしがる必要もないと思うのだけどなぜだろう。女心ってよくわからないよね。

「ここは・・・・?」

まぁ何となくわかってはいるんだけどなんにも思いつかなかったのでお決まりのセリフっぽいことを言っておく。

「ここは先輩が倒れてた滝の近くの岩の上です。」

うん、知ってたなんか目線ちょっと高いし僕を死の瀬戸際もとい膝の上に追いやったあの滝が見えるし。

「先輩をここまで運んでくるのは大変だったのですよ。持ち上げようとしても持ち上がらないし、引きずるのも痛いと思ったので川で流してここまで運んできて岩の上から引っ張り上げました。」

なるほど、道理で体の後ろ半分が痛いわけだ。

「えっと、なんで膝枕」

今世紀最大の疑問である。人工知能が人間の能力を追い抜くのはいつかも

ギザの大ピラミッドも

バビロンの空中庭園も

エフィソスのアルテミス神殿も

オリンピアのゼウス増も

ハリカルナッソスのマウソロス霊廊も

ロドス等の巨像も

アレクサンドリアの大灯台も

グランドキャニオンも

グレート・バリア・リーフも

リオの港も

エベレストも

オーロラも

パリクティン火山も

ヴィクトリアの滝も

問題にならないほど疑問である。もし、なんでも一つ世界の真理を知る権利があれば今使いたい。

「すみません、体温を上げるにはこっちのほうが早いかと思って。」

うん、全然いいよ。何であったら着てるものを脱いで全身を使って温めてくれてもよかったんだよ?

「いやいや、全然いいよ。むしろ今まで経験したことのない最高の枕だ。」

―ドボン―

次の瞬間僕は水の中にいた・・・らよかったのに。

水深が浅く僕は下にしりもちをつくような形で着地することとなった。衝撃と川の低水温との狂気的なマリアージュである。

今度こそほんとに心臓発作起こして死んじゃうよ?

「先輩がケダモノの顔になってたです。」

だからと言って落とさなくてもいいじゃないか。背中の傷と心の傷に川の冷たさはすごく滲みる。

「いやーちょっと僕未だ調子が悪いかも。」

「大丈夫みたいですね。心配したのですよ?」

さわやかな風に彼女の髪が揺れる。逆光で表情を見ることはできないけど、何となくほほ笑んでくれている気がした。

あと、痛風じゃないけどその風は僕の体を痛ませた。

「鳳来さんも入りなよ。」

ここまで来て水着を見ずに帰ったのでは数々の苦行により死んでいった僕の細胞たちは浮かばれない。

「寒そうなので遠慮しておきます。」

なぜ人を突き落としたのかという話である。

「じゃあさ、上着だけでも脱いだら?」

「先輩がまだケダモノっぽいので遠慮しておくです。」

しょうがないので岩の上に戻ることにした。

この後は風が吹くたびに襲い掛かる寒さと痛みに常に悩まされることとなった。

「そういえばさ、さっき骨を飲み込んでたヤマガカシをヤマガカシだって見抜いてたけど本当に素人なの?」

今上着の中に着ている水着のことの次に気になることについて聞いてみた。

「先輩みたいに専門的にやってたわけでも、姉さんたちみたいに趣味ごととして深く掘り下げてたわけでもないですが、昔教えてくれた人がいたのです。」

「へぇ、どんな人?」

「私の小学校の頃の先輩でいつも一緒に遊んでくれたおにいちゃんみたいな人です。」

なんだ、まさかの初恋の相手パターンか。一途な娘っていいよね。

「今でも交流はあるの?」

「交流というのはどういう意味でですか?」

なぜか少し物寂しげな顔で問い返してきた。

「そうだなぁ、例えばまだLINEで連絡を取ってるとか、時々会って話すとか。」

「最近久しぶりに会って、それからは割とよく会って話してるです。でも、あの人はユウ兄ちゃんはもう私のことは覚えてなくて違う女の子と一緒にいました。もう、私が知ってるユウ兄ちゃんはいないみたいです。」

彼女は泣きそうな顔で笑っていた。そういった後に岩から川に飛び降りた。

ユウ兄ちゃんという言葉になぜか懐かしさを感じた気がした。ただ、なにか遠い昔に聞いたようなそんな気がした。

―パシャ―

と音がしたかと思うと水しぶきが上がり顔にかかった。

「何するんだよ。」

「ぼーっとしてる先輩が悪いのですよ。まだまだやりますよ。」

―パシャパシャ―

と音がしてまた水しぶきが上がる。

「やったな」

と言って僕も飛び込み彼女を追いかける。

彼女はバシャバシャと水を蹴り上げて逃げる。

僕も笑ってそれを追いかける。

幼稚なことをやってるなぁとは思ったけれどもなぜだか不思議と楽しかった。

胸の中に何かもやっとした霧のようなものができたような気がした。

そのあとしばらくその「遊び」を続けた後に二人ともつかれてまたさっきの岩に上った。

「いまなんで面白かったのか聞かれると返答に困るけど、子供っぽい遊びのようで案外楽しかったね。」

「そうですね。でも上着がぬれちゃってて全く使い物になりません。」

あのあと川の中で転んだり水を掛け合ったりしたため彼女の上着はびしょびしょに濡れておりもう人の体温を保つものとしての機能は失われていると思われる。

「いい加減脱いじゃったら?」

冗談半分にそう問いかける。

それに対して彼女は・・・

「そうですね、せっかく着てきた水着を無駄にするのもあれですし上着はそろそろ脱ごうと思います。」

え?

そういったかと思うと彼女はジャンバーの引き手に手をかけた。

―ジーー―

という音がしてファスナーが開けられていく。

目の前に布が舞った。

「どうですか、似合いますか。」

彼女が頬を赤らめながら聞いてきた。

彼女の上半身には何も纏われていなかった。え?

慌てて目をそらす。

「どうなんですか?」

そういわれても水着ついてないしなぁ

「なんで目をそらしてるんですか?」

「思ったよりも大胆だなって。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「きゃぁーーー」

そこから先の記憶が少し飛ぶ区間があるただ、記憶がすっぽり抜け落ちているということだけは何となくわかった。

シャベルカーのシャベルで殴られたのかな?と思ってしまうほど頭が痛い。

眼前にはビキニをつけた鳳来このはの姿があった。

これもこれでだいぶ大胆だとは思う。

「見たのですか?」

「・・・・」

「先輩の変態、野獣、ケダモノ」

「まぁほら、鳳来さんも幸い上半身だけだし僕も上半身には何もつけてないでしょ?だからほら、お相子ってことで。」

「お詫びしてください。」

「新しい水着を買ってほしいでも、一緒にホテルに行ってほしいでも何でも来いだよ。」

「名前で呼んでください。」

「へ?」

もっと過激な奴じゃなくていいの?

「私も先輩のことは名前で呼びます。だから私のことはこのはと呼んでください。」

「わかったよ。よろしくねこのはさん。」

「ダメです。」

「じゃあこのはちゃん?」

「ダメです。このはと呼んでください。」

「このは」

「フムフム、いいですね。」

微妙に姉に似た言葉遣いが飛び出た。

「で、感想はどうですか?」

「え?感想?」

「とうぜんです。れでぃのあられのない姿を見たのですから。」

「えっと、外来語の発音がちょっと苦手な感じがとてもかわいいと思いました。」

「そこについての感想は求めてません!もう一回滝行がしたいですか?」

「えーと、よく似合ってたと思うよ?うん。」

「そっちでもありません。あんな姿を見られてしまってはもうそれどころの話ではありません。これだからどーてーさんは。」

地味にひどいな。

童貞とか言われるとただでさえ傷つくのに。

「えっと、よく引き締まってていいと思うよ?」

「胸はどうなのですか?」

「いや、すぐに目をそらしちゃったからよく見えなかったかというかなんというか。まぁでも一部に・・・・」

「一部に何ですか?」

「一部に需要はあると思うよ!貧乳はステータスだって人もいるし最近の統計では巨乳の数が貧乳を上回ったって統計もあったし入手困難効果っていうの?絶対にのちのち価値が上がるから先物買いしといて間違いないよ!」

「夕月くんの意見を聞いているです。」

きみは君付けで呼ぶのね。

「僕は巨乳も貧乳も好きだよ?」

「どちらかといえば?」

「巨乳派です。」

「なら心配ありませんね。うちは代々きょにゅうなのですよ。私も大きくなります。」

君のお姉さんが言えば説得力あるんだけどな。

そもそも高校一年から高校三年生になるまでの間にそこまで巨大化するだろうか?

小玉スイカが黒部スイカに勝てるのかという問い並みに具問である。

答えは無理だ。

「夕月君は好きな人はいるのですか?」

しばらくの沈黙の後唐突に鳳来さんあらためこのはがつぶやいた。

「うん、いるよ。」

「青華ちゃんですか?」

「いいや違うよ。」

「青華ちゃんのことはどう思うですか?」

「世話のかかる妹みたいな感じかな?」

「そうですか、そうですね。」

この後なぜだか上機嫌な彼女が

「私はすいかを取って来るので待っていてください。」

「すいか?」

「はい、ミに栄養が言った忌まわしきおっっきなスイカなのです。」

というやり取りの後下流のほうに消えた彼女がキンキンに冷えた部長を持ってきたことを僕は生涯忘れないだろう。それ食べていいの?


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