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苦情の多い生物部  作者: タワラヤ
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プロローグ

桜が散る。桜の木から一枚一枚剥がれ落ちていく。それは何となくはかなげで切なくて、でもその桜が散った後の木には若葉が萌え、花がない季節の間に、成長し来年にはより多くの花を咲かせる。昔から好きな光景だ。

でも、その木は違った都市開発が進む地域の真ん中に位置するその桜の古木には花が散った後もう二度と若葉が萌えることもなかったし、成長することはなかった。下に積もった桜の花びらはひどく汚れていた。

「・・・以上のことから河川の周囲を護岸する際に河川に生息する生物を守るためにはこの方法が有用であると考えられます。・・・」

「では質問に移ってください。」

ここは東京にある大きなホールで回りにいるのは名前を聞けば誰でも知ってるような学者や政治家。今は学生化学コンクールの決勝。僕が昔ひどく思い焦がれていた場所だ。

「最優秀作品は・・・・」

外は雪が降っているというのにこの瞬間周囲はひどく熱気に包まれる。なんで顔を出さなければいけなかったのかよくわからない政治家も、親に連れてこられて無理やり見学させられていた子供も予選落ちしてずっと周囲に毒を吐いていた学生もこの瞬間は皆等しくその一言に耳を傾ける。僕はこの瞬間が好きだった。

僕の作品である。日本の高校生に於いて理科分野で最高の賞でこれをとりさえすれば大学の進学はおろかその後の博士号の取得まで半ば約束されるというものである。僕は今その賞を史上初の単独研究かつ最年少で受賞した。感慨はない。ただそのうち順当にとるはずだったものがたまたま早く回ってきただけだ。一部で泣き崩れる人がいる。その人を慰める声が聞こえる。「なんで落ちたのかわからない。」そう慰める声が聞こえる。僕だってなんで受かったのかわからない。何がやりたかったのかもわからない。そもそもなんでやったのかさえもうわからない。いくら実績を上げても変えれないじゃないか。いくら評価されても守れないじゃないか。夢をかなえたところで思い通りになんてならないじゃないか。僕の夢は昆虫学者になることだった。そのために勉強をした。本を読んだ。フィールドワークをした。受験をした。研究をした。有名な学者に取材をした。賞をたくさんとった。でも僕の夢は近づくほどに遠ざかっていった。反対側に行けば何かが開けるんじゃないかと思って登っていた壁の反対側にはあるはずの光景はなかった。壁のてっぺんから見えたのは楽園でも新たな壁でもなかった。壁の向こう側には絶望のみが広がっていたのだった。


一応新人賞を目指して書こうとしましたが、キャラ付けも時系列も甘い習作しか書けませんでした。

ただ、そもそも設定は受け入れられるのだろうかということを疑問に思い初投稿です。

仮に人気が出た場合しっかりと作り直したものに改稿して出します。

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