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3.5 「陸、愛妻、その果て。」
森を抜け、街に着き、市街を探索していると、少年の目に一冊の本が目に入った。
「や、お客さん!その本に目をつけるとは流石ですね!」
驚きながらも顔を上げると、そこには胡散臭い笑みをした店員がいた。
「その本はですね、今から7年前に出版された本でして、2年前にはミリオンセラーにもなったんですよ!物語も実話を元にしたお話で.....あれ?お客さん?」
「.....失礼します。」
少年がそそくさと店から離れていく、その背中を見送りながら、その店員は本を棚へ戻した。
....「湖、浮気、その果て。」と言う本を。