表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

3 プロローグその3

プロローグその3です

さて、それじゃまずはガチャだ。

この手のゲームでは一番「楽しい」側面だと俺は思っている。悲劇もあれば喜劇もあるという面でね。


スマートフォンのほうの画面を使っても操作できるので、俺はタップしてガチャの画面を表示させる。


ブホッ


あやうくコーヒーを噴出すところだった。


ガチャ券 9,999枚

10連ガチャ券 9,999枚


あれ?これってバグか?いや、きっと川島君がステータスをいじっているんだろう。


ガチャの内容は現在、第24弾までの内容がすでにデザインされてシステムには実装済みだ。ガチャは毎月新しいものが実装される予定なのでとりあえずサービス開始から2年分がすでにデザインされて用意されているというわけだ。


しかし、とりあえず第1弾しか出てこないはずだからそれほどたくさんのファンタズマが実装されているわけではないはずだ。


10連をさっそくぽちっとタップしてみると、派手なエフェクトがスマートフォンの液晶画面と視界の左脇に移動していたレナの持つ水晶球に表示された。


「ユウキさんはSR『不死の王 ディス』を召喚しました」

「ユウキさんはUC『クラウディオスのたまご』を召喚しました」

「ユウキさんはC『銅の篭手』を召喚しました」

「ユウキさんはR『レッドドラゴン』を召喚しました」

「ユウキさんはC『銅の篭手』を召喚しました」

「ユウキさんはC『黄の宝珠』を召喚しました」

「ユウキさんはC『呪いの長衣』を召喚しました」

「ユウキさんはUC『金の胴鎧』を召喚しました」

「ユウキさんはC『おおとかげ』を召喚しました」

「ユウキさんはC『青銅の剣』を召喚しました」


・・・10連ガチャってちょっとエフェクトがまぶしいな。


んじゃもう1回いっとくか。


「ユウキさんはC『青銅の剣』を召喚しました」

「ユウキさんはC『ゴブリン』を召喚しました」

「ユウキさんはC『鋼鉄の胴鎧』を召喚しました」

「ユウキさんはC『青銅の斧』を召喚しました」

「ユウキさんはC『コボルド』を召喚しました」

「ユウキさんはUC『キマイラ』を召喚しました」

「ユウキさんはUC『ハーピィ』を召喚しました」

「ユウキさんはSR『博愛の天使 アリエル』を召喚しました」

「ユウキさんはC『青銅の斧』を召喚しました」

「ユウキさんはC『コボルド』を召喚しました」


ふむ、もう一回。


「ユウキさんはC『青銅の長槍』を召喚しました」

「ユウキさんはC『青銅の斧』を召喚しました」

「ユウキさんはC『スケルトン』を召喚しました」

「ユウキさんはC『ゾンビ』を召喚しました」

「ユウキさんはUC『ミスリルの短剣』を召喚しました」

「ユウキさんはC『青銅の剣』を召喚しました」

「ユウキさんはC『HPポーション』を召喚しました」

「ユウキさんはC『コボルド』を召喚しました」

「ユウキさんはC『MPポーション』を召喚しました」

「ユウキさんはSR『灼熱の赤竜 マグナ』を召喚しました」


ふむふむ。


SRは出るけど、10連ガチャって本来は課金しないとできないから、俺がユーザーだったらこりゃ、クソゲー確定だな。


つづいて通常のガチャやってみるか。


10連ではなく、普通のガチャの画面をスマホで起動した。


「はい、ガチャしますか?」

レナがそう言うのでさっそくガチャをやってみた。


エフェクトは同様だ。


「ユウキさんはC『スケルトン』を召喚しました」


「もう1回」


「ユウキさんはC『青銅の小剣』を召喚しました」


「もう1回」


「ユウキさんはC『HPポーション』を召喚しました」


・・・。


単発のガチャは厳しいな。まぁ、適当に抽選確率を変動させたイベントをやるって聞いていたから別に良いか。


「それじゃ、ファンタズマを配置しますか?」レナが上目遣いでそう言ったので、とりあえずうなずく。


「どのファンタズマを配置しますか?ちなみに配置できるユニット限界コストは99です」

「配置できるのを表示」


音声コマンドもなかなか便利だ。だが、電車の中とかでこんなことブツクサつぶやいてたらただの痛いヒトだな。


「配置できるファンタズマはこのあたりですね」


LR『美と光の女神 ユウリ』光属性 コスト33

SR『不死の王 ディス』命属性 コスト25

SR『博愛の天使 アリエル』光属性 コスト25

SR『灼熱の赤竜 マグナ』炎属性 コスト25

R『レッドドラゴン』炎属性 コスト15

UC『キマイラ』木属性 コスト10

UC『ハーピィ』風属性 コスト10

C『おおとかげ』水属性 コスト7

C『ゴブリン』土属性 コスト7

C『コボルド』土属性 コスト7

C『ゾンビ』闇属性 コスト7

C『スケルトン』闇属性 コスト7


ふむ、SRを4体並べるか、LRを3体並べるってのが、ゲーム的にはセオリーなんだろうが、ファンタズマにもレベルが設定されていて、Cのレベルをカンストさせて、限界突破させるとUCに進化する。これを繰り返すとかなり強力な固体に進化させることが可能なようになっている。


ちなみに手持ちで引いたR『レッドドラゴン』を進化させるとSR『灼熱の赤竜 マグナ』というような感じだ。


「ユウリとアリエル、マグナを配置する」

「かっしこまりました~」


レナがそう言うとこの派手な召喚エフェクトと共に、3体が姿を現した。


LR『美と光の女神 ユウリ』はレジェンド級ファンタズマだ。現在仕様では最強で、SRを限界突破させることで手に入れられるSSRと、LRは異なり、ゲーム内流通量を制限させると聞いている。白いフワフワの某魔法少女のような衣装をまとった金色の長い髪がたなびくいかにも「女神」っぽいビジュアルだ。


SR『博愛の天使 アリエル』はユウリと同様に光属性の中では最強の力を有するファンタズマだ。6枚の翼を持つが、西洋絵画のように美女にハトの羽が生えているわけではなく、どちらかというと某汎用人型決戦兵器のような、もしくはお面をつけたライダーさんのような感じのいでたちだ。


SR『灼熱の赤竜 マグナ』のマグナは、これぞドラゴンという感じのいでたちだ。メタルレッドに輝くウロコと燃え上がる息吹を見ていると、何だか暑さを感じるから不思議だ。


とりあえず、この3体だけでいいや。


「配置完了」

「配置を終了しますね。かしこまりました~」


このレナってナビゲーター、元気に返事してくれるのは良いんだけど、かしこまりましたが口癖なのかね。


よし、とりあえず大体の体裁はこれで整った、あとは・・・


「室長~、集学館の森屋さんから電話です~」


・・・そうですか、仕事ですか。仕事ですよねやっぱり。



来月にはアプリは公開されるんだが、網膜投影によりいわゆるARゲームは大きく革新すると世間ではすでに騒がれ始めている。


デスクの上に積みあがっていく書類といい、デスクの上の画面上でどんどん未読のメールがたまっていくメールソフトといい、サラリーマンはつらいところだ。


***


自宅に帰るとさっそく嫁と娘に自慢することにした。

「良いな~お父さん。あたしも欲しい~」

怜奈は小学校一年生。


幸い、とても嫁に似て生まれてきてくれた。


帰宅して、風呂に入ってから夕食を済ませると、リビングでくつろぎながら缶ビールをいっぱい。


「だめだめ、これはパパのだからね。発売されたら家族の分は何とかするよ」


そう言って俺は自宅のリビングを見渡した。


いつものリビングに俺と俺の家族の他に、なぜかファンタズマが3体もふよふよといる。


メガネをはずすと、もちろんファンタズマは見えない。


だが、メガネをかけるとそこに居るのだ。


とりあえず、ゲームのシステムに組まれたストーリーモードでもやってみるか。


モニターとしてやってるわけだ。実際に不特定多数を対象にしたベータ版の公開もすぐだし、仕事もがんばらないといけないわけだ。自宅に居るときくらいしかゲームをやってる時間は無いからしょうがない。


「ストーリーモードですね。かしこまりました~」

ゲーム内ナビゲーターのレナがそう言って、俺はストーリーモードを少しずつこなしていくことにした。


目の前でファンタズマが敵と戦うのだが、ストーリーモードは基本的にチュートリアルの延長にあるので、苦戦することはほとんど無い。ストーリーモードをこなすことで10連ガチャ券が無料で手に入り、これを使って一般ユーザーには強化してもらう方向で考えているからだ。


結局俺は、夜の二時までゲームをがんばってしまった。これは正式サービスが始まったら自分もやっちゃいそうだな。寝不足になるのは覚悟しなきゃ。

次回は2017年1月14日更新の見込みです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ