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第六話:ダンジョン解放

初めての感想をいただきました。とても心強いです。

2日目。目が覚めれば元の生活に戻っていた…。


 ということはもちろんなく、ダンジョンマスターとしての2日目の朝を迎えた。


 昨日の脱力感は嘘のように回復していたが、昨日はベッドまでたどり着くことができずに床で倒れこんでいたらしい。


 そのせいで体があちこち痛い。自業自得なのであきらめて寝室の扉を開けると、そこにはルナが待ち構えており、


「おはようございます。マスター様」


 と声を掛けられた。朝7時なので特別寝坊したつもりはなかったが、ルナの方が早かったみたいだ。


「おはよう、ルナ。もっとゆっくり寝ていてもよかったのに。」


「いえ、マスター様を出迎えることも私の役目でありますから。」


 きっと明日から毎朝こうなるのだろう。もちろん嫌な気持ちはしないのでよしとするが。


「さて、朝食をとりますか。」


 と、ダンジョンポイントを確認すると、122Pになっている。


 予想では114Pになっているはずなのに計算が合わない。


 おそらくダンジョンレベルが2になったことで、時間経過によるポイント増加が増えたのだろう。


 予想外のポイント増加で少し笑みをこぼしながら、弁当を召喚する。


 残念なことに中身はやはりから揚げ弁当だった。


 おそらく豪華弁当の方は日替わりと書いてあるので味のバリエーションを楽しめるのかもしれないが、一日2人×3食×8P=48Pかける余裕は今のところない。


 とりあえず何かを食べていれば死ぬことはないので、同じ味のから揚げ弁当で我慢するしかないのであろう。


そして今日も変わらない味のから揚げ弁当をたいらげた。


 昨日よりも多少ポイントに余裕はできてきたが、冒険者を撃退するために必要なポイントは少なすぎる。


 今日もいろいろ実験をしなければならない。まずはスライム増殖部屋を確認してみるが、相変わらずスライムがプルプルしているだけで増えている様子はない。


 次に、レベルが上がったことにより追加されたコボルトを名前付【コボルト1】で召喚してみる。


 容姿は中型犬が二本足で立っているようないでたちで、手は人間と同じく5本指があった。


 ためしに昨日召喚したスコップを使わせてみると、地面を掘ろうとした。


 もちろん破壊不可能なダンジョンを掘ることはできなかったが、スコップの使い方は理解しているようだ。


 おそらくモンスターに関して高度な命令を理解できるのはINTによるものだということが分かった。


 このことに気が付けたのは大きな進歩だった。これでポイント節約のために一番やりたかった計画が実現できそうだ。


 実験は一時やめとし、ルナにベッカ帝国領について詳しく聞くことにした。


 ベッカ帝国はドーレ山脈の東側にあり、厳しい寒さにより農業は発達していないものの、北方ではライ麦や豆類、キャベツなどの寒さに強い作物を育てている。


 また、わずかながらだが牛やヤギといった家畜、酪農をおこなっているため小さな村が多数存在する。


 南方では寒さに強いトナカイという動物が野生に多く存在するため、イグール族という定住はせずに狩りをしながら生活する人々が多いとのことだった。


 そのほかに、ニサン村というベッカ帝国領の中では数少ない漁村が南のドーレ山脈のふもとに存在していた。


 この村はピペリン島にも二番目に近い町なので、昔はコショウを求め、船を出していたが、強い海流やモンスターのため一隻も島につくことができず、今では船を出していないとのことだった。


 ルナの情報のおかげで、一番良いと思われるダンジョンの置く場所、そして今後のダンジョン運営の方向性を決めることができた。


 昼飯を取った後、さっそくコボルトを2匹、ウルフ6匹名前付で召喚し、道具召喚より武器を召喚する。


武器

古びた剣 1P (STR1上昇)

古びた弓 1P (DEX1上昇)

古びた杖 1P (INT1上昇)


防具

古びた鎧 1P (STR1上昇)

古びたマント 1P (INT1上昇)


 用心のために自分には杖とマントを、ルナには剣と鎧を、コボルトには剣と弓、現在召喚できる最強の武器屋防具を装備させる。


 そして、今いる大座の間(最初から存在した3×3の空間)に50P消費して仕掛け転移魔方陣を設置し、壁の向こうに5マス分の通路を作成し、もう一つの対なる転移魔方陣を通路に設置する。


 先の【コボルト1】のポイントを含め計107P消費した。そして初心者保護期間が692時間残っていたが、計画に必要な条件がそろったため、世界とダンジョンをつなぐことにする。


「ニサン村から200km北側の森の中に、これからダンジョンをつなげるけど準備はいいかい?」


「はい。命に代えてでもマスター様をお守りします。」


「それじゃ、ダンジョン解放!」


 別に言葉にする必要はないが、なんとなくやる気を上げるために叫んでしまった。


 先ほど作成した通路5マスに大扉を設置すると、また頭の中から音楽が鳴りだし、モニターにお知らせが届いた。


『初心者保護期間中にダンジョンを解放したため、残り時間の692時間分のポイント692Pをダンジョンポイントに追加しました。』


 と表示されていた。


 突然の大量ポイントに驚きを隠せないが、今はダンジョンを解放したばかりなので何が起こるかわからない。


 ルナの情報から極力安全な場所を選んだつもりだが、今から命の保証がないことには変わらない。


 改めて気を張りなおし、現最高戦力のルナとコボルト3匹、ウルフ6匹でダンジョンの外を確認するために外に出た。


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