表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

第一話:ダンジョンマスター

初めて投稿させていただきます。

自分が文章を書くなんて思ってもみませんでした、やれる時間があるならばやりたいことをすべてやろうと思い、やりたいことリストの一つである『ファンタジー小説を書く』に挑戦しています。

時間がある限りはエタルことなく書き上げようと思っているのでよろしくお願いします。

誤字脱字や幼稚な表現など多数あると思いますが、読んでいただけると光栄です。

指摘や感想などあればよろしくお願いします。

 気が付けば椅子に座っていた。あたりを見渡しても光ひとつない暗闇の中にいる。なぜこのような場所にいるかは覚えていない。というより、自分が誰なのかも一切思い出せない。


 わかっていることは、自分が暗闇の中で椅子に座っていることと、1+1=2などといった知識は持っているということだけである。一種の記憶喪失にでもなったのだろうか。そう考えているうちに、目の前に少しずつ光があふれ、光の中に一冊の本があることに気が付いた。


 なぜ電球や火がないのにも関わらず本だけに光が当たっているのか、今ある知識の中では説明できない現象が起こっている。いろいろ考えたところで理解ができないので、その本を手に取り読んでみることにした。


『はじめまして、未来のダンジョンマスター。』

という冒頭から始まっている。


 初めましてと気軽に挨拶されたが、今はそれに返す余裕はない。そもそもダンジョンマスターとはなんなのか…。とりあえず続きを読んでいくと、本には自分の現状や今後を生き抜くための必要な情報などが書かれていた。3cmほどの厚さを要約すると、


・今まで住んでいた世界とは全く別の異世界にいること。


・僕がダンジョンマスターに選ばれたこと。


・ダンジョンポイントを使用し、ダンジョンを作成しなければならないこと。


・時間経過とダンジョン内に人が侵入している場合、ダンジョン内で人が死んだ場合など、それに応じたダンジョンポイントが得られること。


・モンスターを召喚し、ダンジョンを運営しなければならないこと。


・ダンジョンクリエイトと念じるとコマンドモニターが目の前に現れ、ダンジョン内を操作できること。


・冒険者がダンジョンを破壊しに来ること。


・ダンジョンマスターのHPが0になる、または今座っている椅子の背もたれの上部に飾られているダンジョンクリスタルが破壊されれば死んでしまうこと。


・ダンジョンマスターが死んでしまった場合、作成したダンジョンと召喚した名前付モンスターが破壊されてしまうこと。


・ダンジョンマスターは年を取らないため、寿命や老死がないこと。


・初心者保護期間として、最大720時間は人間が入ってこられないようになっていること。


・初心者保護期間中にダンジョンを世界のどこに置くかを決め、世界とダンジョンをつなぐ大扉を1つ以上設置しなければならないこと。


・今まで生きてきた世界とは全く異なった知識が必要となるため、お助けとしてこの世界の一般知識を持つ眷属が一人だけ0ポイントで召喚できること。


 要約すると言っておきながらこれだけの長文になってしまっているが、3cmもの厚さで書いている情報を、今必要な情報に要約するだけでも容易ではない。


 この本を読み始めてからどのくらい時間が経っただろうか。体感では7時間程度たったあたりで、


『この本を閉じた瞬間から、晴れてあなたもダンジョンマスターの仲間入りです。前の世界よりもきっと面白い世界になっているはずです。ぜひこの世界を楽しんでください。』

という文末でようやくこの本を読み終えることができた。


 最後のページを閉じた瞬間に、今まで手の中にあったはずの本が消え、今まで真っ暗闇だったはずの景色は光源がないのにもかかわらず、快晴の空の下にいるかのように鮮明に見ることができるようになっていた。


 そして初めてここで、自分が土で覆われた縦横9m×9m程度の空間にいることが分かった。通常このような閉鎖された空間に何時間もいると、酸素が失われ息苦しくなり、痙攣や意識低下、最終的には死に至るはずだ。


 しかし、目が覚めてから7時間程度居続けているのにもかかわらず、息苦しくはない。今までの知識では追いつくことができない現状に、きっとこれが異世界でダンジョンマスターになったことによるものだと、自分を納得させた。


本を読み終えた後、本の内容以外にわかったことが3つある。


・7時間程度の読書量であれば苦にはならない自分がいること。


・記憶がないからなのか、現状の状態に混乱していないこと。


・手や足など、自分の目で見える範囲内では、自分は人間であるということ。


 わかったことは多くあるが、基本的にはまだまだわからないことだらけである。まずは情報を集めることを先決しよう。


 とりあえず、今やらなければならないことは本にも書いてあった通り、眷属を召喚し情報を得ることだ。どのように召喚したらよいかわからないが、頭の中で『ダンジョンクリエイト』と念じてみる。


 そうすると目の前に半透明のモニターが現れた。どうやら本に書いてある情報は正しいらしい。モニター画面を見ると、上から現在の時間と初心者保護期間の残り時間、ダンジョンレベル1、ダンジョンポイント100P、ダンジョン作成、モンスター召喚、道具召喚、ステータス確認のコマンドが表示されていた。


 ちなみに現在の時間は午前9:03であり、初心者保護期間の残りは719時間57分となっていた。おそらく本を閉じてから3分ほどしかたっていないので、そこからカウントし始めたのだろう。


こうして僕のダンジョンマスターとして生きる人生が始まった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ