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神獣殺しの精霊使い  作者: 氷帝花心(門屋定規)
1章 無の精霊と少年
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第6話 レベルとスキル 

「それじゃあ、次はレベルについて教えてください」

「レベル? ひょっとして、能力値のことか?」

「はい、おそらくそうです」


 もしかしたら、能力値の確認は転生者の俺だけしかできないのかと一瞬思ったがどうやら違ったらしい。


「能力値か、バルはステータスを見ることは出来るか?」

「ええ、視線だけを下に向けると金色のアイコンがあったのでそれを触れるとみることが出来ました。」

「ああ、そうだ。いろいろ書かれていただろう?」

「はい、でも多すぎてよくわからなくて」

「それなら、全て説明しよう」


 ――― - ――― - ―――


 またまたヒートの話を纏めるとしよう。

 ヒートが言うには……


《体力》

この世界での命の代わり。通常は寿命で死ぬが、体力が0になることでも死んでしまうらしい。この世界には冒険者という職業もある故、襲われて0になり死ぬものが絶えないだとか。


《魔力》

精霊を使う際に消費されるエネルギーのこと。精霊のレベルが上がることで総量も増え沢山使うことが出来るようになるそうだ。


《攻撃力》

この世界では体格や背など関係なく、攻撃力のレベルによって全てが決まるらしい。つまり、子供でも大人以上の攻撃力を持つ者がたくさんいるらしい。


《防御力》

攻撃を受けた際に緩和する力の事らしい。高レベルになれば、どんな攻撃でも傷一つ負わないらしい。


《敏捷度》

足の速さに関わる力らしい。高レベルともなると音速で移動することも可能なんだとか。


《スキル》

釣りや料理、狩りなどの日常生活に関わるなかの一部に発動する効果スキルと呼ばれているらしい。極めていくと実力に補正値というものがかかり、勝手に品質のいいものを作ったり、狩りなどでは効率的良く獲物を仕留めれるそうだ。そのためスキルによっては稼ぐことも出来るんだと。


 と言うことらしい。

 確かに俺は初日に魚を奇跡的に捕獲することが出来て、狩りスキルが1上がったからこの話はなにもおかしくはないか。

 

 ……だが、どうやればレベルが上がるのか?

 俺がプレイしていたゲームでは確か始まりの町からスタートして最初はお手伝いでお金を貯めて武器を買ってから近くに住む低レベルのモンスターを倒すことでレベル上げをしたんだったかな?

 異世界にきてからどうもそこらへんの知識だけ忘れてしまったような気がする。

 もしかしたら、俺をこの世界に飛ばした神?がチートをしないように記憶を消しているのかも知れない。

 その証拠に、世界についての大半の情報や、レベル、スキルなどの知識のほぼすべてが思い出せなかった。

 まあ、俺が忘れやすいだけだという可能性もないこともないが、命よりも大事なゲームの事を忘れたりはさすがにしないだろう。

 うん、エレメント・ワールドは俺の生きがいそのものだったんだしな。


 でもさすがにヒートの話を聞いてこの世界が地球では無いということくらいはわかってきた。これが映画の撮影や俺をだますドッキリという線も考えられるが、俺は俳優や芸人でもない普通のゲーム廃人だ。こんな大がかりなことはしないだろう。

 それに俺を見も知らない子供の姿にしたり、何も使わずにステータスを目の前に表示させるなんて、それこそ神にしかできない行為だろう。

 うん。だいぶわかった。


 

「だいたい理解できました、ありがとうございます」

「いや、礼には及ばんよ。私たちが勝手にしたことだ。それに最近はこの辺も物騒だからな」

「物騒? ああ、確かに古龍が居ましたし危険ですね」

 

 確かに古龍がこの森にわんさかいるならとても危険な場所だ。

 それこそ立ち入り禁止になっていてもおかしくないな。

 

「古龍? ああ違う違う。そうではなくこの森には神獣が逃げ込んでいるのさ」

「神獣? それはなんですか?」

「神獣も忘れたのか? そこまで忘れるとなるといったいバルはどこまでなら覚えているんだ?」


 流石に忘れすぎだと思われてるようだ。

 まあ、事実を言ったところで信じてくれないだろうし、ここも適当にゲームの知識でも言っとくか。


「始まりの町周辺位なら覚えていますよ」

「始まりの町? それはどこだ?」

「え? ないんですか?」

「ああ、そんな街はこの世界には無いはずだが」


 あれ? おかしいな。

 ……さっき思い出したのだが二日目に出会ったあの鳥達は始まりの町の近くにしか住まない珍しい鳥のはずだ。ということはこの場所は、始まりの森のはずだ。

 だから始まりの町と言ったのにどうやらこの世界には存在しないようだ。やはりここはEWの中ではないのか。それならいくらゲーム知識を話したところで二人には頭のおかしい奴と思われるだろう。


 

「ああ、すみません。どうやら本の話と勘違いしていたようで」

「そうか、まあなんか思いだせたら言ってくれ。 バルの家を探す手がかりになる子も知れない」

「遠慮しなくていいからね」


 はあ。

 なんとか誤魔化せたようだ。これからは発言一つ一つに気を付けないとな。

 それにしてもだ、神獣とはなんだろう。もしかして昨日の古龍よりも狂暴なのかな、それなら凄くやばい気がするんだが。



「…それで神獣について説明をしてもらいたいんですけど」

「ああ、最近近くの町で暴走し神獣化した奴が居てな討伐しようと試みたそうだが、失敗してこの近くまで逃げて来ているらしいんだ」

「神獣ってなんですか?もしかして精霊が言うところの怪物ですか?」

「いや、神獣はだな……そうだなあ、精霊使いが暴走した結果生まれた怪物とでも言うべきなのかな?」

「暴走ですか?」


 

 精霊使いが何らかの理由で暴走し暴れているのが神獣ということでいいのだろうか?

 それじゃあ、精霊が言うところの怪物の正式名称はなんて言うんだろう。

 まあ、とにかく精霊使いが悪くなったのが神獣というらしい。


「普通の人間は大丈夫なんだがどの国にも欲張りな奴はいてな、精霊を複数宿す者が居るんだ。法で禁止されているのにもかかわらずにな」

「複数ですか、それは強くなれそうですね」

「ばかいっちゃあいけねえよ、普通の人間に精霊を2つ居れるなんて自殺行為そのものだ」

「そうなんですか」

「ああ、2つの精霊を入れると最悪の場合、自我が消滅するんだ」

「自我が消滅するということはそれは、もう……」

「ああ、お前が思う通り、人間の姿をしたただの怪物だ、奴らはもう暴れる事しかできない人間の敵だ」」

「でもなんで、精霊は味方じゃあ無いんですか?」

「ああ、確かに味方だ。……だが、あいつらは俺たち人間が管理しないと役に立たない。今回みたいに自我が消えれば精霊自身も暴走し神獣と呼ばれる害悪になってしまうのさ」

「それは危険ですね?じゃあこの近くに居るって相当危ないじゃないですか?!」


 なんだそれ、この近くにそんな危険な奴が居たなんて。

 今までよく襲われずに生き延びれたな。


「まあ、安心しろ。情報によると神獣はそうとう弱っているらしく俺ですら勝てるからな」

「そんな、調子に乗ると痛い目にあいますよ?」

「ははは、大丈夫さ。これでも俺も昔は戦士だったからな」

「はあ。じゃあ神獣が現れたらお願いします」

「おうよ!」


 そして俺は馬車に乗りヒートとリアが住む町まで連れて行ってもらうことにした。

 道中、神獣に合わなければいいんだが。


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