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神獣殺しの精霊使い  作者: 氷帝花心(門屋定規)
A章 とある鍛冶師の昔話
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α-3 アラタナスガタ

それでどうして上から俺たちのとこに落ちて来たんだ?」


リアが落ち着いた頃、三人は話をしていた。


「どうしてだろう。わたし、きづいたら、ここにいたの」

「基本的に精霊は生まれる前の記憶はありませんよ。因みにどうやって生まれたのかは私にもわからないです」

「そうか、ならいいか。リア、俺とルウと一緒に旅をしねえか?」

「たび? それは何をするの?」

「旅はね、三人でここを離れて色々な国々に行くことだよ。うん、たぶんわからないよね。でも楽しいのだけは確かだよ」

「うんいいよ。わたしもたびをしたいなあ」

「そりゃ良かったぜ。ここに置いてったら奴らと一緒に死ぬかもしれなかったしな。それで、人化は出来るか?」

「じんか? それはなに?」


と、リアは聞き返した。

だが、それを聞いて少しヒートは嬉しくなった。


(ルウのときは既に人格者だったからなあ。生まれたての精霊はこんな感じなのか。可愛いじゃねか)


「そうですね、リア。見ててくださいね」


ルウはリアに教えるために、自分を変化させていく。そして瞬く間に大人びていく。


「これが人化。こうして人間の姿に化けることですよ。魔力を変化させて人の形を作り出すんです。人化すれば、美味しいご飯も味わえますし、いいことだらけだよ」

「うん、やってみるね。じんか?」


と、風と一緒に魔力が目の前に集まり、白い霧とかして行く。それはどんどん人の形に近づいてはいくも、体が完成する前に搔き消えてしまった。


「あれ、できない。なんでなの」

「そうですね…たぶんイメージが足りてないんです。ですが、これは今のリアには無理ね。うんそうだ、リア。私の手に近づいて見て」

「うん、これでいい?」

「ええ、では人化」


ルウの声と一緒に目の前に姿が作られていく。

その姿はルウが今まであった誰とも似つかないように作り上げた少女だ。

そして、ルウに似ているとヒートは思った。


「これが、ひと。わーい」


人の姿になれたのかリアは辺りを走り回り、飛び跳ねている。

そして服もルウのにそっくりな仕上げだ。


「ルウにこどもができたみてえだなあ」


と、ついヒートの口からポロリとこぼれてしまった。

それを聞いたルウの顔は真っ赤になると、直後ヒートの視界がぼやけていく。


「な、魔力を吸うなルウ!」


ヒートの声を聞いてもルウはやめるわけもなく。

ヒートは魔力現象による気絶を久々に味わうこととなった。


最後に顔を真っ赤にしたルウの姿を目にしっかりと焼き付けながら……



ヒートが魔力現象で気絶している間、ルウはリアを後ろから抱くようにしながら話をしていた。


「いいリア、ヒートはね、いい人だけどね。人の中には悪い人もいっぱいるのよ。だからここから出た後は私かヒートと必ず一緒に行動すること」

「うんうん」

「そして、ヒートの言うことはちゃんと守るのよ? ヒートに迷惑をかけたら絶対ダメ。」

「うんうん」

「わかればよし。じゃあ、早速料理を始めましょうか。リア、立ち上がってヒートの近くによって」

「うん」


ルウは背負っていた鞄から金属製の鍋と袋を取り出すと袋の中の水と食材を一緒に入れる。そして鍋を自分の手で持って魔法を使って鍋に熱を込めていく。


「りょうりってそうやるの? きったり、たたいたりしないの?」

「ほんとは下ごしらえしないとダメなんだけどね、今は水と食料しか持ってきてないから軽くスープを作るだけね」


時折火を加減し、調味料で軽く味付けをしていく。

ルウの手は青い炎へと変わり、鍋の中の水がお湯へとすぐ変化した。


「うん、後は皿に入れてっと。はい、リア」

「ありがとうルウ。たべるね」


木の器に入れたスープは決して豪華なものではない。だが、初めて味わう食事にリアは嬉しそうにパクパク食べていき。


「おいしかったです」

「それは良かった。おかわりは要るね、はい」

「いただきますです」

「……うむむ、美味そうだな。ルウ、俺にもくれ」


と、二杯目を食べようとした時、ヒートがようやく魔力減少から回復したのか起き上がる。

ただ、まだ完全には戻ってないのかダルそうではあったが。


「おはよう、ヒート。はい、スープをどうぞ」

「ありがとよ。にしても、魔力を奪うことはねえだろ。それもこんな敵がいる所で」

「あはは、ごめんね」

「うむ、まあいいや。にしても相変わらずの美味さだ。俺が料理してもこうはならねえからな」

「フフン、料理で私に勝とうなんて100年は早いですよ? それに私がいるんです。ヒートには料理なんて必要ありませんよ?」


少し顔を赤らめながら答えるルウ。

それは半ば告白みたいなものではあったが、鍛治士には伝わってないようで‥‥‥


「ああ、そうだな。これからも頼むぞ、ルウ」


と、不意打ちによりルウの顔は真っ赤だ。


「あ、当たり前です」

「ルウ、だいじょうぶ? かおがまっかよ?」

「ええ、大丈夫。リア、おかわりはいるよね。はい」


と、恥ずかしさを誤魔化すようにリアとヒート二人にスープをあげると、ルウは立ち上がる。


「私はちょっと外を見てきますね。もしかしたら反乱軍もいなくなったかもしれませんし」

「ああ、俺も行くよ」

「いえ、ヒートは食べてて‼︎」


と強めに言い残すと、ルウは外に偵察へと出かける。

そしてあっという間に外へと向かってしまった。


「何を急いでいるんだかな。‥‥‥リア、そんなに急いで食べる必要はないぞ。ルウが戻ってきてから出発するからな」

「はーい」



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