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神獣殺しの精霊使い  作者: 氷帝花心(門屋定規)
1章 無の精霊と少年
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第2話 自己分析 

 次の日、俺は空飛ぶ鳥たちの鳴き声に起こされた。

 辺りを見回すと、水辺で鳥たちが水を飲んでいる。鳥たちはどれもこれも見たことがなく珍しい色合いばかりだ。

 

 いつもなら、まだ寝ている時間だがこの世界では暗くなれば移動が難しくなる。だから俺は眠気でぼーとっする頭を川の冷水で冷やし、顔を洗う。

 さすがに冷水で顔を洗ったおかげか目が覚めてきた。

 

 「やっぱり、夢とかではなかったか」


 俺はため息をつき、鏡で自分の姿を見てみる。

 そこには、10歳過ぎの少年が写り、やはり転生したのだという実感がわいてくる。

 そして、足元の方を見てみると、昨日の夜に起した火は、7分の1程度の大きさになっていたが消えてはいなかった。

 どうやら6時間程度しか寝ていないみたいだ。以前の俺は10時間は寝ないと起きることは出来なかったのにこの世界ではできるみたいだ。

 これも子供の姿になったからなのか?

 まあ、考えてもわからないし細かいことはひとまずはいいか。

 

 俺は再度、火を見てみると昨日と同じく光るアイコンがある。俺はそれに触れ情報を見ると、効果時間が1時間に変わっていた。

 苦労して起こした火はまだ大丈夫みたいだ。


 俺は立ち上がり、昨日取ったリンゴの皮をむき、口に含んでみる。かじるとリンゴの果汁が溢れて喉を潤した。

 

 これから先のことについて考えてみようとするが、良いアイデアは思いつかない。あるとすれば、ひたすら歩いてこの世界の住人と話をするというくらいだ。

 

「はあ、どうするべきか」

 


―――

――

 


 何もしないで時間が過ぎるのももったいないと思い、俺は作業をすることにした。

 俺は昨日拾ったナイフと木の枝を取り、昨日同様加工していく。すると先端が尖った太さ1cm程度の木の槍が10本出来上がる。

 

 俺はそれを持ち、川の中を覗き込んだ。そこには魚が1匹ゆうゆうと泳いでいた。これを取れれば……。




「せーのおおおおおおう」


 掛け声と一緒に10本の木の槍を魚目がけて投げ飛ばす。投げた木の槍は加速して魚が居るとされる場所に突っ込んでいく。

 途中槍は魚付近でばらけて次々と水に刺さっていく。


 そして暴れだす木の槍が一本だけあり、俺から逃げようとする。

 どうやら、予定通りに木の槍が魚に刺さり、魚が逃げようと暴れているようだ。

 俺は暴れだす木を手繰り寄せて魚を確保する。


「綺麗な魚だな、見た目はニジマスに近い……かな?」


 言いながら魚の付近を見ると緑のアイコンがある。見てみると。


『アルニジマス 品質・上 レア度・D 旨み・D』


 と表示された。

 リンゴと同じく、名前の前には「アル」という単語が着いていた。アルってどういう意味なんだろう? 

 もしかして、この地の生き物特有の名前付けなのかな?

 まあ、他の場所に行かないとそれは知らべようがないか。


 もう一度、魚をじっくりと見るとさっきまで逃げようとしていたが、出血死か、呼吸死かはわからないが息絶えていた。

 獲れた魚は、50cm程で、食べ応えがありそうだ。傷口も木槍が突き刺さっただけなので、外傷も少なく品質がいい。

 早速、魚を木槍から取り外してみる。

 木槍を抜くと魚から血が溢れだしてくる。

 これは早く料理したほうが味がいいかもしれないな。

  

 俺は昨日手に入れたナイフを使って魚の鱗を落としてから、腹を切っていく。

 そして、内臓などを取り出した後、木の槍で突き刺し火に当たる様にそばに立てかけておく。

 

 俺の記憶が正しければ、この調理法が一番簡単で美味しく作れるはずだ。ライトノベルの中での話だから、信ぴょう性には欠けるがこれ以外に方法が思いつきはしないし、これでいいかな。


 

 しばらく焼いていくと、いい匂いがしてくる。直接魚を焼くと言ったことはしたことが無いから心配だったが、どうやらうまくいったみたいだ。

 俺は焼きあがった魚を2本の木の棒で挟むようにして、近くの木の葉っぱを皿代わりにしておいてみた。

 

 旨そうだ。

 俺は早速魚を口に入れるために、木の棒を持ってみる。

 さっそく食ってみるか。

 目線だけを下に向けて、魚を口に運ぼうとすると、いきなり何もないところに金色に光るアイコンが出現した。


「なんだこれは?」


金色に輝くアイコンの周りには、魚やリンゴと言ったものは何もないし、いったいどういう意味のアイコンなんだろう?


俺は魚を置いてから、右手で触れてみる。

すると、魚やリンゴと同じように文字が表示された。

ええと、なになに。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前・名無し

職種・冒険者LV1

能力値・^

スキル一覧・^

魔法一覧 ・^

金銭・0

持ち物一覧^

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 なんだこれは……。

 転生してから自分の能力を見ることは出来ないと思ってたから、確認をすることが出来たのは嬉しいが、これは可笑しくないか?

 まずは名前が名無しって、さすがにこれは酷すぎだろ。俺にはちゃんとした名前があるんだよ。

 ……って名前が。

 うん? あれ。

 俺の名前は何だったけ?


「ええと、俺の名は……?」


 俺の名前って何だっけ? 忘れてしまった、さっきまで覚えていたのに……。

 もしかして、これを見たから忘れたのか。他にはこれと言ったことをしていないし。

 それか、ボケた? でもこの姿はどう考えても子供だよなあ。ということはボケたわけではないか。

 思い返してみれば、ニート時代の記憶も少し無くなっているような気がするんだよなあ。



「…………まあ、いいか。新しい名前を作れば、そうだなあ」


 

 まあ、名前が無ければ作ればいいか。前の世界の名前にこだわる必要もないか、だって知らない世界に転生したんだし。


「名前、名前……まあ、ゲームの時の名前でもいいか……今日から俺の名は、『ジュラリアル・ド・バルーシュ』だ‼」


 そう言い、もう一度、ステータスを確認する。

 俺の考えが正しければ、これで名前が書かれるようになるはずだ。

 まあ、俺の適当な予想だが。

 見てみると、名前がちゃんと変わっていたが。

 なんとなく、まだ情報が少ない気がする。

 試しに^のマークにも触ってみると、さらに細かく表示された。

 

   


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前・ジュラリアル・ド・バルーシュ

職種・冒険者LV1

能力値・攻撃力―100(初期値100)

    防御力―100(初期値100)

    体力 ―100(初期値100)

    魔力量―100(初期値100)

    敏捷度―100(初期値100)

スキル一覧・剣術LV1(初期値LV1)

      狙撃LV1(初期値LV1)

      料理LV1(初期値LV1)

魔法一覧 ・無

金銭・0

持ち物一覧

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

   


 どうやら、これが転生した俺の能力値みたいだ。

 見る限りは、全ての能力値が初期値であり高いものは無いみたいだ。

 名前は変えれたから良いとしても、他はよくわからない。

 体力とかはいいとしても、魔力量って何だろう、この世界では魔法を使えるのかな。でも下の方の魔法一覧には載ってないんだよな。

空白だ。

 これはレベルを上げれば強くなれるのかな。でもどうやってあげるんだ?

 ゲームとかだと、モンスターを倒すと上がるけど同じ方式なのか?

 

 そしてスキルだ。

 スキルは特殊能力みたいな捉え方でいいのかもしれない。

 今のとことは、剣術LV1狙撃LV1料理LV1があるみたいだ。


 剣術スキルって現段階の俺の剣術のレベルってことかのか、それともレベルが上がればS■Oみたいに技が使えるようになるのか?


「はああっ、わかんねー」


 この世界に来てからわからないことが増え続ける一方だ。これは早く誰かと話をして解決したほうがいいのかもしれない。そしたら、色々と先に進めそうだ。

 できれば、かわいい女の子に教えてもらいたいな。

 禿爺とかだったら、聞いてもやる気も何も起きないだろうし。



 まあ、ひとまずは川沿いに歩いて村とかを探してみるか。いつまでもここに居ても何も良いことなんてないだろうし。

 そう思った俺は焼いた魚やリンゴを上着で作った袋に入れて歩くことにした。


「ひとまずの目標は、町さがしってところか」


 


 さて、町を探してこの世界に着いて教えてもらうか。


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