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神獣殺しの精霊使い  作者: 氷帝花心(門屋定規)
1章 無の精霊と少年
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第19話 鬼との出会い

「(なあ、あいつはミノタウロスなのかな?)」

『(ミノタウロス? 違いますよ。 もしかして奴のことを知らないのですか?)』

「(ああ。 ミノタウロスではないなら、あいつはなんだ?)」

『(鬼ですよ)』

「鬼?」


 鬼って本当に居るのかよ。

 それにしても、一見すると頭が牛のように見えたが、実際は鬼のだったのか。

 大きさはかなりあるな。だいたい全長3mくらいか?

 その大きさゆえに体を縮ませながら、ここまで入ってきたようだ。


「(それで、こいつは……味方? それとも敵なのか?)」


 俺がルシアと話しているうちに、部屋の中に入ったのか、俺から15m程離れたところに鬼は近づいていた。

 鬼の右手には、金属でできた大きなハンマーを持ち、左手には赤いボールのような物を握りしめていた。

 鬼は、少し足を曲げて、右手のハンマーをゆっくりと上に持ち上げた。

 そして鬼のすぐそばにいた男性に向けてハンマーで殴った。当然ながら男性は遥か遠くの壁まで吹き飛ばされ、そして砕け散った。


『見ての通りですよ、敵です』

「そうみたいだな、ルシア!」


 俺は、魔法の袋から炎銃を取り出し、鬼に向ける。

 そして銃に炎の魔力をゆっくりと流し込んでいく。



「炎弾連射!!」

「あ? あああああああああああああああああああ」



 俺が貯めて放った計5発の炎に包まれた弾丸は、鬼の体中に突き刺さり、そしてはじけ飛ぶ。

 それにより、鬼の体中に切り傷が出来上がった。


「やったか?」


 いつの間にかに俺の後ろに隠れるように、居た人々は鬼のあまりの傷跡から倒したと思っているようだ。

 だけど、この程度では死なないんだよなあ。

 その証拠に、鬼は攻撃を受けても、その場に倒れるどころか、膝を付くことすら無かった。



「おいおい、こいつ頑丈すぎじゃないか?」

『鬼って結構頑丈ですからね。 でもまあ、ここまでダメージを与えれば時間の問題ですね。 後5発打ち込めば倒せますよ』

「了解」



 俺は今度は、神獣を殺した時に使ったまとめ撃ちをするために、一発の弾丸に5発分の魔力を勢いよく流し込んでいく。

 やっぱり、ルシアの力を借りていないためか、注いだ魔力が逆流しそうになる。

 だけど、これくらいなら、力ずくでいける。



「弾丸装填、炎大弾」



 俺は一発の勝負に出た。

 これが外れたら俺の負けだ。おそらくはここに居る人たちは全員殺されるだろう。だからとても緊張していた。

 俺の指は震え、銃のトリガーを押すのも容易ではない。

 だけど、押すんだ。


「いけえええええええええ」


 俺の右手の銃から解き済まされた弾丸は回転をしながら鬼の方に力強く向かっていく。途中、銃の補正の弾丸修正により、少しずつ進路を変更しながら、確実に鬼の心臓に向かって飛んで行った。

 そして、次の瞬間、弾丸は、鬼の体に突き刺さり。


「グラアアアアアアアアアアアアアアアアア」 

《おお、これは効いてるぞ》


 周りに居た人たちは再度喜び始めた。

 さすがにここまで傷を負えば何も出来ないとでも思っているのだろう。


「なあ、ルシア」

『なんですか?』

「いや、俺の見間違いじゃなきゃ、いまさ鬼の動き変じゃなかったか?」

『そうですねえ、確かに変でした』

「だよな。あの鬼さ、高速で飛んで行った弾丸をさ、こん棒で殴ったような気がしたんだよ」


「嗚呼ああああああああああああああ」


 直後、俺の後ろに居た人たちが悲鳴を上げた。

 急いで後ろを見ると、そこには一人の生物が立っていた。

 生物の形はどこか、人間に似ている。

 でも、顔は真っ暗で見えない。

 

「誰だ!」

「……」


 問いかけるも生物は何も答えない。

 生物は右手を点に向かって高々と上げた。


「sjきdじhしvjしkxjzvh」

「な、なんだ?」


 生物は効いたことも無い変な言葉を次々と発していた。

 そして、突如生物は消えた。

 言葉の通り、瞬きをした一瞬のうちに生物は居なくなっていた。


「ルシア、今のはなんだ?」

『わかりません、ですが奴のせいで、鬼の力が増したようです』

「なに!」


 俺は慌てて後に居る鬼を見る。

 鬼の姿は、特には変わっては無い。

 これがパワーアップした姿なのか?


「主君さま! しゃがんで!!」

「えっ?」

『いいから!』


 俺はその場に蹲る様に急いで身を屈める。


「いきなり、どうしたんだ?」


 訳が分からない。

 何で、しゃがまないとだ


「ああああああああああああああああ」

「!?」


 何だ?

 何が起きているんだ?

 しゃがんでいるため、何が起きたのかわからない。

 でも後ろから、叫び声がいくつも聞こえたんだが。


「ルシア、何がおきた!?」

『鬼の暴走です。 こうなったら、もうどうしようもできません。 逃げるしか方法は無いです。』

「鬼の…暴走? それはいったい?」


 鬼の暴走?それが何かはよくわからない。

 でも後ろの現状から察するに、鬼の暴走によって今この瞬間乗客たちは、蹂躙され命を落としているのだろう。


 なんとかしないと。

 でも、俺にその力があるのか?

 俺の渾身の弾丸は簡単に弾き飛ばされてしまった。

 これ以上の攻撃は俺には無い。


「ああああああああああああ……ああああああああああああああ……」


 叫び声は幾多も続いた。

 俺はその間に何も出来ずにその場にしゃがみ込んでいた。

 そして、俺がルシアに呼ばれて、我に帰り上を見上げ辺りを見た時、そこは地獄絵図とかしていた。

 生きていたのは俺とルシア。

 二人だけだった。



 その日、飛行艇の乗員は俺たちを覗いて全員死んだ。




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