挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。

非現実戦線

作者:A-9
 妻が家を出てもう半年になる。
 何が発端だったかはもう覚えていないが、この国は戦争を始めていた。
 私の妻は、赤紙を受け取ったのだ。
 今の時代は女が強く、人間本来の生きる力を持っているとかで、率先して戦場に赴き、第一線で活躍すべきは女であるという。
 そうして、結婚してたった一年と少し、ようやく落ち着き始めた二人の生活は終わった。
 初めの何ヶ月かは毎日、寂しい、会いたいとメールを送ってくれた。
 しかし、今は数日に一度、近況を知らせる内容が届くだけ。戦場という事情もあるだろうが、彼女は私に頼らない、己の道を見つけたようだ。
 私は空き缶やビニール袋に侵略された、薄暗い部屋の中でテレビを付ける。
 ニュースによると、我が国の女性軍はよく統制も取れ、見事な戦果を挙げているという。
 かつては待つ事が女の戦いなどと言われていたが、今や、待つ女はいない。残された男も、かつての女のような気高い意味で待つ事はできていないのだ。
 そう思うと、確かに女は強く、生きる力を持っていたのかもしれない。
 マナーモードの携帯電話が机を揺らし、メールの着信を告げる。
 それは妻の帰国を知らせる内容だった。
 ついこの前までは国外にいた彼女だが、来る防衛戦に備え、今は北海道に向かっているという。
 日本家屋が懐かしいと絵文字が踊る。
 我が国が戦場になるとでも言うのだろうか。しかし、戦いが始まれば、勝利の時まで特産品はお預けになるに違いない。
 大変なことだ。蟹でも鮭でも、今の内に食べておかねばなるまい。
 夕食を決めた私は、久々のご馳走への期待に胸を躍らせながら買い物に出かける。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ