病院へ
〜高峰春香 視点〜
「「ただいま」」
「おかえり」
私たちを出迎えたのは隆司だけだった。あれ?いつもならフィオとルイ君とエリーちゃんが来てくれるはずなんだけど…
「フィオちゃんたちは?」
「今部屋にいるよ。ルイとエリーが熱出して、由希と一緒に看病してる」
ルイ君とエリーちゃんが!?
「大丈夫なのぉ?病院に行ったぁ?」
「いや、まだ行ってない。二人ともまだ38℃まではいってないし、様子をみようって事になってる」
どうして!…今の時間は!?
「今何時だっけぇ?」
「何?急に?えっと今は六時半過ぎだけど」
よかった。まだ間に合う。
「隆司、お金おろして来てくれるぅ?」
「え?どうして?」
「お願いぃ」
頭を下げてお願いする。私達がおろして来ても金額はたかが知れてるし、正直どれほどいるか想像もつかない。
「……わかった。いくら?」
「う〜ん。二十万ぐらい…」
絶対に私たちじゃ出せない金額だ。…本当なら隆司一人に負担させる訳にはいかないんだけど。
「春香ちゃん急にどうしたんだ?なんかいるもんとかあったか?」
「おねがいぃ」
「……わかった。直ぐにおろしてくる。ルイとエリーの方よろしく」
まずはルイ君とエリーちゃんの様子を見てみないと。…出来れば熱も治っててくれるといいんだけど。
「いやだからさ、春香ちゃん?」
「由希どう?」
「ああ、帰って来てたの。…正直良くはないわね。夕方からずっと熱出したまま。むしろ少しずつあがってきてるわ。病院に連れてった方がいいかも」
確かにその方がいい。でも隆司が戻ってくるまでは連れてけない。…最悪の場合、隆司を病院に直行させて、ルイ君とエリーちゃんを救急車で運んで貰うっていうのもあるんだけど。
「隆司が帰ってくるまでぇ、少し待っててぇ」
「?隆司は何処行ったのよ」
由希も気づいてない。どうして分からないのかな?そんなに難しい事じゃないのに。
「お金をぉ、おろしに行ってもらったわぁ」
「お金?…ああ、そういう事か。ミスったわね、早く頼んどくんだった」
「だから!どういうことだよ」
卓弥が割り込んで来たんだけど、話の内容がわかってない。由希と顔を見合わせてから話を続ける。
「だからぁ、もう少し待っててぇ」
「そうね。今はルイ君とエリーちゃんの看病して待ってるしかないか。後は?」
「だから…」
「フィオに言ってぇ、ルイ君とエリーちゃんのぉ服を用意しましょうぅ」
「わかった。フィオ!ちょっといい?」
「………」
卓弥が黙り込んで静かになってから、病院へ行く準備をする。といってもそんなに準備する事はないんだけど。後は、隆司を待つだけ。
「戻ったよ」
しばらく経ってようやく隆司が戻って来た。
「直ぐで悪いけどぉ、病院に向かってもらえるぅ?」
「もちろん。……で、なんで卓弥は隅っこにいるの」
さぁ?いつからあそこに居たっけ?
「それで、この金は?」
…まさか隆司もまだ分かってない?
ジト目で隆司を睨めつけてみる。
「うっ、い、いや、ほら。……診察、そう!診察代に使えばいいんだよね。うん」
むしろ、あの流れからどうして急に他の話に繋がるのか。
「お金はぁ、時間がかかるけどぉ少しずつ返すからぁ」
「いや、いいよ。こういう時こそ使う場面だし」
「ほら、早く行きましょ。ルイ君もエリーちゃんも着替えさせたし、後は行くだけなんだから」
今は急がないと。ルイ君とエリーちゃんの熱はまだ下がらなくて、しかもどんどん上がってる。詳しい事はよくわからないけど、解熱剤でも貰えれば少しは楽になると思うし。
「よしそれじゃあ行こうか。卓弥、二人分毛布持って来て」
「おう。わかった」




