勉強開始
〜高峰春香 視点〜
フィオの勉強ってどうすれば……
今朝方、隆司に任された…いや押し付けられたフィオの勉強について考える。
「そんじゃ行ってくるわ後よろしく」
卓弥が講義に出るために出かける。私に押し付けて…
「いってらっしゃい」
「………….」
「じゃ、じゃぁあたしも行ってくる」
由希も同じ時間だったっけ?そういえば押し付けたの由希が始まりだったような…
「……………」
逃げるように出て行く二人を見送って少しばかりため息をつく。
…昼ご飯を作る事自体はそんなに苦ではないんだけど、勉強ってどうしたら……
「あの、ハル?迷惑でしたら別に…」
フィオに気を使わせちゃったみたい。余り悩んでばかりじゃいけないよね……後で3人にはなにかするとしても。
「それよりもぉ、厳しくぅいくわよぉ」
「お願いします」
とりあえず隆司が買ってきたテキストをめくってみる。……ひらがな、カタカナはある程度大丈夫だとしても………問題は漢字ね
漢字を一から覚えさせようとするとかなりの時間がいると思う。絶対にこのテキストだけじゃたりないし。……漢字は後回しで、平仮名とカタカナを教えればいいかな。
「今日はぁひらがなとぉ、カタカナをぉ覚えましょぉ」
「はい。あのところで、この国の文字ってどうして何種類もあるんですか?」
フィオの質問に耳を傾けつつ、ひらがな、カタカナの五十音表を作り始める。
「うーん、どうしてかしらぁ?他の国のぉいいところを真似たらぁ、こうなったぁ?」
歴史の授業で聞いたような気もするけどおもいだせない。それよりも、五十音表って手書きで書くの凄く疲れる。パソコンと印刷機でもあれば直ぐに作れるのに…
「はぁ、そういうものですか」
「私もぉ質問いいぃ?フィオはぁ、日本語しゃべれるのに文字はぁわからないのぉ?」
今も実際にしゃべっている。外見がそうじゃなかったら、日本人だと思ってしまいそう。
「??わたしはエルアード語でしゃべってますよ?」
「どういうことぉ?フィオはぁ、日本語でぇしゃべってると思うんだけどぉ」
私たち4人が聞き取れていたんだから間違いはないと思うし。……あれ?そういえば、何時フィオは日本語会話勉強したんだろう?フィオだけじゃない、ルイ君もエリーちゃんも。
「ハルたちこそエルアード語で話してますよね?」
英語だけでも手一杯なのに?無理無理!
それにしても、どういうこと?エルアード語?が日本語に聞こえて、日本語がエルアード語に聞こえるって……そんな都合のいい翻訳されてる訳が…………
「……ねぇフィオ?これから聞くのはぁ外国の言葉なんだけどぉ、わかるぅ?」
あり得ないとわかっていても、念のため、念のために英語を聞かせてみる。確か部屋の隅にスピード○ーニング
『This doesn’t concern you so stop being so nesey.』
「えっと、『お母さんには関係ないのだから立ち入らないでよ。』ですか?……どうしてこの文なんですか!」
合ってる…しかも模範解答………どういう理屈かわからないけど、翻訳だけで仕事に就けるんじゃない?
「すごいわねぇ。でも…」
私たちがしゃべってる言葉が全部違う言葉に聞こえるっていうのは、少し壁を感じる気もする。
「どうしたんですか?」
フィオが気にしてないのなら無理に気にする必要はないのかな…
「なんでもないわぁ。それよりもできたわぁ」
完成した五十音表をフィオに見せて、ようやく勉強を始める。
「これはなんですか?」
「五十音表って言ってねぇ、ひらがな・カタカナをぉ纏めたものよぉ」
本当は濁音、半濁音、小文字等を含めるともっとあるけど、最初だしとりあえず基礎的なところから覚えていかないと。
「どうすればいいんですか?」
「言葉はぁわかるんだからぁ、後は文字をぉ覚えるだけよぉ
声に出してぇ書き取りしてねぇ」
一文字10回ずつ一通りねぇ
私の言葉にフィオが愕然とした表情でみつめている。
「厳しくぅいくわよぉ。頑張ってねぇ」




