第八話 お泊り、急きょ
うーん。バトル物を書いていないとバトル物を書きたくなるのが世の連れ(笑)
さて、考えてみようか。
という訳であとがきの方に記しておきますww
文化祭前日。晴天。教室多忙者続出。俺、昼寝。
こんなものでいいのだろうか昼休みに俊哉と話をしつつクラスの手伝いをせずに昼寝したところ学級長の春富につかまり午後の数時間手伝う羽目になった。
校庭にも一日目の体育祭に行われるリレーの後、フォークダンスがあるためその木の積立てが隅に置かれていた。
いよいよ文化祭か。
あまり実感がわかないが文化祭なんだなっていう気はする。いろいろあったわけだし。
屋上であるお昼の日差しを浴びているとそんな気分に思えてきた。
鈴川の言葉も、賀川の事も俊哉の事も気になりかねない。あいつらがどんな気持ちで文化祭に臨むのかなんて俺が知るわけがない。
知りたくても知れない事実。
風が吹きかけ、かいていた汗を一掃させるくらい冷たかった。目をつむり耳を澄ませる。
気持ちいい風だなー。
残暑もまだ解けきれないしかといって涼しくなってほしいという気にもなれない。寒いのも暑いのもどちらかと言えば好きでもなく嫌いな方ではない。
そんなことを考えていると携帯が震えだした。
ディスプレイを見ると鈴川から電話だった。
「もしもし」
『涼しい風にあたっているところ申し訳ないけれど、もう下校時刻になっているから早めに家に来てくれない?』
おい、なぜ居場所が分かる。
学校内に監視カメラなんて物騒なもの仕掛けるなよ。
・・・・・
「理由は」
『いいじゃない。なんでも』
何でもよくねえよ。理由位しっかりと言ってくれよ。
「俊哉たちは?」
『林君は用事があるから今日は欠席。利華も準備の方があるらしいから今日は来れないそうよ。他の人たちは私は知らないけれど』
おそらく大野に春富などの面々も来れないだろう。あれだけ午前中ごった返したと言え、午後も中々終わる気配がなかった。
「という事は今日の部活ミーティングは俺とおまえの二人という訳か」
『二人の部分を強調するのはどうかと思うけれど実際そうなるわね。他の人も確実に来れないっていう保証もないだろうけれど』
二人の部分を強調して悪かったな。
でも鈴川の言っていることは事実だ。来れるっていう保証はどこにもない。
ましてや来れない確率のがはるかに上回っている。
それを二人でどうしろというんだよ。
『とりあえず時間内には来てね。あっ、ちなみにブルータス討伐だから』
「お前そのネタ好きだな!!」
と、俺の突っ込みを聞くわけもなく鈴川は電話を切り俺は携帯をポケットにしまう。
先ほど携帯で時刻を確認したら三時過ぎ。いつもより数十分早い時間帯だ。
「さて、行くとするか」
多分他の人はまだ文化祭の準備に没頭しているだろう。けれど俺はそんなことを気にせずに屋上から出ていった。
◇
鈴川の家がやはりデカかった。
前見た時よりもデカかったのかは人それぞれかもしれない。でも、やはり大きかった。
「さあ、中に入りましょう」
学校から一緒に帰っていた鈴川は俺に中に入るように催促する。
やっぱり中に入るのは少し気が引けるよな・・・・・
「うう、やっぱりデカいな」
「いちいち驚くのはやめてほしいな。私も私でなんか気が引ける」
「わりぃ」
そう言いながら玄関まで長い道のりを歩く。
そういや、
「お前普段は車で送り迎えじゃなかったけ?」
入学して最初はリムジンで校門前まで送り迎えしていたことが記憶によみがえる。
「別にいいじゃない。私の勝手なんだから」
かってね・・・・こいつの勝手は少し違うような気がするんだけれど。
「余計な考えしていないで早く行きましょう」
はいはい。
「はいは一回よ」
「人の心読むな!!」
「お帰りなさい。お嬢様」
すると目の前に現れたのは俺もよくご存じであるメイドの外内さん。
いつみてもこの人はポーカーフェイスなんだよな。やっぱり超人メイドさんていつもポーカーフェイスなんかな?
するとギロッと睨まれたような表情をされ俺は驚愕する。
やっぱり読心術・・・・・・・
こえな。
「では、瀬原様も中にお入りください」
「は、はい」
うう、なんか怖いな。メイドって。
兎にも角にも鈴川邸に入った俺はこの前来た部屋に入る。
「どうする?着替えてきてほしい?」
「なんでそんなこと聞くんだよ」
「別にー」
何が別にだよ。
口笛を吹く仕草をしながら鈴川は部屋のドアを開ける。
この前入った部屋も何だか無駄に広く感じてしまう。
うう、今日ここで何するんだよ。
考えるだけで身震いがしてきた。
「それで、俺はどうされれば?」
「そうね・・・・・・私と体験してみる?」
「なっ!?」
こいつ・・・・何言ってやがる。
顔が・・・顔が完全に逝ってるぞ・・・・・・この女。何考えているんだよ。
鈴川はいたずら笑みを浮かべながら俺に近づいてくる。
「別にいいのよ。私は瀬原君となら我慢できる」
「ま、待て、俺にもせめてもの心の準備ってものが・・・」
がっ、何俺やる前提でいるんだよ。ああ!!婿に行けねえ!!
しかも鈴川が・・・・ワイシャツのボタンを一個一個外しに行ってる・・・・・
「待て!!早まるな!!前言撤回だーーーーーーーーー!!」
俺がそう叫ぶものの時はすでに遅し。
「はむっ」
「ひっ!!」
以前何処かでやられたようなことを鈴川はまたやりにきやがった。
俺は声に出そうも声に出せずただわめく一方。もちろん理性を失いかけそうなところだ。
「待て・・・・・ちょっ、ぐっ!!」
舌!!舌入ってます!!
鈴川さん・・・・・・やばい。死ぬ。
意識が・・・・・・・・・・・・・・・・どっかに飛んでいきそうだ。
「はぁ・・・・・・ごちそうさま♪」
「ご、ごちそう様・・・・・て」
やることが過激すぎるよ。
み、耳が。
もう来なきゃよかった。
「どうだった?気持ちよかったでしょ?」
「言いわけあるか!!」
もう涙が出そうでやだ。帰りたいよー。
「今日は帰らせないわよ」
誰か・・・・・だれか・・・誰でもいいからさー。
「さて、次は逆の耳でも行こうかしら」
「いや、いいです・・・・いいですよ」
「遠慮しないで」
エロい・・・・舌を出して近づいてくるところがあまりにもエロすぎるんだよ!!
「いやああああああああああああああああああああああああ!!」
俺の悲鳴は鈴川家に響き渡っていったのであった。
な・・・何があったんだ。
夢でも見ていたのか?それとも現実?
けれど記憶にしっかりと鮮明に残っているから現実であろう。
俺はどこかで寝ている。何処かはまだ認識できていない。けれど間違いなく今言い表せられることと言えば、隣に学校一美少女の彼女がいるという事だ。
しかも俺に密着した状態で。
暑苦しいのなんの。引っぺがせない状況ですよ。
俺の首に腕をからめてきてはなんと素足も絡めてくる。俺にとってはあまりにも過度な状態だ。
この光景・・・・・どこかで見たことあるぞ。
デジャヴ?またかよ!!なんか最近デジャヴが多い・・・・・・のは気のせいかもしれない。
時間を見れば五時を少し過ぎたところ。
まだ帰るには早い時間帯だけれど・・・・・・・
「おい、鈴川。鈴川!!」
だめだこりゃ。完全に寝入っている。
あー、あちぃ。
これじゃあ完全にラブホにいるカップルみたいじゃねえかよ。俺は鈴川の寝顔を近くで見る。
なんか・・・・・新鮮だな。
寝息をすーすー立てている鈴川はなんか見たことのある顔だった。
「可愛い顔しやがって」
俺は笑いながらこいつの顔を弄る。
「んん・・・・」
柔らかいほっぺを指でつつけば気持ちよさそうな顔をする。猫みたいでなんか・・・・・・
だめだ。笑っちまいそう。
「瀬原君?どうしたの?」
「ははっ、な、何でもない」
これ以上みていると笑っちまいそう。
「何よ!!人の寝顔見て笑うなんて」
「へーへー」
「まあ、いい眠りだったわよ」
それはそうですか。こっちは暑くて寝苦しかったけれど。
さて、そろそろ帰って・・・・・
と、俺が帰ろうとベッドから降りようとしたら腕を掴まれた。
「なんだよ」
「今夜は・・・・・・お父さんがいないの」
だからなんですか?
麗しい目で鈴川は俺に迫ってくる。
乗らないぞ。もう甘い誘惑には乗らないぞ!!
「今夜は・・・・泊まって」
誘惑キターーーーーーーーーーー!!
よし、次こそ乗らないぞ。ぜってえに。
「悪いけれど今日は無理なんだ。やることもいっぱいあるし」
うん。何ともダンディな言いぐさ。俺は自画自賛したくなるほど名演技だと思った。
「あら?私の誘いにお断りするの?」
いや、丁重にお断りしたはずですけれど・・・・・・なんでそんな強ばった表情をするんですか?鈴川さん。なんか危ないもの持ってますけれど・・・・・
「わ、分かりましたお言葉に甘えて・・・・・泊まらせてもらいます」
うう、情けない。
最後の言葉だけ小さい音で言ってしまった。
という訳で俺は文化祭前日に鈴川に家に急遽泊まることになってしまった。
はぁ、男として不甲斐ない・・・・ぐすっ。
考えたものだと・・・・・・
【DragonBreaker】仮
魔法ファンタジーです。空想の世界というか実際にない世界が舞台です。
そのなかで主人公ハルが繰り広げる物語。
まあ、こんなもんですね。実際にかくかどうかはまだ未定です。
それでは今年もこれで最後の投稿となりました。
また来年。お会いしましょう。
よいお年を。




