第七話 文化祭前日
あと・・・・あと45で10000PVアクセスだぁ。
喫茶店につき俺は一番入口から遠い窓際の席へと腰を掛ける。ちょっとすれば鈴川が喫茶店に入ってくる。
「なんだよ。これだけの時間差じゃ一緒に行った方がよかったじゃねえかよ」
「あら、男性が先に待ち合わせるのはデートにとって一番大事な場面よ」
これをデートと称する人を早く呼んできてくれ。どこへでも連れて行ってやるよ。
「さて、何にしましょう」
「話が合って誘ったんじゃねえのか?」
「あ、これいいわね」
「人の話を聞けコラ」
俺がそう言うも鈴川はメニュー表をまじまじと見て通りかかったウエーターに紅茶とケーキのセットを頼み始めた。
「ほら、瀬原君も何か頼まないと」
「じゃあ、俺はミルクティーの単品で」
「ミルクティーとか子供ねえ」
子供で悪かったな。
「で、本題に入ろうじゃねえかよ。話ってなんだよ」
「あなた、私に告白する気にならない?」
「・・・・・・・」
いや、今なんて言った?
こいつ今何と仰いましたか?
「あの、最近老後で耳が遠くなったんでもう一度いいですか?」
「あら、しらばっくれるのもいい加減にしてほしいところだわ。私が本気で言っているのにもう一度言えって?そんな人は馬に蹴られて死ねばいいのに」
「上等だな。馬にでも熊でも何にでも蹴られて死んでやるよ」
いや、冗談だけどさ。
でも確かにこいつは今、明らか他人を敵対視するようなことを軽く言い放ちやがった。
さっき賀川とその話をしたんだけれどなぁ。
答えようにもどう答えればいいんだよ。
「さあ、どうなのよ」
「いや、告白する気にならない?って聞かれるとならない」
当然、俺がミーハーであるのならばしているかもしれないが場や状況を考慮していないうえで告白してはい付き合っちゃいましたー。なんてなれば俺に明日は存在しない。
「あら、残念。口から泡吹いちゃいそうだわ」
何故泡を吹く。泡を。
「お待たせいたしました。ケーキセットにミルクティーの単品。以上の品でよろしいでしょうか?」
二人の会話の中に先ほどのウエーターが頼んだものを運んできた。
「ありがとう」
優雅に振る舞う鈴川とは違い俺は会釈をしてミルクティーを受け取る。
一口すする。
うん。最近寒くなってきたからちょうどいい暑さだ。
鈴川も紅茶を一口すする。手際よくカップを置き、横に並べられているケーキを口にする。
そしてフォークを置いて口を拭いではこういった。
「で、告白する気にはならないの?」
「それさっきも言ったよな!?」
最近俺の周りにデジャヴがものすごく多いんだけれど・・・・・・怪奇現象じゃねえのかよ。
「なんで急にそんなこと聞くんだよ。別に俺じゃなくても他のやつらがお前に告白するんだろ」
「瀬原君たら、一緒にお風呂入ったり寝たりした中なのに他の男の話?趣味悪いね」
わざとらしく、周囲に聞こえる声で俺に言いかけて来たので周りの人は目を丸くして俺たちの方を見ていた。いや、ほんと何言っているんだよこいつは。
「ってか、風呂には一緒に入ってねえだろ?」
「お風呂にはでしょ?」
んふふふと口に手を当てて笑いながら鈴川は言う。
ぐっ、失言しちまった。
まあ、一緒に寝たことは事実で学校中には広まっていないのが幸いだけれど。
「やっぱり動揺している瀬原君て可愛いわね」
「はいはい」
ったく、こいつといれば何かと起きる。
でも鈴川と俺が最初に出会ったのってあの屋上でだよな。
今思えば鈴川って相当なあほなんだな。
「どうしたの?間抜け面なんかして」
それでもこの毒舌っぷりにはもう慣れたけれど・・・・・・・これって本性なんだよな。てことは普段の鈴川って猫かぶっているのか。
猫かぶっていてもいなくても鈴川は鈴川だけどな。
「何でもねえよ」
「嘘よ。何か考えていたわ。どうせ私の裸エプロンでしょ?」
「なんでそんな考えが思いつくんだ?お前はただの変態じゃねえかよ!?」
でも、考えている事は相変わらずだけれど素直なところもあるんだよな。もし俺が鈴川に告白するって言っていたらこいつはどんな反応をしていたのだろう。
俺の素直な気持ちを受け止めてくれるのか。こいつも素直な気持ちを現してくれるのか。
なんだよ。この恐怖感。
拒絶されそうで怖いという先入観。単なる想像にすぎないはずなのに・・・・・・・
「また浮かない顔しているけれど。疲れているの?」
今度は普通に声をかけてくる鈴川。からかい半分ではなさそうだ。
「いや、メニューとどうすればいいのか分からなくてさ。ちょっとだけ考えていただけだ」
そうだ。難しく考える必要なんて最初からどこにでもない。
ましてや鈴川が俺の事なんて・・・・・・・・
「そろそろ帰りましょうか。日が落ちて来たことですし」
食べ終えたケーキの皿にフォークを乗せ、窓の外を見ながら鈴川は言う。
日はもう少しで落ちそうで辺りも街灯で照らされていた。そうか、もう秋だもんな。
帰っていろいろとやらなきゃな。明日で文化祭前日になるわけだし。
「そうだな。今日は俺のおごりだ」
「何?気遣って私の好感度を上げるの?」
「何言ってんだよ。男として当然のことだよ」
レジに行って俺は鈴川のケーキセット代まで払う。
今月は・・・・・なんとか持ちそうだな。野口さんを一枚だし俺はお会計を済ませる。
店の外に出ると先に外で待っていた鈴川は寒そうに両手を擦り合わせていた。
確かに今日はいつもより気温が低い気がする。風も夏に吹く風とは違く少し冷たい気がする。
「寒いのか?」
「そうだけれど。家まで近いから大丈夫よ」
でもよ、時間も時間だし確かに夏服だと寒いよな。こうなれば・・・・・・・・・
恥ずかしいけれどしょうがないか。
「えっ!?」
「これなら、少しはあったかいだろ?」
「ええ」
俺は鈴川と手をつなぎ俺は短い街通りを歩く。
なんか・・・・・恥ずかしいな。
鈴川も手をつないだきり喋ろうともしないし俺も喋れる気になれない。この時間帯、近隣の学校の生徒がいないだけでも幸いだ。
「じゃあ、ここでいいか?」
鈴川の家の前まで来て俺は手をほどく。
「あの・・・・今日はありがと」
なんだよ。喫茶店の時とは全然態度が違うじゃねえかよ。
「いつも通りにしてくれよ。猫かぶりじゃ俺もどうにも対応しきれない」
「じゃあ、また文化祭の準備もしっかりね。あと明日の放課後は私の家に来るように」
「なんだよ。部活動は文化祭まで何だろ?」
「さあ?どうだろう」
適当だな。相変わらず。
「それじゃ、また明日な」
「帰り道車をひかないように気を付けてね」
俺はどんだけすごい馬力を持ってんだよ。
呆れた顔をしながら俺は鈴川に別れを告げる。
「・・・・・・・ばか」
握られた手を見ながら鈴川はそう呟いた。
もちろん、その言葉は蓮司にも届くはずはなく・・・・・・・・・
文化祭前日。
生徒のテンションは正直言ってあげ上げだった。
それは明日が文化祭だからだろう。それもで俺はいつもとテンションを変えずに学校に登校してくる。
教室に入ればお馴染みの面々。
しかし、
「れんじぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
俺に縋り付いてくるもの約一名。
素早く払いのける。
「おはよう。蓮司・・・・・ってどうした?」
「いや、目の前にハエが飛んできたからさ」
でっかいでっかいハエが目の前に飛んできたので払いのけただけです。
大野やクラスメイトに挨拶されながらもおれは目の前で伸びているでっかいハエを踏んづけながら自分の席へと行く。
「ひでえぞ!!それでも友達か!!」
「あれ?まだハエが飛んでる」
条件反射で俺は再びハエの顔面をびんたする。
「ぐはぁ!!」
悪いけれどおれは非常に眠い。何故なら睡眠時間がいつもの半分以下であったからだ。
いや、夜更かしは自重するけれど昨晩はしょうがないと言って欲しいものだ。
だってメニュー作りにローテーションの時間割だぞ。それを作るのにどれだけの時間を費やしたと思っているのか。
わかる奴には分かると思うが分からない奴にはそうそうわからないな。
というわけだから本日の準備は休ませていただきたい。
朝起き掛けに考え付いた案を実行させようとしたらメールが来たのである。
文面は以下の通り。
【件名:ブルータス】
【本文:今日学校に来なければ留年させるわよ☆】
これを見たときの俺の反応は以下の通りだ。
1、「ざけんなああああああああああああああああああ!!」
2、「ブルータスかんけーねえええええええええええええええ!!」
3、「☆じゃねえよ!!☆じゃっ!!」
正解は全部です。
留年にされたらたまったもんじゃねえよ。という事で俺は朝から不機嫌極まりないのであります。
「れんじー。友達をハエと呼べばどうなるのか知っているのか?」
俺の肩に腕をかけてきて何かもったいぶったようなことを言ってくる。
しかしむかつく。殴りたい。切実に。
こぶしを振り上げようとしたその瞬間、目の前に出されたのは携帯。そこに映っていたのは・・・・・・・・
「うわああああああああ!!何しとんじゃあああああああああああ!!」
あわてて携帯を取り上げようとするがこいつの反射神経の方が上だった。
くそっ、なんで、こんなのがあるんだよ!!
見せられた写真は夏休みに誘拐事件が起きた後、俺たちが入院している病院にてとった写真だ。
しかも鈴川と俺が同じベッドで寝ている光景。
いや、俺は知らない。何にも知らないです。
「さあ、今すぐ機嫌を直して俺の相談に乗ってくれ!!じゃなきゃこの写真を・・・・・・」
「分かった!!分かったから携帯を仕舞え!!」
くそっ!!完全に弱みを握られた。
「くそ・・・・・・ここじゃ話せねえことなのか?」
「まあ、大方そうだ。できれば場所を変えたい」
しょうがない。こいつに従うか。
「じゃあ、そろそろ準備が始まるからお前の仕事が終わったら教室に来い」
「いや、俺仕事ねえし」
は?
「お前仕事ねえのかよ。三組終わらないって騒いでいなかったか?」
「ああ、俺はリレーの方とかいろいろあるから利華といろいろなところ回ってろだって」
・・・・・そうですか。
それにしてもこいつには手伝うっていう概念がないのかよ。
仕方ねえな。
「俺寝不足だから昼ごろ来て。それまで賀川でもだれでもいいからどっかに行ってろ」
「利華としていかねえよ」
そういって俊哉は教室を出ていく。
はぁ、朝から騒がしかったな。
とりあえず準備から始める今日の一日は俺は日向の出てる温かいところで寝ることにした。
◇
「はぁ~~~~~、で、話とは?」
ばっちり二時間眠った俺は大きな伸びをしながら教室に来た俊哉に問う。
しかし俊哉の表情はどこか覚束なく、いつもの俊哉らしいくない表情だった。
「どうしたんだよ。何かあるのなら話せよ」
「さっき聞いた情報なんだけれど。利華、誰の告白にもOKしないんだと」
・・・・・・・・
一瞬の沈黙。
「はぁ!?」
どういう事だよ。
でも昨日確かにあいつは俊哉の名前を出したら動揺したのに・・・・・・・・
「やっぱり俺諦めようかな」
「何言ってるんだよ。やってもいないのにあきらめるなよ」
嘘だ。あいつは・・・・賀川は俊哉のことが・・・・・・・・・けれどあの言葉でそう断言できる根拠は何か。
俺には分からない。
俺に俊哉の、賀川の気持ちなんてわかるはずがない。
「とりあえず・・・・・考えろよ」
「え・・・・・」
「三日目まで考えろよ。お前の答えはそこで聞く。だから三日目まで無理だという事は絶対言わず予定通りの事するぞ」
「蓮司・・・・・・」
俺は・・・こいつの力にならなきゃいけないのだ。
こいつを・・・・この馬鹿の人生を変えてやるんだ。




