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俺はお嬢様が恋をしたことに気付いていない  作者: 海原羅絃
第3章 文化祭とお嬢様
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第六話 文化祭2日前

本日二度目の投稿。眠たい目を擦りながらやろうかなwwおそらく睡眠時間は四時間ですねww

 とりあえず俺の中では文化祭の準備を言うものはかなり忙しいものと痛感した。

 まさかここまで忙しいなんて根にも葉にも思っていなかった。

 文化祭を機に部活動を鈴川が創ったりクラス展示でメイド喫茶をやり一日目のクラスパフォーマンスでは踊りを踊ることになり俺はスポットライト係に。

 俊哉からは告白タイムでの賀川への告白するための言葉をアドバイスしてやったり、体育祭ではリレーのクラス選抜に選ばれてしまうなど忙しいも何もない。

 んなことをあーだこーだ言っているうちに文化祭まで残り一週間となってしまった。そんな休日の昼下がり、この時期まで来ると休日に学校へきて準備をするという恒例の事が在るかもしれないが生憎俺はそんなことをしている暇ではないのである。

 訳は喫茶店に出す食べ物や飲み物のメニューの書き込みだ。

 執事兼料理長を何故か知らないうちに決められてしまい俺は止む負えずこの役を引き受けることになった。まあ、キッチンの方がほぼ男性陣という事でもあり料理能力皆無である彼らが調理をするとなれば女性陣に迷惑以外の何もかけられないのである。

 という訳で俺がメニューを決めている。

 「んー、定番のあると言ったらやっぱりケーキ類だよな。でも昼飯時になると流石にお客さんも増えて腹を満たすものを出さなきゃいけないからな」

 現在ペンが止まっている。メニューはほとんどできているが整理ができてない。

 喫茶店と言うと紅茶とケーキしか思い当たらないので昼時になって食えるものなど考えられない。

 「やっぱりここはオムライスとかスパゲッティか」

 オムライスなら費用もそこまでかからないで簡単に作れるしお客さんにも好評になる可能性がある。

 でもたったこれだけじゃどれを食べたいか迷うお客さんの顔が蔓延らせてしまう。

 いい方と言っても何も思いつかないのが後の祭り。

 「やっぱりケーキをメインにした方がいいのか」

 けれどケーキとなれど作る種類も多く、あの男性陣となればそれなりの足手まといと化してしまう。ああ、どうすりゃいいんだよ。

 ティーの方はなんとか数が揃っているからつくり貯めした分冷蔵庫で冷やしておけばいい。

 「んんー」

 机と紙に向かって既に時計の針が何周したことか。更にペンを動かしてどれくらいの時間がたったのか。数えるのがあほらしかった。

 こうなれば春富とかその辺呼べばよかった。

 あんなところで意地なんて張らずに頼めばよかったな。

 鈴川も今頃文化祭の準備で忙しいだろうな。確かあいつもクラスパフォーマンスも出るとか言っていたからそっちの方でも手を焼いているのか。

 所詮俺はスポットライト係。ギャラリーの上でスポットライトを当てていればいいんだ。

 そういやあれから『青春乙』の会も活動が疎かになってきているな。

 まさかあれがノリで作ったとか言いそうだよな・・・・・・・・

 絶対そうに決まっている。原因は意見箱に意見が一つもない事にやはり青春は一人一人掴むためなんだと言いそうだよな。

 反対はしないけれどそれが一番の道なのかもしれない。

 俺もこれ作って俊哉の方に手を焼かなきゃな。

 







 なんとかメニュー作りの苦難を乗り越えてから三日後。

 木曜日を迎えた。木曜日と言ってもただの木曜日ではない。文化祭二日前の木曜日である。

 そんなわけで学校の方も文化祭準備期間も入っていて二日前になると授業もすべて準備へと移される。俺らは朝から大忙しなのである。

 うむ。俺だけなのかもしれない。

 何せキッチンに配属される男性陣の指導をしなくてはならないからだ。正直頭が痛くなる。料理がしたことがないというのは否定しない。

 けれど洗い物くらいはしたことくらいあるでしょ。と頭でも顔でもどこでも訴えたくなるくらい俺は悩んでいた。

 「とりあえず洗い物はこんなものだけれどいいか?」

 キッチンに入る男性陣一同は首を縦に振る。

 ちなみに他の人たちはというと・・・・・・・・・

 鈴川が文化祭実行委員の後、クラスパフォーマンスのリハーサルに直接行くとか言っていたし春富もウエーターの方行くとか言っていたしどこもかしこもで忙しいな。

 一番忙しいのは急きょ役割の追加をされた俺ですけれど。

 「瀬原君。これはこの順序でいいの?」

 材料を持って俺の元へと来た女子生徒は初々しいエプロン姿で姿を見せた。

 そういえばこの子もモテたんだっけな。なんか最近俊哉のいらない情報が脳内で縦横無尽に駆け巡っているのだけれど気のせいだろうか。

 「ああ、ちょっと待って」

 今はこいつらの指導が先決だ。

 とりあえず俺は一段落で着るところまで教えあとは各自で確認させることにした。やる気はあるのだからおそらく彼らならやってくれるだろう。

 と、いう訳で女性陣の元へ。

 「なんだ?」

 「ここってあとどうすればいいの?」

 「ああ、ここは卵が固まらないうちにすぐまいちゃうんだ。ご飯は入れたい奴は入れるけれど今回の場合はお客様に食べさせるからな。見た目も大事だからこうすればいいよ」

 「あ、きれいだね」

 感嘆する女子生徒。更に隣の方でも女子生徒が俺を呼ぶ声がしたので急いでいく。

 ああ、忙しい忙しい。 

 当日もこんなに動きっぱなしだったら体力が持たねえぞ。

 なんとか交代制でとか言ってくれているけれどこのままじゃ総動員になるかもしれないな。

 そうならないためにもちゃんと身に着けさせなければ。

 「忙しそうじゃねえか。店長」

 苛立つような声が聞こえて来たかと思ったら俺の悪友、俊哉であった。更にもう一人、意外な人物が。

 「めずらしいな。お前ら一緒だなんて」

 「まあ、偶々ね」

 「ん?お前ら知り合いだったか?」

 「いや、ちょっといろいろあってな」

 ホントあの時はいろいろあった。

 にしてもこいつ制服姿の時もなんか違うよな。プールの係員だと保育園の先生な感じがしたけれど綺麗なやつにはどんな服でも似合うって本当なのかな?まあ、学校内でもそれなりにモテるわけだしそれもそうか。

 「何の用なんだよ。お前のクラスも終わったのか?」

 「今終わったよ。一時間後にクラスパフォーマンスのリハだけれどそれまで暇だから見物に来たんだよ。それより鈴川さんは?」

 「あいつなら実行委員で今体育館だぞ」

 「だってよ、どうする?」

 俺の言葉を聞いて俊哉は賀川に何か聞く。

 なんか聞きたいことでもあったのかな?

 「ちょっと相談したいことはあったらしいよ。俺もあまり知らないけれど」

 なるほど。女同士の相談という訳か。

 そうなれば。

 「あいつも今日増していると思うから行くだけ行ってこいよ。俊哉、頼んだぞ」

 俺は目で合図をしてその場を立ち去る。

 何があったのか賀川の分からず俊哉自身も理解するのに時間がかかりすぎた。

 「じゃあ、行こうか」

 てくてくと俺の教室から出ていく二人。

 なんだよ。いい感じじゃねえかよ。

 あのまま付き合えば問題ないと思うんだけれどなー。

 「蓮司」

 ふいに後ろから声をかけられた。振り返るとそこには体操着姿の大野の姿が。

 一体何をするつもりだ?

 「リレーの練習しねえか?時間ないし息抜きとして」

 「息抜き・・・・ねえ。まあ練習しなきゃ本番で勝てそうにないからやっておくか」

 「みんなグランドで待っているから早く行こうぜ」

 着替えるのはあとはでいいか。とりあえず更衣室へと向かう。

 廊下も展示品などで色々と飾られていてなんかうちの学校の生徒がいつもより多い気がするのは気のせいか?

 更衣室で運動着へと着替え校庭に行く。校庭にはすでに俺のクラスのリレーメンバーが揃っていた。

 「時間がねえからちゃちゃっとやるか」

 「そうだな。とりあえず当日走る順番をあとは教室で決めて今はバトンパスの練習とコース確認でもするか」

 俺たちはまず本番で走るコースを確認するため軽くジョギングする。

 足取りはそこまで重くはない。最近走っていなくて少し心配だったけれどこれだけ調整していけば本番でも何とかなるだろう。

 大野たちも楽しく喋りながら校庭を回る。

 「あれ?」

 その時、皇帝と隣り合わせてそびえている体育館の窓から鈴川らしき人物が見えた。

 俺と目を合わせているのを気づいていない?

 多分気づいていない。けれど鈴川はすぐ窓から離れていってしまった。

 なんだったんだ?

 校庭を約三周したところで俺たちは足を止めた。

 「瀬原って案外体力あるんだな。俺たちかなりハイペースで走ったんだぞ」

 声をかけて来たのはサッカー部の吉岡。確か秋からフォワードで頑張っているって聞いていたな。どうりで体力も底知れぬわけだ。

 「なんか部活でもやっていたのか?」

 「いや、小学校の時陸上やっていてそれから趣味で走ったりしている」

 「そういや短距離でも校内記録出したほどだからな。どうりでそういう訳だ」

 そう俺に声をかけて来たのは同じくサッカー部の清田。吉岡同様秋からディフェンダーで出ているそうだ。うむ。いいことだ。

 で、残りの四人を軽く紹介すると。

 野球部の新谷。こいつとは中学は一緒だったけれどクラスが違かったので真面に話したことなどない。

 それと同じく坊主頭風に見えるのが坂本。野球部に見えるけれど水泳部だそうだ。

 中学時代陸上部で大野と顔合わせが多少あるらしい。

 更にスポーツ刈りの楠川。バレー部で全国を経験していると聞いた。うむ。青春とはいいものだ。

 最後が陸上部の遠藤。そのルックスが幸いして女子からの人気が高いという。簡単に言えば鈴川の逆versionだ。

 「でもこれだけメンツが揃えば行けるんじゃね?」

 「でも三組が結構速いらしいよ」

 「ああ、確か林だっけ?あいつめちゃくちゃ早いらしいよ」

 そういえば・・・・・・と思いながら俺は渋々思い出す。確かあいつ中学校の頃駅伝出たんだっけ?でも駅伝とか長距離だろ。んなところで短距離でいかせるんかよ。

 不思議なくらいだ。

 「瀬原とは同じ学校でクラスだったんだろ?何か知っているか?」

 ・・・・・知っていると聞かれてもな。俺も正直答えようがない。

 いや、あいつは確か部活は社会体育と言って一般の部活とは違って校外でやる部活だからそれと言ってことは一回も聞いたことがない。

 「知らねえな。俺も聞いたことがない」

 「瀬原でも知らねえのか。これじゃあ本番まで手付かずじまいか」

 「でも、本番で頑張ろうや」

 そうだな本番で頑張ろうか。

 本番が全てなんだからな。









教室に帰ると帰った人数の方が多くなっていた。鈴川からは先ほどメールで喫茶店で待っていてと言われたので時間になるまで適当に暇をつぶしていることにした。

 しかしその暇つぶしとしてある人物が来た。

 「なんだ・・・・お前か」

 「何?蘭じゃなくて不満だったかしら」

 「夏休みの時と言いお前は不思議なやつだな」

 「あら、嬉しいわよ」

 褒めてねえよ。

 「で、こんなところに何の用だ?鈴川なら実行委員の方で遅くなるぞ」

 「今日はあなたに用があるのよ」

 荷物をまとめていた手が突然止まる。

 俺に・・・・・・用が?

 「その表情だとまさかとか思っていないの?」

 「ばかやろ。そのまさかだったらどうする」

 「そのまさかなのかもしれないのよ」

 「・・・・・・」

 どうにも反応できない。

 もしかして俺が思っているまさかとこいつの思っているまさかが違かったどうするんだよ。

 「話って?」

 「変な話になると思うけれど。文化祭の三日目、後夜祭で誰かに告白したりしない?」

 ・・・・・・・・・・・はい?

 いや、待て待て。俺が?誰かに?告白しないかだって?

 「それはどういった意図で言っているんですか?」

 「別に、私はそんなのどうだっていいのよ。ただ・・・・・蘭が」

 ああ、あいつか。ったく、変なところで人を使いやがってあいつは。

 「大丈夫だよ。誰にも告白しねえし仮に誰かに告白されたとしてもOKなんてしねえよ」

 「そりゃあそうだよね。あなたは蘭の救世主なんだから」

 救世主ってなんだよ。おれはいつから某スーパーヒーローになったんだ。

 「でも、あなたはどう思うの?蘭の事」

 「ど、どう思うって・・・・・・・・・」

 うまく言えねえけれど・・・・・あいつは、鈴川は・・・・・・・

 「鈴川は、俺にとって・・・・・・・・・・」

 俺にとってなんだなんだ?

 「いいわ、それだけ動揺しているって蘭に言っておいてあげるわ」

 「なっ!!お前、填めたのか?」

 「まさか、私は蘭ほど悪質じゃないわ」

 「お前鈴川ほど悪質じゃないなら俺にとってお前も十分悪質な女だよ!」

 って、そんなこと言ってどうするんだよ。

 「じつは俺もお前に聞きたいことあるんだよ」

 「何?後夜祭前の告白なら聞き入れないわよ。ただでさえ今もごった返しているのに」

 「誰もんなことしねえよ」

 ってか、している奴いたのかよ。

 とりあえず間合いが長すぎる。そろそろ本題に入りたい。

 「お前は、俊哉のことどう思うんだよ」

 あまりにも率直すぎる質問だった。

 いや、これがいいのかもしれない。大事なのはシンプルさだ。

 「えっ、べ、別にどうも想ってないわよ」

 嘘つけ。想っているくせして。

 顔に思いっ切り書いてあるぞ。

 「別にいいんだよ。自分の気持ちに正直になれば」

 「そうなれるのならとっくに正直になっているわよ」

 知らないうちに賀川の頬は自慢の紅い髪よりも真っ赤になっていた。

 おいおい、大丈夫かよ。こいつ。

 「まあ、ありがと。お前の今の気持ちが聞けて」

 「え?ちょっと。それだけなの?」

 「わりぃな。俺鈴川を喫茶店で待たしているかもしれないからそろそろ行くわ!!」

 俺は荷物を抱えて急ぎ足で教室を出ていった。

 「もー・・・・・。蘭。いるのなら出てきてよ」

 「やっぱりばれてたのね」

 友達の気配を感じ取った賀川は鈴川の名前を呼ぶ。

 「なんか話していてむかつくわね。あの子。ホントにあの子を好きになったの?」

 「いいじゃない。人の恋なんてひとそれぞれ。十人十色なんだし」

 「それは分かるけどさ・・・・・・・まあ、瀬原君も瀬原君だよね。鈍感すぎるし」

 「けれど・・・・・・・」

 窓を開けて晩夏を既に過ぎた風を浴びながら鈴川は言う。

 「私はそんな彼が好きだわ」

 それを聞いて賀川ははぁとため息を吐いた。

 「行かなくていいの?喫茶店に行っているんでしょ」

 「そうね。じゃあ、先行くね」

 そういって鈴川は教室を出ていく。

 「好き・・・・・ね」

2時間半でここまで書けるんですねww

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