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概念魔法。  作者: 閑話休題
第一幕
7/11

我が儘。

申し訳ございませんとかそういうレベルじゃなくてブツ切れてたこの話ですけど、これからは気が向いたら更新してまいります。



午後の授業は実技Ⅱで終了だったので、あたしと千歳はさっさと部屋に帰ることにした。


はやく千歳といちゃいちゃいちゃいちゃしたいのだよ。


千歳にそう言ったら、そっぽ向いて不機嫌そうな顔を装いながらあたしの右手にひっついてきた。こう、ぎゅうっと。


ほわあああぁぁぁ。


あーもー。

あーもーあーもうっ!

千歳かわいいなあ!


愛してるっ!


「……いきなりどーしたのさ、あおちゃん。変なものでも食べたの?」


にへらっ、と笑って返事に変える。


「……まあいいけどさー」


何を不機嫌面してるのかね、この娘は。あたしの腕にひっついて離れようとしないくせに。身体はしょーじきだぜ、ぐへへ。


「にやけてる」


千歳が可愛いからね。しょーがない。


ふと。


千歳の顔に陰が落ちる。

くしゃりと前髪をあたしの腕にこすり付ける。

ぐりぐりと額をあたしの腕にこすり付ける。

千歳の顔が見えなくなる。


「……ねえ、あおちゃん」


「なあに、千歳」


「……あたしが」


「うん」


「……あおちゃんから見てかわいくなくなっちゃったら」


「……」


「……あたしのこと、きらいになっちゃうよね」


「そんなこと、在り得ない」


千歳の身体は熱を持っていて。それは生きてる証で。

きっとあたしの身体も熱を持っていて。千歳はその熱に縋り付いているんだろう。


「……ねえ、あおちゃん」


「……なあに、千歳」


「……ひとつだけ、我が儘聞いてほしいの」


「ひとつと言わず、いくつだって聞いてやるよ」


ありがと、と千歳は呟いたような気がする。

千歳が何かを喋るたび、右腕に千歳の熱い吐息が感じられる。

右腕で声を聴いているような、錯覚。

声って、熱を持ってる。

きっと、声だって生きてるのだ。


「……かわいくなくなっちゃったら、あたしのこと、あおちゃんが殺して」


「…………うん」

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