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概念魔法。  作者: 閑話休題
第一幕
6/11

実技Ⅱ。その2

構わず、もう一歩踏み込む!


……ちゃーんすっ。


「……散れ、“夕暮紅葉”!」


ぱっ、ぱっ、と擬音が聞こえるみたいに。

突き出した右手から、落葉する紅葉の如く、“赤”が散る。


空間そのものを染めた赤色は、千歳の“滲み”によって、じわじわ広がってゆく。


「どお、千歳? 捉えた、よっ」


下がろうとする千歳。


させないって。


“赤”めがけて、左手も打ち込む。

赤色に触れると、更に赤色が飛び散って。


「あははっ」


千歳が見えなくなるくらい、赤く染まったところで。


「ふぃにっしゅ」


右手を、


“緋喰い”


閉じる。


もはや一面の赤を、掌に握りつぶす!


「え?」

千歳の“滲み”が一際揺れて、消えかけるのを確認して。


とんっ。


軽い踏み込みから左手を振るい、千歳の首筋に手刀を入れる。

俗に当て身とか云うやつだね。


ふっ、と崩れ落ちた千歳を抱き止める。


役得だねっ!


「……あいよ勅使河原てしがわらの勝ちだおらボーナス300」


と、すぐに倉敷氏から声が掛かった。

倉敷氏は手元の指導官用パッドを弄りつつ、闘技場を見ている。


もうあたしたち見てないし。


まぁ、千歳は数分もすれば目を覚ますだろうけどさ……。


「帰ろ」


千歳を抱いて、やーらかい、じゃなくていーにおい、でもない!

落ち着けあたし、先ずは紳士的に優しくお姫様抱っこをするんだ。よし、良いぞあたし。次のミッションに移行する。このまま救護室まで、砂糖細工を運ぶみたいに丁寧に、しかし素早くだ。そう、慎重に。おっけぇ、到着。うむ、あのソファベットがミッションの最終段階を遂行するに相応しいぞ、あたし。ここで千歳を起こしてしまってはミッション失敗だ。そーっと、そーっと。



……。



「……よはまんぞくじゃー」



そこからたっぷり10分くらい、千歳が気が付くまで、膝枕してあげた。


もとい、千歳の寝顔を堪能した!


……な、別にこれを狙って強めに当て身したりなんか、してないよっ?!

……膝枕ですけれど、何かっ。


夕護くんにたしなめられましたから、それで蒼たん自粛したのかと。


ほら、部屋に戻れば自由じゃないですかっ(違

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