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概念魔法。  作者: 閑話休題
第一幕
4/11

通路。

「ふあーっ、おいしかった!」


三時のスイーツに満足して、あたしたちは校舎に歩いて戻る。


そりゃ駆動通路に乗っちゃうと楽だけどさ。

甘いもの食べたら歩かなきゃ!



歩いてく通路脇の壁には、ちらほらと記念祭関連の告知が見える。


「あー、記念祭までもう1ヶ月かぁ」


「そーだよ、あおちゃんまさか忘れてた?」


「や、流石に覚えてるけどね。忙しくなるなーって」


「年に一回だけだもの。でもあおちゃん、いつもはもっと盛り上がるのに、どーしたの?」


ちょっと心配そうに覗き込んでくる千歳。


……ぬぬ。


「てや」


「ふにゃっ!」


不意打ちで抱きついてみた。

千歳の柔らかい髪に頬摺りする。


うりゃうりゃ。


身長差があるから、高さがちょうどいーんだ。


「ふわわっ。……急に何、あおちゃん?」


「千歳がかわいーから、くっついただーけ」


「……むぅ」


うりうり、ってやりながら、歩く。


「なんかねー、記念祭のちょっと前にー、来るってさー、言ってたの思い出した」


「……何が?」


ぐみゅ、って千歳の上につぶれてみる。


「何ってか、師匠が」


「えっ、ハルさん来るの?」


「そーだよぅ……、忘れてたー」


「へー、ハルさん会うの久しぶりだぁ。いつもあおちゃん連れてすぐ行っちゃうんだもの」


千歳は楽しそう。


「……甘い、千歳。人混み嫌いの師匠が、記念祭の時期にわざわざ来るってことは、厄介事の気配がする! すごいする!」


てか厄介事以外あり得ないって気がしてきた。あぁぁ、絶対そーだ。間違いない!


ぐっ、と拳を握る。


で、あたしの結論。


「逃げなくては! 切実にっ!」


あたしは面倒がってるんじゃない!

師匠のトラブルは難易度が高すぎるんだもん!



決意新たなあたしから抜け出して、千歳がにっこり笑って言った。


「ハルさんに聴かれてるよ」


……はっ!


多分今、後ろ振り返った速度で世界記録を出した。


「……ぬ、いない。しかし油断大敵。……そこかっ!」

すぱっ、とまた振り返る。


でも、そこにいるのは笑顔な千歳だけで。


「……く、どこだ。何故隠れている。……隠れ、て、る?」


……あれ?

なんで師匠が隠れてるの?


普通ならあたしが気付く前に、30メートル紐無しバンジーとか決めてくるのに。


違和感、辺りを見回す。人気のない通路。目の前には千歳。


「……あ」


千歳がすごい楽しそうな笑顔なんだけどっ。


「……ちーとーせえぇぇえぇ、騙したなぁ!」


「あははっ、だってあおちゃん、すごいおもしろいんだもにゃああぁぁあぁっ!?」


「お仕置きだっ! うりゃうりゃうりゃっ!」


「ふみゃぅ。ぅにゃっ! にゃうっ! むぅ、仕返しっ」


「うりゃうりゃ……ひゃぅ! ぬ、ちょやめっ、ちと、きゃーーっ!」


もまれた(泣き)。


「てあー」


「ふゃーっ! ちとせ、そんなとこはっ、にゅあうっ!」




「…………何じゃれてんの」


「はっ」


「あぅ」


ここ外じゃん!

部屋にいるときみたいなノリでけんかしちゃったっ!


「……お恥ずかしいところをお見せしまして」


止めて下さった夕護ゆうごくん様々に、2人そろってお辞儀。


「ふたりとも、見つけたのが俺で良かったね。けど男に見せるものじゃないよ、ちょっと刺激的過ぎるかな」


「はーい……」


「反省する」


「うん。気を付けること」


そう言って立ち去る夕護くん。


我らが頼れる大賢者、夕護くんに怒られてしまった……。次の授業、大人しく受けよう。



……あ、実技Ⅱじゃん、次。

訂正、千歳と組み手だ!やらいでかっ!

Q.何をもまれたのか。


①胸(壁じゃないってばby蒼たん)

②お尻

③ほっぺた






A.④ふくらはぎ

……ぇろてぃっくですよね? 黒ニーハイ×まっさーじ。


ああっ、冷たい目で見ないで! 帰らないで!

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