カフェ。
「というよりね、なんであの授業取ったの? 超心理学概論Ⅰなんてあおちゃん全部知ってるじゃん」
ところ変わって「ベルソー」、ここが学園地区内で女の子に人気No.1のお洒落なカフェ。
公園地区の緑を一望できるテラスに座って、千歳はあたし奢りのシフォンケーキとダージリンティーを、あたしは蜂蜜たっぷりホットケーキにオレンジフロートを食べている。
「全部は言い過ぎ。大体は知ってるけど、あたしは結構独学だし。もっと詳しい人いっぱいいるでしょ、香坂先輩とか」
「香坂先輩は比べちゃだめだって……」
それに、ここのホットケーキは絶品なんだ。あたし的には学園地区最高だと思ってる!
「それで復習のつもりで取ってみたんだって。そしたらあまりにも基礎過ぎてつまんない」
「……」
「もーすこし難しいことやると思ってたのに、“第一周期”の超能力認知運動がずっとだったんだもん。“世界革命”は歴史科じゃない!」
「……あたまいーあおちゃんにはお仕置きです」
ひょいぱく。
「あ……」
ホットケーキについてくるさくらんぼをかすめとり、笑顔の千歳。
ぼーぜんとするあたし。
さくらんぼは最後に食べるのに!
とっておきなのに!!
「……くらえ」
千歳の顔の前で軽く手を振る。
「ふあっ!?」
驚いて固まった千歳の前のお皿から、シフォンケーキをざっくり頂戴する。
「……ん、シフォンも美味しい」
「……あっ! あたしのシフォン!」
今度は千歳がぼーぜんとする番。
「むぅうぅぅ」
「ぬぅー」
そのままテーブル越しににらみ合う。
「何にらめっこしてんだ、お前ら」
と、おにゃのこ向けお洒落カフェに似合わない、低い男の声がした。
設定が出て来ないのは仕様のハズっ。
そーだと良いな……(遠い目)。