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如月の神

「全く、結局はあいつの消し方がわからなかった…」


昨日召喚した睦月。

召喚したはいいがどうやって召喚解除するのかわからず、未だに本殿にいます。因みに床で睡眠中。

神様は神社の敷地から出られないんだと。


現人神で良かった~!


いつも通り中学校へ行く。


家からは近くて通い易い。


例大祭には毎年沢山の同級生が来ます。


あんまり神事やってるの見られたくないんだけどな…。


「誠!巫女になってどうよ?」


そう聞いてきたのは神保じんぼう すすむ。クラスメートの一人。


「あ?巫女?」


「昨日言ってたじゃん!俺は今日から巫女だ!って」


「あ…あ~!巫女じゃねぇよ!」


「じゃあ何だ?いたこ?」


「それも違う…。現人神だ!」


「なんだそりゃ?」


「人間なんだけど神なんだよ」


「分からん…。じゃあ俺の願いを叶えてくれよ!」


「いや、そんなことできん!頼みなら聞いてやろう!」


「美少女とお友達になりたい!」


「…。あっ!うちにお賽銭持ってくれば叶うかもよ?千円以上入れるとより効果が増すよ!」


「相談した相手が悪かったか…」


「いや、相談した内容だろ」




学校が終わり家に帰る。


誠はすぐに本殿へ。

「誠!暇だったぞ!なんで誠の家は神社の隣なんだ!敷地内にしろ!」


文句をいう睦月。


「いや、勝手に家入られても困る…」


「つまんないの…」


「それより睦月、帰ったら?」


「自分で召喚しといてそれはないよ!私だって戻り方は知らないよ!召喚に関しては私の意思ではどうにもならないから…」


「もう一人呼んでみよう!」


「は?誰?」


「2月の神様」


「お~!きっちゃん!」


「あ?友達?」


「そりゃこんだけ永く一緒に暮らしてればそりゃ十二人全員仲良いよ!」


「睦月って今何歳?」


「忘れた。この神社と同い年。ってか乙女に齢聞く!?」


「同い年か~」


「うん。300年位前かな?」


「へ~…」


「興味無いなら聞くな!」




「2月の神様~!来てくださいな」


「軽っ!」


すると…。

現れたのはまた少女。

しかし絵那ほど幼くない。

誠と同じくらいだろうか。


「こんにちは。誠さんですね」


神様に敬語で話されてる…。


「私は如月の神。如月きさらぎ 夏穂なつほです。召喚、ありがとうございます」


「きっちゃん!」


「あら?絵那ちゃん?何でここにいるの?」


「いや~実はこのアホな現人神がさ~。召喚したはいいけど戻せないとか言ってやがるんだよ~」


「それ…マズくないですか…?」


「ヤバいの?」


「何も説明されてないんですか?」


「何も…聞いてませんよ?」


相手が敬語で話すのでつい敬語になってしまう。


「はあ…。いいですか?神様は全て何かを司っているんです。私は如月、あなたはこの神社といった具合です。しかし、その司っているもの(神)が消えたらどうなるか…」


「どうなるの?」


「…わかりません」


「え?そこ重要!」


「ただ、非常にマズいことが起きるのは確かです」


「まあ、神様なんて簡単には消えないし…」


「召喚された神様が実体を保てるのは私たち程度の力しかないと持って3日です」


さらに話を続ける如月の神さん。


「…明日までに何とかしないと絵那は実体を失い無力な神となりましょう。そうなってしまっては1月に人間が御利益を受けることはなくなります。

つまり、初詣に人が来なくなりあなたの収入が絶えるでしょう」


「嘘だろ…?絵那が消えるなんて…」


「誠…。私を一番に考えてくれるなんて!」


「収入が…!暦を司っているうちの神社のプライドが!」


「私を一番に考えなさいよ!」


「よし!三人寄れば文殊の知恵だ!もう一人呼ぼう!」


「あんた含めれば3人いるよ?」


「4人いれば文殊を超える!」


「意見がまとまらないで終わるんじゃ…?」


「というか如月さん!さっきの話は本当?どこ情報?」


「ゴッドウェブという人間でいうインターネットみたいなものがあるんですが、そこの掲示板の書き込みです」


「…信憑性は?」


「さあ…。ただ、気になるのはその書き込みのすぐ下に『↑誰が信じるんだよww』と書いてありました」


「…。そんな書き込み信じるなよ!焦った~」


「神に頼りすぎなんですよ。現代人は」


「…そんなこともないよ…?」


「どこがですか!2月とかもう忙しすぎますよ!猫の手…じゃなかった、前足借りたいくらいですよ」


「まあ、受験シーズンだからね…。あと手で合ってる」


「その癖受からなかったら『あの神は御利益がねぇ!』とか言われるんですよ!無いのは御利益か知恵かって話ですよね」


「…多分努力が足りなかったのかと…。神社に文句言ってくるやつなんてのは大抵…」


「まあ、なんでも良いですわ。とにかく、早く私たちを戻してください」


「そうよ!誠!戻してよ!」


「どうすりゃいいんだ…」


「全く、現人神のくせして…情けないですね」


「神様のくせして自分の力じゃどうにもならないなんて…ねぇ」


「う、うるさい!そうだ!あんたの父親に聞けばいいんじゃないの!」


「…!そうだね!」


「そうですわ。ま、私はもっと前に気付いていましたが…」


「…。豆ぶつけて退治するよ?」


「私は鬼ではありません。そんなもので退治されるほど…」


「納豆で弾幕を展開してやる!」


「ちょ、私が思ってた豆と違ってました!」


「大豆だよ?」


「いや、豆の種類じゃなくてです!」


「いいから聞いてきなさい!誠!早く!」


「何でそんな戻りたいの?」


「暇なんだもん」


「適当な理由…」


「いいから!行く!それ!」


こうして俺は一度家に帰った。


家にいるときは奴らがいなくていいや。静かで…。


まぁ、隣なんだけど。。。


「ただいま~」


父親はリビングでテレビを見ていた。


「父ちゃん!召喚した神ってどう引っ込めんの?」


「あ?お前、もう神召喚したのか!?」


「うん」


「俺は3年かかったというのに…」


「嘘!?何かすぐ出てきたよ!」


「あれは…。出すのは楽だけど引っ込めるのは大変でな…。科学的なやり方と神的なやり方があってだな…」


「科学的!?いやいやいや!科学と正反対のもだよ!?科学はダメだろ~…」


「そうか…?じゃあ神的なやり方を教えてやろう…。一週間あいつらと一緒に常に生活するのだ!」


「はぁ!?常に神社にいろと!?冗談じゃねぇ!」


「他に方法は無いな…」


「分かったよ…!」


俺は家を出た。


「科学的な方法の方が楽なんだけどな…。豆ぶつけるだけだから…」

父がそう言った時にはすでに手遅れだった。



暦通信~えくすとら・すて~じ~


如月 夏穂

キサラギ ナツホ


身長は高めよりも低め。

丁寧口調。敬語。

たまに結構キツいことを言ったりする。

睦月と一番仲が良い。

割と物知りかも知れない。

如月(2月)の神なのに名前が「夏穂」。



如月の言われ~

「如月」は「木更着」とも書く。寒いこの時期は洋服を他の月より重ね着するので、「絹更に着月」と呼ばれていた。

それが短くなって、漢字も付けて「如月」。



き:「絹更に着月」ってなんて読むんですか?


ま:「きぬさらにきつき」。洋服をさらに着る月ってこと。


き:一つ気になったのですが…。


ま:何?


き:普通「十二神」と言ったら暦じゃなくて干支ですよね?


ま:…。


き:どうして暦何でしょう?


ま:また次回お会いしましょう!では!


き:無理やり終わらせましたね!?


ま:あんまり作者を困らせちゃダメ!

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