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天罰

「アダムとイヴの密約!」


「ぐわっ!何!?」


「電気を流してショックを与えて見ました」


笑顔の卯月。


「…死んじゃう」


「大丈夫ですよ!アンペアは低めですから!ボルトはかなり高いですが」


それって大丈夫なのか…?


「アンペア高いとダメですが、ボルト高くても死にませんよ。ご主人様の目も覚めて一石二鳥です!」


どうも二羽目の鳥がみつからない…。


俺が起きる以外に良いことあった?


「そう言えば、いつの間にさっちゃん呼んだんですか?」


卯月が聞いた。


「さっちゃん…?誰?」


知らない。


「え?あれ?居間にいますよ?」


驚く卯月。


「居間にいます…ダジャレ?」


ちょっと気になった。


「違います!ご主人様が呼んでないってどういうことでしょう…」



居間。


「あ~マッコウ!さっちゃん呼んだんだ!」


弥生も卯月と同じことを言った。


居間には確かに知らない人がいる。

白髪のショートヘア。

つり目気味の少女。

気が強そう。


「…誰?」


聞いてみた。


「誰?じゃないわよ!召喚されたと思ったらみんな寝てるじゃないの!全く…!」


何か怒ってる様子。

質問も無視された…。


「呼んだっけ?」


本当に記憶に無い。


「呼んだからここにいるんじゃない!『5月来い~あははは!』って言ったじゃないあんた!」


「…何時くらい?」


「4時!」


わかった…。

寝言だ…。


「あ…。その時間確実に寝てた…。多分寝言だ…」


「寝言で呼ばないで!私、仕方なくあんたの布団の中で寝たんだからね!」


俺の方を指差したさっちゃん。


「俺の布団ねぇ…。止めてくれ…」


「ちょっと!レディが同じ布団に寝てたのよ!少しはドキドキしないわけ!?」


「別に…」


「誠は琴ちゃんが好きだから~」


睦月が言った。


「そういうことね…」


納得した様子のさっちゃん。


「いや違うし!というかさっちゃんの本名は?」


何となく女の子をニックネームで呼びにくい。


「私の本名?どうしてもって言うなら教えてあげてもいいわよ!」


「山城…皐月…?」


そう言えば前に聞いたな…。

確認してみた!


「何で知ってるのよ!?山城やましろ 皐月さつきよ!」


何故繰り返した…?




「ご主人様!朝ご飯です!」


卯月が朝食を持ってきた。


「サンキュー!」


朝飯食べて学校へゴー!



学校で神保進と話す。


「テレビ見た!お前出てたな!」


テレビ?


「ほらっ!インタビュー!泥棒捕まえたってやつ!」


あれ放送されたのか…。


「いいよ…。見なくて…」


「お前映ってたな~!」


「そりゃ俺を映しに来たんだからな…」



帰宅。


いつものように歩いて帰宅。



遠くに神社が見える。


神社まで一直線の道。


誰かが参拝しているのが見える。


参道では睦月たちがバドミントンをやっている。


参拝の邪魔だろ…。



神社まで後少し。


参拝客の姿がはっきりと見えた。


「あっ…!片桐…!?」


俺は走り出した。


ただ前だけを見てひたすらに。


普段車など通らない神社の前の道。


俺はよく確認せずに道に飛び出した。


ただ片桐にちょっとだけ会いたかった。


「ご主人様!危ないです!」


卯月が叫ぶ。


横からはトラックが迫っていた。


気付いた時にはもう対処出来なかった。


「エキストリーム・ドローニアー!」


神業を放った卯月。

それは、人間である片桐の前で神業を放ったことになる。


卯月の神業のおかげで、俺はトラックにぶつからずに済んだ。


「卯月ありがとう!助かったよ…!」


しかし…。


「琴ちゃん!今…人間の前で…」


震えている弥生。


本殿の前で倒れている片桐。


「おいっ!片桐に何した!?」


焦る俺。


「その子は大丈夫。私が記憶消しただけ…。ただ…琴ちゃんが…」


文月が言った。


卯月は下を向いている。


取り敢えずみんなで本殿の中へ。


片桐は二階に寝かせておく。



御神体の前に人が立っている。


神様たちはその人物を見て震え上がった。


「あの~…本殿の中は一般の方は立ち入り禁止となっております…」


丁寧に声をかけると目の前の老人が答えた。


「ほう…。儂を知らないのか…。ここに罪人がいると聞いて来たのじゃがの…」


やはり参拝客では無いか…。


「失礼ながら人違いですよ。ここには元気でいい娘しかいませんから!」


笑顔で答える。


「ほう…。ここにいるのはわかってるんですよ現人神さん。卯月琴葉を…差し出してくれませんかな?」


やっぱりか…。


「どこの誰か分からない方にうちの卯月を差し出す訳にはいきません」


月野誠営業用スマイル!


「これは失礼。儂は年を司る神。二隅ふたすみ 轟太郎ごうたろう。こいつらの上司じゃ。勿論、現人神さんの上司でもあるがの」


丁寧に自己紹介した轟太郎。


「それで、轟太郎さん。卯月をどうするんですか?」


一番気になるそこ。


「人間の前で神業を放ったのじゃ。それは天界一の重罪じゃ」


「じゃあ、天界追放ですか?」


「いいや」


首を横に振った轟太郎。


「処刑じゃ!人間の前で神業を放った神は処刑し存在を消さなきゃならぬ」


「でもそんなことしては4月の神がいなくなりますよ」


4月を司る神は卯月一人である。


「神など、信仰さえ有れば生まれるもの。すぐに変わりは生まれるわい」


「しかし、卯月は俺を助ける為に神業を放ったのです。処刑は重すぎませんか?」


「神に情状酌量は無い!わかったら卯月を渡して頂けますかな?」


「ご主人様…。申し訳ございません…。私の所為で、こんなことに…」


泣きながら話す卯月。


「卯月、一つ聞く。お前は、これで満足か?」


俺は俯いたまま聞いた。


「え…?」


「今ここで死んでいいのか?」


「…死にたく御座いません…。しかし…」


俺は卯月の言葉を途中で切った。


「それ以上言うな!お前のことだから俺の為なら構わないとか決まり事だから仕方ないとか言うんだろ!俺が聞いたのは生きたいか死にたいかだ…!」


「…生きたいです…」


涙を流しながら卯月は言った。


小さな声だったが、力強さがあった。


「聞いたかおっさん!卯月、まだ生きたいとよ!」


「現人神よ…言葉遣いに気をつけたまえ」


「生憎、生きたい者を殺すのは俺が一番嫌いなことでねぇ!卯月が第二の選択肢を選んだんだ。なら、俺は現人神として手伝うしか無いな!」


「ご主人様!第二の選択肢とは…まさか!お止め下さい!それだけはダメです!」


気付いた卯月。

この現人神は、年の神と戦うつもりなのだ。


「どうせ皆死ぬ。それが早いか遅いかの違いだけさ。ただ、みんな手は出すな!賊は俺一人で十分だ!」


「ほう…。武器も無しに儂に楯突こうと…。今時珍しい人間もいたものだな」


背負っていた薙刀を構える轟太郎。


「武器ならあるぜ!俺にとっては神剣・有害魔剣レーヴァテインをも超える最高の剣がね!」


俺も御神体の前に置いてある水無月の剣と盾を持った。


「んじゃ、さっさと終わらせてやるよ!ボケ老人!」


「こざかしい!お前如き、儂の敵ではないことを教えてやるわ!」


水無月の敵は神業を斬れば斬るほど切れ味が上がる。


その変わり重さも増すが…。


まずは神業を出させることが先決だろう。


「あ~?攻撃して来ないのかボケ老人?やっぱり体力は大事か!」


挑発してみる。


「若造が!古流・千日手!」


薙刀から放たれる無数のカマイタチ。


それを全て剣で切った。


「誠…何であんなに剣使えるんだ?」


疑問に思う睦月。


「雑魚がっ!水無月流・銀河凰鳳ぎんがおうほう!」


高速で振られた剣から放たれる衝撃波。


「ぬおっ!餓鬼がっ!」


薙刀一本でそれを受け止める轟太郎。


「貴様!何故水無月流剣術を使いこなせる!?」


驚いた様子の轟太郎。


「あ~?水無月流剣術?そりゃ水無月の剣だからな」


「小僧!水無月と言うのは、水無月千早か!?」


なんだこいつ…。


「だったら何だ?卯月の処刑を取りやめるか?」


「水無月千早はかつて最強とうたわれた水無月流剣術の唯一の継承者じゃ。今じゃ継承者は一人だけじゃがの…」


「ちっ!昔話はどうでもいい。俺は水無月流の継承者じゃねぇわけだし。もう体力が切れたのか?」


「黙れ!古流・木葉斬撃術!」


木葉型の真空を幾つも飛ばす。

殺傷力が高い。


これも剣で切る。

水無月の剣はかなりの光沢を帯びている。


「留めだ!」


轟太郎の首に剣が刺さる直前、やつは叫んだ。


「待て!」


俺は剣を首もとで止めた。


「素直に今卯月を渡せば、神としての位を3つ上げてやってもよいぞ!な?悪い話じゃなかろう」


裏切れと言い出した。


「神の位3つ…」


「ああ、儂の一つ下じゃ!こんなチャンスめったに無いぞ!」


俺は睦月たちを見た。


「誠!まさか…」


「マッコウ…裏切るわけじゃ…」


心配そうな神様たち。


俺は睦月の前に歩いて行った。


「このおっさんが俺を見込んでくれるんだとよ!悪いな、お前ら!」


「誠…!裏切るのか…!?」


声を詰まらせながら睦月が言った。


「元から約束なんてしてねーだろ!それに、昔の書物に書いてあるんだ。『裏切る者は出世する』ってね」


「信じてたのに…最低だ…!」


泣きながら言った睦月だった。


「卯月…。悪いな。俺の為だと思って、処刑されてくれ。大丈夫、痛くないから」


卯月に向かって言った。


卯月は黙って泣いていた。


俺は卯月を連れて轟太郎の前に行った。


「ほれっ!連れてきたぜおっさん!さっさと斬り殺せよ!」


轟太郎の前に卯月を差し出した。


轟太郎が薙刀を振り上げた。


神様たちは目を閉じていた。


薙刀が振り下ろされた瞬間。


「瞬撃・横一閃なぎ倒し!」


誠の声とバキッ!という大きな音がした。


恐る恐る目を開ける神様たち。


「誠!」


最初に声を出したのは睦月だった。


卯月は無事。


ただ…。


「誠…?何した?」


轟太郎がうずくまっていた。


薙刀は綺麗に切られていた。


「裏切る者は出世する。それは確かかもな。ただ、『敵を騙すにはまず味方から』とも言うんだぜ。なかなか良い演技だったぜ、卯月、睦月!」


「あれは敵を油断させるためだったのか~」


「ありがとうございます。ご主人様!」


睦月と卯月が言った。


「演技じゃと…?」


呆気に取られている轟太郎。


「ああ、さっき睦月と卯月にはメモを渡したんだ」


睦月のメモに書かれていたこと。


「 ぉれか〃ぅらき〃るふりをするからσっτ<れ!」



そして卯月のメモに書かれていたこと。


「ぃちと〃ぅ⊃〃きをさUた〃すか〃こЗさせなぃ!UωU〃τ<れ!」


「これを貰ったからな!私は誠を信じた!」


睦月が言った。


「私も、ご主人様を信じました」


卯月も睦月に続いて言った。



浮かない表情の轟太郎。


「何て書いてあるのじゃ?」


「やはり読めないか…。もしこれがあんたの手に渡って作戦がバレたら台無しだからな。暗号化したのよ!」


俺が言った。


さらに続けた。


「睦月の方は『おれがうらぎるふりをするからのってくれ!』、卯月の方は『いちどうづきをさしだすがころさせない!しんじてくれ!』だな。睦月の方は簡単だと思ったんだがな~。ま、ボケ老人からすればギャル文字は立派な暗号だろうな!」


「何故儂を切らなかった…?」


「切るのは薙刀だけで十分だ!」


「バカにしよって!儂のような上等な神に刃向かうとどうなるか、教えてやる!」


再び身構える轟太郎。


「もう武器も無いのに止めとけ!」


「黙れ!神業も使えぬ人間の小僧ごときが!魔道三光妖塵波まどうさんこうようじんは!」


三つの光を飛ばした轟太郎。


俺は盾を構えた。


これ以上剣を重たくしたくなかった。


盾は轟太郎の攻撃を吸収、威力を上げて返した。


「貴様!水無月の盾をも持つのか!?」


「これか?これは便利だぜ!てめぇ程度の技なら跳ね返せるからな!」


「ならば…儂の命をかけた一撃を出す時が来たらしな…。孫子曰わく『帰師はとどむるなかれ』。儂を窮地に追い込んだのが貴様らの敗因だ!」


「帰師はとどむるなかれ」

敵を窮地に追い込んでも敵の逃げ場を塞いではいけない。


つまり、これから全てを捨て、決死の覚悟で挑むという意味。


「処刑・撫で切り!」


俺の周りにナイフが出現。


全てが同時に俺目掛けて飛んでくる。


「ちっ!どうすっかな…」


右側と前方は剣を振り回避する。


もう剣は持てるギリギリの重さ。


左側は盾。


しかし…。


「うぐっ…。てめっ…!」


一本が足に刺さった。


痛みで立てない。


「終わりじゃ!現人神。卯月と仲良くあの世に行くんじゃな!」


ゆっくりとこっちに歩いてきた轟太郎。


手にはナイフ。


ヤバい!殺される!


俺は剣を強く握った。


すると…。


「まだだ…。まだ終わっちゃいねぇよ!」


少し痛みが和らいだ気がした。


立ち上がって剣を構えた。


「ラストだ!ツインブラック・デスバタフライ!」


剣から放たれたのは巨大な二匹の黒い蝶。


猛然と轟太郎に向かい飛んでいく。


「バカな!何故現人神ごときが…神業を…」


轟太郎は倒れていた。


俺はゆっくりと轟太郎に近づき、剣を振り上げた。


そして、素早く振り下ろした。


「殺すな!水無月!」


轟太郎の首に当たる直前で剣は止まった。


これで、決着がついた。



「小僧…何故、儂を殺さなかった…?」


轟太郎が聞いてきた。


「さあね。何でだろうなぁ。殺したらそこで終わり、たからかな」


「また儂が処刑に来るかもしれないぞ?」


「そん時はそん時だ。また追い返してやるよ!」


「ふっ…。面白い現人神じゃ。今回は、見逃してやろう」


卯月は助かった。


「じゃあさ、ついでにもう一つだけ!」


便乗してみる。


「なんじゃ?」


「神の位とかいらないから、神社の前の結界解いてくれない?張ったのあんたでしょ?」


「儂じゃが…何故あの結界を?お前さんには関係ないじゃろ」


「俺はこいつらと一緒に出掛けたいの~!」


前にバドミントンやってて思った。


「ふぅん。まあ、いいじゃろ。儂はそろそろ帰るとするかの。もう疲れたわい。年は取りたくないものじゃなぁ」




轟太郎は天界に帰っていった。


「ふぅ…怖かった…」


ついつい本音が…。


「マッコウ足見せてみ!」


ナイフが刺さった足。

傷はかなり深い。


「マッコウさ、よくこれで歩けたね。痛くないの?」


そんなにか!?


「痛いよ!めっちゃ痛いよ!」


ナイフが刺さったのだ。

そりゃ痛いよ。


「いや、骨まで当たってるし…。普通歩けないよこれ」


「マジで!?早く治してよ!」


「うん。ほらっ!治った!」


傷が消えた。

痛みもない。


「サンキュー!」


「そういえば、さっき何で水無子に命令したの?」


皐月が聞いてきた。


「あの剣持つと水無月が力を貸してくれるような気がしてさ…。最後に俺が放った神業も水無月のだと思う。あいつ、俺を守ってくれるって言ったし…。剣に宿ったんじゃないかな」


そこまで俺が話たら二階から片桐が降りてきた。


忘れてた…。


「ここは…?あれ?誠君!?」


俺を見て驚く片桐。


「片桐…!」


何を話していいかわからない。


気付けば部屋は二人だけに…。


「私、神社にお参りに来て、それで…」


思い出そうとする片桐。


「あ~…。うん。参道に倒れてたんだよ!」


うちの神様が気絶させたとは言えない。


「上にいたコスプレした子はだれ?」


コスプレした子…?

文月か。

あいつはああ見えても面倒見がいいからな。


「あれは文月。神社の巫女だよ」


またしても巫女設定。


「どういう関係?」


「無関係!」


「そっか。じゃあ、私、遅くなる前に帰るね」


玄関どっち?と聞く片桐。


「あのさ…片桐…。今、どこに住んでるの?」


「知りたい?神社のすぐそば!」


「もしかして…!」


「うん!ただいま!誠君!」


前に住んでた所に戻ってきたらしい。



昔好きだった娘は、今も何処も変わってはいなかった。



片桐が帰った後の居間。


「ご主人様…あの…ごめんなさい!」


卯月が誤ってきた。


「いいよ。卯月があそこで助けてくれなきゃ、俺は死んでたかも知れないわけだし。お互い命助けたんだ。貸し借り無しだ!」


「はいっ!これから夕飯作りますね!今日は宴です!」


笑顔で台所へ向かう卯月。


「宴だ!十二神の宴だ!」


俺が叫んだ。


「おー!誠!かっこ良かったぞ!ま、私の演技あってこそだけどな!」


胸張る睦月。


「ま、そういうことにしときましょうかね!」


「機嫌良いな~誠!」


「そうかい?」


「マコちゃん!やりましたね!琴ちゃんの為ですものね!愛は歴史を変えるんですね~」


如月が笑いながら言った。


「いや、卯月じゃなくても助けたよ!あ、でも弥生とかだったら…」


隣に弥生が立っていた。


「な~に~マッコウ!私ならどうしたって?傷治してあげない方が良かったか?」


「何でもない!」


取り敢えず退散。


「現人神って凄いんだね!わ、私だって…あんたになら…守られても…いいかな…」


ちょっと顔を赤くして皐月が言った。


「何言ってんだ?大丈夫か?」


「う、うるさい!わ、私は、琴ちゃんみたいにあんたを助けたりはしないんだからね!」


「はいはい…!」


文月に片桐を看てくれたお礼を言わないと…。


「文月~。片桐看てくれてありがとね!」


「あんた、あの轟太郎様を撃退したんだって?」


文月が聞いた。


「うん。今回は見逃してくれるってさ!」


「現人神の分際で…。私らだって怖いのよ?人間風情がよくぞまぁ…」


「まあいいじゃん!誰も死なずに済んだんだしな!」


「…そうね!」



次は葉月と話す。


「……流石私の…作戦…」


ギャル文字を使ったのは葉月のアイデア。

あの場でよく思いついたものだ。


「他に作戦あった?」


今後の為に聞いてみた。


「……足音でモールス信号…奏でる…」


「ごめん。俺がモールス信号知らないわ…」


「……だと思った…。……だから…言わなかった…」


そこまで考えてのギャル文字だったのだ。


「何で葉月、ギャル文字なんて知ってるの?」


「……ゴッドウェブ…」


「なるほど…」



「お兄ちゃん!勝った!勝った!」


長月が飛び付いて来た。


「あたし、あのおじちゃん嫌いだったの!」


嫌ってたんだ…。


「何で?」


「あたしに早く寝ろ!ってうるさいんだもん!」


そんな理由だったのか…。


「うんうん!あたいも嬉しいねぇ!」


神無月が突然言った。


「上司が倒れたことが…?」


「あたいはそんなに性格悪くない!琴ちゃんの処刑が取り消されたこと!また美味い飯が食える!」


「飯目当てかいっ!」


多分照れ隠しで言ったのだろう。


あやつは素直じゃないからな。



「私、そのうち年を司りたいな~」


霜月が言った。


「まあ、あの轟太郎って爺さん、性格は霜月に似てたかもね」


俺は霜月をおちょくった。


「失礼ね!あんなに年取ってないわよ!」


「性格!年齢じゃなくて!」


「私はもっと良い性格してるわよ」


「それは無いな!」


「失礼ねっ!」



最後は師走。


「私は最初からあなたが勝つと信じてましたわ!」


師走が言った。


「そうかい。それはありがたいね~」


適当に流す。


「なんだかバカにされてる気分ですの!」


「そう?じゃあその気分は大正解だな!」


「失礼な現人神ですの!」




「運ぶの手伝ってください~!」


卯月が言った。


自分じゃ運びきれない量の料理と酒。


「私も…今日は少しだけ…呑みますよ!」


卯月が酒を呑むらしい。


でも今日は反対する者はいなかった。


「いざ!十二神の宴だ!乾杯!」


「「「乾杯!!!」」」



「琴ちゃん!酒の力に任せて言っちゃいなよ!」


弥生が卯月に話しかけている。


「そうですよ琴ちゃん!今がチャンスですよ!これ以上呑むと琴ちゃん裸…」

「あー!言わないでー!」


如月の言葉を途中で遮った卯月。


そして…。


「ご主人様!好きです!」


そう叫んで二階に走って行った卯月。


「お?お?え…?」


戸惑う俺。


「良かったね。琴ちゃんと両想いじゃん!」


神無月が言った。


「ちょっ!あれはお酒の所為で…」


「誠~!素直に喜べよ!」


睦月にまで言われてしまった。




十二人の神様たちが集う宴は夜中まで続いた。

暦通信~えくすとら・すて~じ~



山城 皐月

ヤマシロ サツキ


つり目。

ツンデレの失敗作みたいな性格。

5月を司る神。

月が変わりやっとこさ登場した神様。

副業として、航海の安全を司るが、海が無いこの街では無意味。




二隅 轟太郎

フタスミ ゴウタロウ


月野神社の親玉。

年を司る。

誠やその他神様たちの上司に当たる。

誠には召喚できない。

薙刀の達人。

白髭が長い老人。




皐月の言われ~


もともとは「早月」とも書いた。

田植えで、早苗を植える月だったので「早苗月」と言われていたが、それが略されて皐月になった。




さ:私の本編の出番少なくない?


ま:気のせい。気のせい。


さ:全く!何で5月から物語始まるのよ!


ま:さぁ…。


さ:私も出番もっと欲しかったな~…。


ま:仕方ないさ!運が悪かったね!


さ:主役に私の気持ちがわかってたまるかっ…!

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