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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん


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7/12

封印された左手が疼くのだ!

「遅い! まだ帰って来ないのか!?」


俺は苛立っていた。

昼ごはんを用意するはずの村長が、夕方になっても戻ってこない。


台所に吊るしてあった猪を丸ごと一匹使った干し肉を削りながら、

どんな罰を与えるかを考えていた。


この世界では、死刑すらすぐ生き返るせいで罰にならない。

二度と舐めた真似をさせないためには、地味で、確実に嫌な罰が必要だ。


その時。


ドタドタドタッ、と廊下を震わせる足音。


「ただいまですぞーっ!」


村長が飛び込んできた。


「帰りが遅くなって申し訳ない……!

少々、うっかり死んでしまいましてな……!」


息を切らしながら、見事なスライディング土下座。


「……」


「……」


俺はゆっくりと干し肉を噛みしめ、飲み込み、

十分な間を置いてから口を開いた。


「俺の昼メシはな。

お前の命より尊い」


「ひぃっ!」


「勝手に死ぬな。

死んでも昼メシは用意しろ」


そう告げると、村長は滝のように涙を流し、

なぜかこの世の幸福をすべて手に入れたかのような顔をしながら近づいてきた。


「架様……!

そこまでお気遣いいただけるとは……感無量……!

この命、どこまでもお仕えいたします……!」


「気持ち悪いからこっちに来るな!」


あまりの気持ち悪さに反射的に蹴り飛ばす。


「ぐはっ!」


吹き飛ばされた村長は床を転がりながらも、

なぜかキラキラした目でこちらを見つめてきた。


……何なんだ。

洗脳しておいて言うのもなんだが、どういう感性してるんだ。


そのとき、外からざわざわとした気配が伝わってきた。

人の数が……多い。


「おっと、そうでしたな。

架様のハーレム最終選考の件でして」


ハーレムか、そう言えば村長はそのために出かけていたんだったな。


村長が立ち上がり、指を鳴らす。


「では、入ってくるがよい!」


台所の入口が開く。


ザワザワッ――。


ん?


屋敷の外から、

明らかに一人や二人ではない人の気配が流れ込んでくる。

足音、ざわめき、抑えきれない熱気。


どこか様子がおかしい。

背筋に、嫌なものが走った。


「二次選考では、

長命種――エルフの娘や、獣人の若い娘もおりましたが」


一瞬、昨日見た可愛い子達を思い出し希望がよぎる。


「最終的にふるいにかけた結果、

やはり――“実績”を重視するべきだと判断いたしました」


その希望は儚く散った。


扉が開く。


ずらりと並ぶ――四十代、五十代の女性たち。


全員、左手に真っ赤な包帯。


「……エルフは?」


「お若すぎましたな」


「……」


空気が、重い。


何を言ってるんだ、こいつは。


「ファンタジー世界に来てまで熟女ハーレムとか聞いてねぇ!」


大量のバリエーションがある

なろう小説でも見たことないわ!


列の中から、

一人の女性が、震える声で一歩前に出た。


「……お嫁になれれば、ご飯を。

お腹いっぱい食べさせてくれると聞きましたが……

ワタシじゃ、ダメでしょうか……?」


胸の奥が、ざわつく。


別の女性が一歩、また一歩と前に出る。


「……ご飯のためなら」


低く、必死な声。


「力づくでも……

お嫁さんにならせてもらいます……」


その言葉が、火種だった。


次の瞬間――


「「「それならワタシも!!」」」


背後からも、外からも、同じ叫び声が重なった。

どうやら屋敷の外にも、同じ目的の人間が大勢集まっているらしい。


「ちょっ!?

どんだけ飯に飢えてるんだ、この村!!」


前に出た女が、不敵な笑みを浮かべ、

左手の包帯に指をかけた。


「ふふ……

お嫁さんになるのは、ワタシよ……」


「今こそ……

左手に眠る力を解き放つ時……!」


「待つのじゃ!

それだけは使ってはならぬ!!」


村長の叫びは、間に合わなかった。


包帯がほどける。


そこには――

見覚えのある、まがまがしいオーラを放つ左手。


俺は地面に落ちた包帯を鑑定した。


【チート封印の包帯】

製作者:村長(大勇者)


……。


「……村長」


「はい?」


「お前、本当に何でも作れるんだな」


「村を守るのが仕事でしたので」


万能すぎるだろ。


周囲を見ると、

他の熟女たちも、次々と包帯に手をかけ始めていた。


――まずい。


俺は、静かに剣を握った。


……この村、カオスすぎるだろ!

どう考えても「はじめての村」じゃない。

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