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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第四章 女神激戦

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大魔帝ハーレムVS村長一家

「どいつもこいつも……ふざけやがって!!」


怒声が、空気を裂いた。


さっき地の果てまで吹き飛ばされたはずの大魔帝ハーレムが、何の前触れもなく空中に現れ、顔を真っ赤にして叫んでいた。


「我が究極のチートが、この程度で負けるわけがないのだ! まとめて地獄に叩き落としてやる!!」


「わっ!? 急に現れたピョン!?」


シロが耳を跳ね上げる。


「あの感じじゃと、瞬間移動で戻ってきたんじゃな」


村長は刀を肩に担いだまま、妙にのんびりと言った。


「うわっ、本当に【なんでもあり】だね」


アシヲが顔をしかめる。


理不尽の塊みたいな敵を前にしているのに、村長一家の空気だけは妙に落ち着いていた。


それが気に障ったのか、大魔帝ハーレムの額に青筋が浮かぶ。


「笑っていられるのも今のうちだ!」


両腕を広げ、甲板を見下ろす。


「ハーレム召喚!!」


その声に応じるように、空中にいくつもの光の穴が開いた。


そこから、四天王と魔人娘達が次々に姿を現す。


「あっ、ハーレム様だポン!」


「「「おかえりなさ〜い!」」」


ハーレムのハーレム達は、まるで少し席を外していた主人を迎えるみたいに、妙にのん気な声を上げた。


「のんびりするな!!」


大魔帝ハーレムが怒鳴る。


「ヤツらを叩きのめせ!!」


「「「は〜い!」」」


返事だけは素直だった。


次の瞬間、四天王と魔人娘達が一斉にこちらへ襲いかかってくる。


「さて」


村長が、ふっと笑う。


「真面目に戦うかのう。アシヲ! シロ! 一緒に行くのじゃ!」


「了解!」


「ピョン!」


三人は同時に地を蹴った。


次の瞬間には、もう空中だった。


まっすぐ飛び込む村長。

その後ろを追うアシヲとシロ。


襲い来る魔人娘達の群れに、真正面から突っ込んでいく。


「【優しい動物園】! チュー太郎! 皆! オイラを守ってくれ!」


アシヲが叫ぶと、周囲に小さな生き物達が次々と現れた。


「「チュー!」」


「「ブンブン!」」


「「カサカサ!」」


「「ゲコゲコ!」」


ネズミ、蜂、虫、カエル――。


まるで動物園をひっくり返したみたいな面子だが、今はそれが頼もしい。


召喚された動物達はアシヲの周囲を一斉に飛び回り、肉の盾のように彼を守る。


「さぁ、ワニザメさん達!」


シロが海へ向かって大きく手を振る。


「ボクの仲間と君達の仲間、どっちが多いか数えるから並んでピョン〜!」


その言葉に応じるように、海面がぼこぼこと盛り上がった。


ワニザメ達が次々と跳ね上がり、空中に一列に並んでいく。


まるでサメでできた足場――サメロードだ。


その上を、アシヲとシロが駆け抜ける。


「ロケットアニマル! ロケットアニマル!」


アシヲは両手にチュー太郎達を掴むと、次々に四天王達へ投げつけた。


「チューーーッ!!」


ネズミ達が悲鳴のような声を上げながら飛んでいく。


次の瞬間。


ドガガガーーン!!


空中で爆発。


以前、高橋が【ピッチャー返し】でチュー太郎を爆破したのを見て思いついたのか、完全に使い方が変わっていた。


「ビーマシンガン!」


今度は大量の蜂が、一直線に飛び出した。


ブブブブブブブブゥーーン!!


弾丸みたいな速度で飛ぶ蜂の群れが、敵陣へ突っ込み、次々に針を突き刺していく。


「アウチッ! アウチッ!」


リーペが尻尾を逆立てる。


「う〜っ! ニャにをこれしき! キルビースプレーにゃ!」


空中に巨大な殺虫スプレーを創り出し、得意げに構える。


その瞬間だった。


「アーッ! ハーレム様が蜂に襲われて死にそうになってるピョン!?」


シロが、いかにも大変そうな声で叫んだ。


「オゥー! ハーレム様レスキューナウにゃ〜!」


リーペは一瞬でそっちを向き、殺虫スプレーを全開噴射した。


ブシャアアアアッ!!


「うわぁっ!? ゲホゲホゲホ!!」


殺虫剤まみれになったのは、大魔帝ハーレム本人だった。


「リーペ!! 何をする!? 敵はあっちだ!!」


顔を押さえて空中でもがく大魔帝ハーレム。

黒い翼がばたばたと情けなく暴れる。


「嘘だっピョ〜ン」


シロが舌を出した。


「ジーザス! ダマしたにゃ〜!?」


リーペが飛び跳ねる。


その一瞬の隙を、村長は見逃さなかった。


「隙ありじゃ!!」


低く踏み込み、後ろへ回り込む。


「うにゃ〜〜!!」


ドバーーンッ!!


村長の刀の峰が、見事にリーペの背中を叩きつけた。


リーペはそのまま海へ真っ逆さまに落ちていく。


「うおおぉぉ!!」


アシヲがサメロードを駆け抜ける。


視線の先にはミミ。


「来ないで! 虫は嫌いですわっ!」


ミミが後ずさる。


だがその目には、まだ余裕があった。


「でも、好き嫌いはいけませんわっ! 【なんでも食べちゃうわっ】」


大きく口を開く。


その瞬間。


「ミミちゃん! 後ろから攻撃が来ますわ!」


シロが大声で叫んだ。


「ミミ! ダマされるな! また嘘だ!」


大魔帝ハーレムが慌てて怒鳴る。


「了解ですわっ!」


ミミはきっぱり前を向いたまま答える。


「本当だっピョ〜ン! なのじゃ!」


今度はシロと村長の声が重なった。


「キャァア〜〜!?」


ミミが思わず振り向いた、その瞬間。


ドバーーンッ!!


村長の一撃が背中に決まった。


「わっ……!?」


ミミは何が起きたのか分からない顔のまま、そのまま海へ落ちていく。


シロが胸を張った。


「ボクは嘘つかないピョン?」


「シロ! ナイス!」


アシヲが満面の笑みを浮かべる。


「流石はワシの娘じゃ!」


村長も珍しく素直に褒めた。


シロは耳をぴこぴこ揺らしながら、村長とアシヲにハイタッチした。

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