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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第四章 女神激戦

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龍の丸干しパーティー

「では皆さん!今回の航海の成功を祈りまして――カンパーイ!」


「「「カンパ~~イ!!」」」


空母の甲板では、大宴会が開かれていた。


中央には、三十メートルの海神龍の丸干し。


国民達がその巨大な干し肉に群がり、次々と引きちぎってはむさぼりついている。


「な~んかこの龍見るとイライラするのよね~!えい!えい!」


ドゴンッ!ドゴンッ!


エーコが龍の胴体を蹴ると、反対側に張り付いていたおっさん勇者達がまとめて吹っ飛んだ。


「うわぁっ!!」


「姉御!ヒドイっすよ~!Lv高いんですから気をつけてくださいよ~!」


涙目で抗議するおっさん達。


「ベリベリデリシャスにゃ~!」


「油が甘くて最高ですわっ!ミミのチートで全部食べてしまいたいくらいです!」


「それはズルいポン!味わって食べるポン!」


クルゥリーは――


黙々と食べていた。


クールな印象だったが、完全に夢中である。


意外だな。


俺はそんな事を考えながら龍の干し肉を一口かじった。


次の瞬間。


「うめえぇぇぇぇぇ!!」


思わず叫ぶ。


「なんだこれ!?干し肉なのに肉汁が出てくるぞ!?」


噛むほどに肉が締まり、脂が甘く広がる。


塩味が絶妙で、手が止まらない。


高級ステーキとは違う。


もっと野生的で、もっと旨い。


「いやぁ~おいしいなぁ!止まらない!」


「はいっ!アシヲぴょん!

どんどん食べるピョン!」


シロが肉を引きちぎり、佐藤A(アシヲ)に渡す。


佐藤Aはそれを恐ろしい速度で口へ放り込んでいた。


完全にチートスキル【無限胃袋】発動中である。


「おい佐藤A!こんな時だけチート使うな!この穀潰し!」


「ごめん!この肉うますぎて止まらない!」


モグモグモグモグ。


戦闘では微妙な佐藤Aだが、最近は厚生農林経済大臣として激務をこなしている。


……まあ今回は許してやるか。


「美味ですね。自分はA5ランクのステーキも食べたことがありますが、また違う美味しさですな」


田中が満足そうに言った。


「カケル殿はどうです?A5とどちらが美味ですかな?」


「A5なんて食ったこと……」


そこで俺は止まった。


……あれ?


肉を食べた記憶。


A5ステーキ。


いや、それ以前に――


転生前の記憶。


俺の名前は本当にカケル?


何も思い出せない。


おかしい。


だが。


海神龍が言っていた名前。


「オトタチバナ」


あの言葉だけは、どこかで聞いた覚えがある。


だが思い出せない。


転生で記憶を失ったのか?


でも、おっさん勇者達は普通に覚えているようだ。


頭がモヤモヤする。


その時。


「兄ちゃん、この近くに剣が沈んでるんだよな?」


佐藤Bが肉を噛みながら言った。


「ん?そうだけど?」


「田中。この辺ってスルガ大陸じゃなかったか?」


田中が首を傾げる。


「……確かにそうですね。自分は昔、天空の塔を探索するために来たことがあります。この辺りに大陸があったはずですが」


大陸。


そういえば。


この世界に来たばかりの頃。


あのクソ女神が怒って、


雲の下の大陸を沈めた。


……あれか?


「兄ちゃん!」


佐藤Bが急に叫んだ。


「うげっ!?あれは……!」


二人が空を見上げて固まっている。


「どうした?」


「兄ちゃん!あれを見ろ!」


俺も空を見上げた。


そして――


息を呑んだ。


雲の上から、


半壊した巨大な塔が


海へ向かって突き刺さるように伸びていた。


今にも崩れ落ちそうな、


天空の塔だった。

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