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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第四章 女神激戦

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預言者クルゥリーの大予言

大海原のただ中。


超大艦隊は、青く穏やかな海をゆったりと進んでいた。


波は静か。

空は高い。

甲板では勇者達が釣りをし、魔物イノシシの燻製が干されている。


平和すぎる。


俺は艦橋であくびをかみ殺した。


その時だった。


クルゥリーが、水晶球を覗いたまま固まった。


「……」


珍しい。


彼女が沈黙するのは。


「どうした?」


彼女はゆっくり顔を上げた。


「近々、恐怖の大魔王が現れ、この王国に襲いかかり世界は終わるでしょう」


「……は?」


思考が止まる。


「えええ!?」

「怖いポン!」

「エマージェンシーにゃ!?」

「この世の終わりですわっ!」


四天王が一斉に騒ぎ出す。


「待て待て。近々っていつだ?」


「分かりません。今、急に水晶が壊れた情報の欠片を受信しました。再度、占術を試みましたが……何も視えません。何かが、妨害しています」


妨害。


クルゥリーの占いを?


嫌な予感が背筋を走る。


俺が問い返そうとした、その瞬間。


ドガァァァンッ!!


衝撃。


空母が大きく傾いた。


「うわっ!?」

「きゃあああ!」


「兄ちゃん!氷山に衝突だ!」


佐藤B達が駆け込んでくる。


「氷山!?ここ温暖海域だぞ!?」


巨大ディスプレイに映るのは、

確かに白い氷塊。


海面から突き出た氷の山。


ありえない。


「水中防御層一層浸水。二層、三層は無事。リーペが修復中です」


クルゥリーが即座に状況を読み上げる。


とりあえず沈まない。


だが。


空が暗くなった。


風が変わる。


雷鳴。


海面が渦を巻く。


そして――


黒い影が浮上した。


「……なんだ、あれは」


巨大ディスプレイに映るのは、三十メートルはあろうかという黒龍。


海を割り、雷を纏い、巨大な翼を広げる。


その声は、雷鳴のように響いた。


「我は海神龍ウラガ!何千年もの間封印されし魔王である!驚くなかれLv99!」


……99?


「我が封印された氷山を砕いた小さき者どもよ!礼として死を――」


ドゴォンッ!!


エーコのソードメイスが、龍の頭を叩き潰した。


龍、甲板に落下。


終了。


「……」


しばし沈黙。


「丸干し作れますわっ!」


エーコが嬉々として龍の上に飛び乗る。


俺はディスプレイを見つめたまま呟く。


「……千年前は強かったんだろうな」


Lv99。


今の世界では雑魚。


時代が違う。


力の基準が違う。


そして。


龍が倒れる直前、確かに言った。


「オトタチバナ……」


誰だ。


どこかで聞いた名だ。


だが思い出せない。


タヌーが手を叩く。


「占いの恐怖の大魔王、これの事だったポンね!」


清々しい顔。


だが。


クルゥリーは笑わない。


「……何か、違います」


「シップにドーン!ドラゴンがガオー!ノープログレムにゃ!」


「占いの条件は一致しておりますわ!」


皆は笑う。


エーコは既に解体作業に入っている。


だが。


クルゥリーは水晶を見つめたまま、呟いた。


「これは……ただのノイズだったようです。すみませんでした。」


その時。


水晶の奥で、ほんの一瞬。


白い光が走った。


世界を包み込む何かが見えた気がした。


気のせいかもしれない。


甲板では、巨大な龍が干され始めている。


空は再び晴れた。


艦隊は進む。


まだ誰も気づいていない。

本当に壊れ始めていたのは、未来だった。

その先に、続きがなかったのだ。

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