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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第三章 王国建国

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ダンジョンを作ろうとしたら詰んでいた

「1階にはLv1、2階にはLv2。階数と同じLvの魔物を配置して、98階まで湖底へ向けて下に掘る予定だ。そして98階の下を、湖ができた時に沈んだ天然ダンジョンへ繋ぐ。天然ダンジョンの1階にはLv99のアメーバがいたらしい。これでLv1からスムーズにLv上げができる」


「「「おおー!あったまいいー!」」」


歓声が水面に反響した。


「カケル王国には、おっさん達以外にも湖に沈んでLv1になった都民(勇者)達が大勢いる。このままじゃ、海のお魚(魔王)にちょっと突かれただけで死にそうだ。初心者ダンジョンがあれば、かなり助かるはずだ」


「ダンジョンのクリエイトは、ミーのミッションかにゃ〜?」


「そうだ。リーペが作った300m級の空母を縦にして湖へ沈めろ。階段や部屋も全部縦向き、内装は岩壁っぽく。船尾に水上から入れる入口を作ってくれ。船首に階段を付けて、湖底の天然ダンジョン入口まで繋げるのも頼む」


「アイアイニャ〜!」


掛け声と同時に、空気が一瞬揺れた。


巨大な影が現れ、縦に回転し、湖へ――

ドバァーン!!


水柱が空を覆い、遅れて衝撃が胸に届いた。

恐るべき仕事の早さだった。


そして、次の話に移る。


「魔物は、復活地点をダンジョン内に運び込めば勝手に湧く仕組みだ」


「「「おおー!あったまいいー!」」」


「あの、少しよろしいですか」


「ん?」


おっさん勇者の田中が手を上げた。参謀役だ。

皆の視線が集まる。


「魔物は復活時はLv1。2階以降に置くにはLv2以上が必要です。どうやってLvを上げるのか? そして、上がった魔物を適切な階へどう移動させるのか。その点をどうお考えで?」


――静止。


「「「あーーーっ!」」」


思わぬ穴だった。


「詰んでしまいましたわっ」


ミミが空母ダンジョンを見上げる。

さっきまでの熱気が、すっと抜けた。


「魔物を追い回して運ぶとかどうだポン?」

「手間がかかり過ぎます」

「魔帝ハーレム様がいれば命令できますけど、無理ですわよねっ」

「せめて魔物を操れる味方がいればなぁ」


「「「アーーッ!!」」」


おっさん達が突然叫んだ。


「佐藤A氏の嫁ならできそうだよな!?」

「先輩!そうですね!」

「シロちゃんが居ればいける!」


急に盛り上がり始めるおっさん達。意味が分からない。

まさか邪神とか言わないよな。魔帝でもう手一杯だぞ。


「シロは兎人バニーマンで、兎の耳と尻尾の人族です。【モンスター詐欺】というチートスキルを持っていて、効果範囲は半径10km。王都にいればダンジョン全体の魔物を操れるはずです」


「兎の耳と尻尾?」


佐藤Aが説明する。先輩相手だと妙に敬語だな。


エーコが黙っている。

珍しく、何か考えている顔だった。


「佐藤A、シロちゃん、アジトのログハウスに置いてきぼりだよな?」

「はい先輩! うちの嫁はたくましいので大丈夫です」

「でも早く迎えに行かないと可哀想だぞ」




それを聞いたエーコが難しい顔をして何かを思い出そうとしていた。


「うさぎ?......アーーッ!!」


エーコが急に外に駆け出した。






湖風が吹く。


「塩が肌に染みて痛いピョ〜ン」


兎耳と尻尾の少女が、空母のアンテナに手足を縛られていた。


「シローーッ!!」


佐藤Aがアンテナをよじ登り、縄を解く。


「エーコ、これは一体どういう事だい?」


「素潜りで採れたワニザメ(デスクロコシャーク)をさばいたら、胃の中から美味しそうな兎さんが出てきたので、塩を塗って丸干しを作ってました〜」


「いや、それ人間だから!」


……人と魔物の区別もつかないのか。

やっぱり一度、ちゃんと教育し直さないとな。

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