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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第三章 王国建国

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無理やり学園パートに突入だ!

「ウェアァーアイワズボーン、意味は、私達は何処の馬の骨ですか?にゃ〜」

「キャッチセールスノーサンキューノーモアー、意味は、我が家はお触り販売お断りします。そう絶対ににゃ〜」


四天王リーペが、タイトスカートのスーツ姿で尻尾をふりふりしながら黒板にカタカナを書いていく。メガネがキラッと光り、いつもより妙に教師っぽい。


――そう、今は2年P組の英語の授業中だ。


沈んだ王都の学園をイメージして、空母の内部に建設した特設校舎。

机も黒板も全部リーペ製だ。


学園といえば、恋ありライバルありの青春ラブコメの聖地。

俺が作らない理由がない。


……それにしてもリーペのやつ、アルファベット一文字も使ってないけど。


まだ教師もカリキュラムもないので、学校はフリースペースとして開放している。

P組には四天王とエーコがいるが、全員机に突っ伏して寝ていた。


入口では制服を貸し出していて、魔物娘も勇者もみんなセーラー服姿。

空母の中なのに、妙に海兵隊ごっこ感がある。


図書室には、魔帝艦隊の隠し部屋から発掘した魔帝の蔵書が並んでいる。

エロ本とラノベが山ほどあったせいで、最近やたら賑わっていた。


「ふむ……転校生あり、と水晶が言っています」


起き上がったクルゥリーがぼそりと呟く。


その直後。


ドンドンッ。


教室のドアがノックされた。


「フーイズヒーなのにゃ〜?」

「ミミですわっ」


リーペがドアを開けると、学園長のミミが廊下に立っていた。

さっきまで教室で弁当食って寝てたよな……瞬間移動か?


やがて戻ってきたミミの後ろには、見覚えのある五人のおっさん。


「今日からP組の生徒になる佐藤A&Bと、鈴木、高橋、田中君ですわっ」


「おう兄ちゃん久しぶりだな!」

「「「エーコ様!お久しぶりです!」」」


――おやじ狩り被害者軍団だ。


「ミミ、おっさん達が同級生とか嫌だからな。廊下でいいだろ」

「わかりましたわっ」

「ちょ、ちょっと兄ちゃん待ってくれ!これには訳があってだな!」


そこで気づいた。


……全員Lv1になってる。


前はLv10万あったはずの佐藤Bまで、完全に初期状態だ。


メイスのオタクがA。

即死灰皿を持ってたサラリーマンがB。

そしてなぜかBがリーダーで、Aは下っ端らしい。


「さっき冒険してたら、焼け落ちた城みたいなのがあったんだよ」


Aが一歩前に出て話し始める。

だが言葉がどこか頼りない。


「盗賊の仕業かと思って、生き残り探してたんだ。そしたらギューウンって音がして……気づいたら死んでてさ、ここで復活してたんだよ」


……あー。


完全に爆撃巻き込みだ。


Aの言葉が途切れる。

その隣で、Bが一歩前に出た。


さっきまで騒がしかった教室が、妙に静まる。


「……私達は、見たんだ」


低い声だった。


「空から何かが降ってきた。火じゃない……もっと重い何かだ。逃げ場なんてなかった」


拳を握りしめる。


「炎は終わらない。時間の感覚が消えて、ただ削られていく」


誰も茶化さない。


「そして見えたんだ……黒い角と翼を生やした影が、炎の向こうに立っていた」


息を呑む音。


「……あれは、戦いじゃない」


Bの声がさらに低く落ちる。


「処刑だった」


 


……やめてくれ。

半分くらい俺の作戦だから。


「きっと魔帝だ!焼けた城跡は罠なんだ!」

Bはそのまま頭を下げた。


「放っておいたら犠牲者が増える!力を貸してくれ!」


いや違う。


勇者を罠にかけてるんじゃない。

魔帝をハメてるだけだ。


でも説明したら絶対気まずくなる。


俺は軽く手を振った。


「じゃあウチらでパパッと倒しておくからさ。おっさん達は学校でゆっくりしてけよ」


「本気か!?」

「「よろしくお願いします!!」」


全員土下座。


……罪悪感が、ちょっとだけ刺さる。


 


俺は四天王とエーコを連れて、

魔帝討伐に行く“ふり”をして――湖水浴場へ遊びに向かった。


 


それにしても。


俺、魔帝より多い勇者を殺してる気がするな。


……まあ、バレなきゃ問題ない。


また、秘密がひとつ増えた気がした。




「……不思議ですね」


クルゥリーが水晶を覗き込み、小さく呟いた。


「占いでは――まだ“魔帝”は諦めていません」

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