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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第二章 魔帝登場

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ハーレム奪っちゃいました

エーコはLv1000億に到達した。


淡い光が彼女の身体を包み込み、湖面に反射する。


――村娘(勇者)から、村娘(超勇者(スーパーヒーロー)へランクアップ。


装備していた勇者の鎧が、音もなく形を変え、より滑らかな銀の装甲へと進化する。

どこか遠く、世界の片隅では、まだ誰の手にも握られていない勇者の剣が共鳴し、超勇者の剣へと変質したらしい。


「やった〜!魔帝を倒しました〜!」


満面の笑みで跳ねるエーコ。


「……ま、まじかよ」


俺は思わずつぶやく。

気づけば、彼女は俺よりはるかに高みに立っていた。


「「「ハーレム様〜!」」」


背後では四天王娘たちが倒れた魔帝に駆け寄り大騒ぎしているが、そんな光景は半分しか頭に入ってこない。


――このままじゃ、俺の立場がない。


よし。

あれをやるか。


 


俺たちは空母の甲板に立ち、ゆっくりと湖の景色を眺めていた。

風が髪を揺らし、遠くで砕ける波の音がかすかに聞こえる。


『ミスターカケル、まもなく目的地にアライブするにゃ〜。オペレーションルームへカムバックにゃ〜』


スピーカーからリーペの陽気な声が響く。


俺はエーコと、元・魔帝四天王の三人を連れて司令室へ向かった。


巨大モニターに映し出されたのは――半分だけ残った魔帝城。


湖誕生の衝撃で東側が丸ごと消え、断崖のような断面がむき出しになっている。

その下では水面が静かに揺れていた。


「……世界の面白い城ランキングとかあったら、絶対入るなこれ」


「東側でスリープしてたタヌーとミミはバーニングだったにゃ〜」

「ハーレム様、右半分だけ焦げてて面白かった」

「ワッチはタヌキの丸焼きになったポンよ?」

「ミミもエルフの丸焼きだったですわっ」


「……丸焼き?」


エーコが妙なところに反応している。

仲間を食べ物扱いするな。


司令室には四天王たちが集まっていた。


金髪ウェーブに猫耳、テンション高めのゴールドキャット・リーペ。

悪魔角と羽を持つ、小麦色の肌のクルゥリー。

語尾にポンを付けるタヌキ耳のタヌー。

そして銀髪ロングの小柄なダークエルフ、ミミ。


――今は全員、俺の側だ。


理由は単純。

戦うのが面倒だったから、洗脳した。


魔帝が倒れたあと、四人同時に相手する未来はさすがに御免だったし、どうせなら……という欲もあった。


それに、艦隊には二百人近い美少女部隊がいたので、ついでにそっちもまとめて支配下に入れてある。




「トマホークミサイル、全弾ファイヤー準備コンプリートにゃ〜!」


「ハーレム様復活まで、あと11分です」


俺たちが艦隊でここへ来た理由は一つ。


魔帝のチートスキル――【経験値1億倍】。


死んでLv1になっても、少し狩ればすぐLv1兆近くまで戻るという、ふざけた能力だ。


もし強化版の洗脳なんて覚えられたら、

俺が“劣化版”に落ちる未来が見えてしまう。


だから。


今回は正面勝負じゃない。


ハメ技だ。


「よし、撃て」


「トマホークミサイル、ファイヤーにゃ〜!」


「ふふ……ハーレム様、覚悟です」

「慌てる顔が楽しみポン」

「ミミはワクワクドキドキですわっ」


艦橋の外、発射口が一斉に開く。


次の瞬間――


無数のミサイルが空へ舞い上がった。


尾を引く白煙が、青空にいくつもの線を刻む。


それらは弧を描きながら、

半壊した魔帝城へと降り注いでいった。


 


轟音。


光。


衝撃波。


湖面が震え、城壁が崩れ落ちる。


 


俺はその光景を静かに見つめた。


この選択が、

後に世界を滅亡へ導く引き金になるなんて――


この時の俺は、まだ知らなかった

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