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異世界の住人が皆チート過ぎてチートがチートになってない件について【リメイク版】  作者: よしみん
第二章 魔帝登場

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登場即退場

「キサマかっ!!

 貴様が我が城を半分、湖に沈めたバカかぁあああ!!」


魔帝ハーレム Lv1兆は、怒号とともに闘気を解き放った。


爆風のような圧力が砂浜を走り、ビーチパラソルが宙へ舞う。

黒い柱のような闘気は空へと伸び、雲を割り、まるで宇宙へ届きそうな勢いだった。


「貴様……苦しめてから殺してやる!!」


だが魔帝の視線は、俺ではなく――空。


……ん?


上を見ると、小さな影が落ちてくる。


「ぬ? お主の事など知らぬのじゃ~!

 架様はどこにおるのじゃ~!!」


ドゴォォォォン!!


空から降ってきた村長(大勇者)が、そのまま魔帝ハーレムへ蹴りを叩き込んだ。


砂が爆ぜ、湖面が揺れる。


「ククク……触れたな」


魔帝は笑った。


「触れたら絶対∞に即死する全身!!」


禍々しいオーラが広がり、空気が歪む。


「チートスキル反射!!」


村長が光の盾を展開する。


だが――。


オーラは跳ね返らない。


むしろ反射の光ごと飲み込み、村長の身体へまとわりついた。


「な、なんで離れぬのじゃ……!」


「我の即死はな、“結果”そのものだ」


魔帝ハーレムはゆっくりと歩み寄る。


「反射?無効?意味がない。

 絶対∞に死ぬ、それだけだ」


「そ、そんな……ズルいのじゃ……」


村長は膝をつき、血を吐いた。


「グハァ……」


「アハハハハッ!!」


魔帝の高笑いが響く。


完全な詰みだった。



――その瞬間。


ヒュン。


何かが、空気を切った。


「……?」


魔帝がわずかに眉を動かした。


カンッ。


後頭部に、小さな衝撃。


「……?」


振り返ろうとした、その一瞬。


体が止まった。


「グ……?」


次の瞬間。


「グハァァァ!?」


血を噴き、魔帝ハーレムが崩れ落ちた。


砂浜に転がったのは――ガラスの灰皿。


【殴った者を即死させる灰皿】


エーコが、湖の家の裏から軽く投げただけのものだ。


闘気が霧のように消えていく。


空へ伸びていた黒い柱も、嘘みたいに消滅した。


……静寂。


四天王たちがぽかんと立ち尽くす。


猫耳の少女が震え声でつぶやいた。


「……え?

 ハーレム様……?」


俺も固まった。


……今のはエーコの力じゃない。


灰皿の即死効果。

背後からの不意打ち。

闘気をばらまいて、防御が空っぽだったタイミング。


ただそれが、たまたま重なっただけだ。


魔帝ハーレムは、ゆっくり砂に沈んでいく。


Lv1兆。


絶対∞即死。


全部関係なかった。


ただ、灰皿が当たった。


それだけ。


「……え、終わり?」


エーコが首をかしげる。


本当に、軽く投げただけらしい。


俺は深くため息をついた。


大勇者だろうが魔帝だろうが、

倒れる時はあっけない。

……この世界に、無敵なんてものはないのかもしれない。


遠くで波が寄せては返す。


さっきまで宇宙規模の戦いだったとは思えないほど、砂浜は静かだった。

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