愛してほしいなんて言ってません!
政略結婚に愛は不要である。幼い頃、家庭教師に教えられたことだ。由緒正しき公爵家に生まれた以上、私もそうあるべきだと理解はしている。けれど、幼い私は心のどこかで期待してしまった。
――政略結婚でも愛は芽生える、と。
「シェリーとの結婚生活を思うと憂鬱だな」
「……え?」
八歳の時から婚約関係にある二つ年上のシリウス皇子殿下は、月に一度のティータイム中、唐突にこぼした。私は口に付けかけたティーカップを、思わず口から離してしまう。
呆然と言葉を失う私に、童話の主人公のように美しい殿下は、笑みを浮かべ続ける。
「なんの面白みもない君と、一体どんなふうに過ごせばいいんだろうね」
その笑みは、酷くつまらなそうだった。
皇帝と公爵が結んだ殿下との婚約関係は、もう七年にもなる。シリウス殿下は皇帝の愛妾の子で、最後の子供だった。母親に似た金髪碧眼は皇城の誰にも似ておらず、一際輝いている。末っ子なので皇太子候補からも外れており、わりと自由に過ごしてきたらしい。
他者からの嫌味や攻撃的な態度にもあっけらかんとしている姿が、幼い私には印象的に映ったのを覚えている。
そんな彼との婚約は、互いが望んだものなどではなく、正しく政略的なものであった。
公爵家の次女でありながら、平凡な容姿に平凡な学力である私は、美しく優れた姉と、愛らしく癒しになる妹と比べられて生きてきた。姉は母譲りの端正な顔立ちと知性、妹は子猫のような幼さと協調性を併せ持っている。しかし私は、そのどれもが中途半端だった。
少し前に姉は他国に嫁ぎ、妹は熱心な殿方と婚約した。私がシリウス殿下と婚約できたのは、公爵家の娘という肩書きがあり、年齢が近かったから。それだけに過ぎない。きっと殿下は姉や妹と婚約したかっただろう、何度もそう思った。
しかし、それでも私は彼の婚約者であることを前向きに捉えた。愛がなくても結婚はできる、けれど愛とは育むもの。たとえ彼が乗り気でなくても、私が歩み寄ればいつか応えてくれるかもしれない。
――そんな期待をしていた。哀れなことに。
結局、長年抱いていた密かな期待は打ち砕かれた。婚約者の何気ない言葉で。
殿下の言葉に小さく笑い声を漏らすしかできなかった私には、それ以降の記憶がない。言うことが見つからず、ただ黙っていたような気がする。
いつの間にか、花も飾られていない静かな自室で曇り空を眺めていた。
思えば、殿下はずっとつまらなそうだった。初めて対面した日も、作り物のような笑顔で挨拶して、当たり障りない質問を投げかけられただけ。緊張しながらしどろもどろで答えたのに、返事は『へぇ、そっか』『不思議だね』ばかりだったのを思い出す。
そうか、殿下は私との結婚生活を、なんの上下もしない平坦な道のように思っているのか。気付いた瞬間、瞳から熱い何かが溢れてくる。窓にはポツポツと雫が伝い、やがて外は闇に包まれた。
「……馬鹿みたい。私なんかが歩み寄ろうと頑張っても、上手くいくはずなんてなかったのに」
小さく呟いて、他の姉妹ならどうなっただろうかと想像する。きっと、個性豊かでそれぞれ魅力をもつ二人なら、退屈そうな殿下を振り向かせることができただろう。
どうしようもない想像に胸を痛めたら、同時に諦められた。
「……もう、やめよう。愛されたいと願うのは」
***
一晩経ったら、思いのほかスッキリとした気持ちで今後について考えることができた。つまらないと面と向かって言われたということは、殿下にとって平凡すぎる私との日々はそれなりに苦痛なのだろう。それなら、私は彼との結婚を文字通り〝政略結婚〟として受け入れよう。
彼が私を愛さなくても、婚約者として、妻としての務めを果たすだけ。今はとにかく、彼に自由な時間を与える方がいい。
そう思って手紙を出した。
『月に一度の逢瀬はやめにしましょう』と。すぐに送られてきた彼からの返事は形式的な長文だったが、要約すると『わかった』の一言だった。
以降、本当に彼は屋敷に訪れなくなった。共に通っている皇立学園でも、すれ違うことすらなくなった。今までもべつに親しくしていたわけではないけれど、私が歩み寄ることをやめれば、こうも接点がなくなるのかと虚しくなる。
「結婚まであと三年、何をして過ごそう……」
一人きりのお昼休み、庭園の奥にある木の下で小さく呟いた私は、卒業して結婚するまでの残り三年間の過ごし方を考えてみた。そしてすぐにため息を吐く。これといった趣味も特技もないし、友人と呼べるほど親しい仲の令嬢もいないので、何をしていいか分からなかった。
私って本当につまらないなぁ……と自分にげんなりしてから、もう一度よく考えてみる。
乗馬を極める……? いや、昔からオドオドするせいで馬には嫌われがちだ。裁縫……は得意じゃないし、チェス……は悩みすぎて対戦相手を苛立たせてしまう。思い切って留学? いや、外国で知らない人たちと新しいことを学べるほど積極性はない……。
考えれば考えるほど、できない理由を探してしまう。最早、私がつまらないのは、このウダウダと悩んで何も決められない性格の問題な気がしてきた。
「うぅ……どうしよぉ……」
頭を抱えてこぼすと、誰かが遠くで悲鳴を上げた。その声に驚いて顔を上げたら、全ての髪が後ろに流れるほどの強風に襲われる。風が落ち着いて悲鳴の上がった方を見たら、令嬢たちは服や髪を整えていた。教師は落とした紙を拾い上げている。
あまりの強風に悲鳴を上げたのだ、と理解してホッとひと息つくと、地面に落ちた一枚の紙が視界に映る。拾ってみると、孤児院のボランティア募集と記されていた。
私の通う皇立学園には、平民でも優秀であれば奨学金を得られる制度があるため、少ないけれど何人か平民の生徒がいる。おそらく彼らに向けた奉仕活動の案内だろう。
「ボランティア……はさすがにお父様が許してくれないわ……。一応、公爵家の娘だし……」
貴族らしい振る舞いをするように、と咎められるに決まっている。そうため息を吐いた後、思い出した。
そういえば、お爺様が公爵であった頃から我が家が援助している孤児院がある、と。奉仕活動ではなく、視察という名目で訪ねるなら父も許してくれるのでは?
できない理由ばかりを並べて動かずにいるより、何か一つでもできることをやるべきだ。やってみて合わなければ、また別の何かを探せばいい。
小さな決意で立ち上がった私は、帰宅してすぐさま父に頼み込み、次の休みには孤児院を訪れていた。
「ようこそおいでくださいました、シェリリア様。フレーリン公爵様からお話は伺っております。どうぞこちらへ」
「は、はい……」
優しく微笑む施設員に案内され、大して分かりもしない設備を順番に点検していく。危険な箇所はないか、援助金を正しく使っているかを隅々まで見ると、最後に子供たちの遊ぶ庭園に案内された。
思いのほか健やかに育っている孤児たちは、みんな楽しそうに笑い声を上げて走り回っている。
「先代公爵様の頃から欠かさず援助をしてくださっているおかげで、子供たちは飢えも知らず幸福に生きています。人との関わりを恐れることもなく、前向きに未来を見ているので、きっとみんな立派な大人になるでしょう」
「…………」
まだ幼い子供たちが、親の愛を知らずとも笑い合う姿を見たら、傲慢な自分に嫌気が差してくる。私は裕福な家に生まれただけ、幸福なのだろう。彼らにとっては、幸福すぎる恵まれた人間に映っているに違いない。
彼らよりも多くを持っているのに、愛されたい、なんて過ぎた欲求だった。
まっすぐ未来を見つめる子供たちに合わせる顔がなくて、施設員の女性に「行きましょう……」と告げて移動を促した。すると、一人の子供が明るい声を上げた。
「わぁ〜!! お姫さまみたい!!」
その声にこだまするように、他の子供たちも「ホントだぁ!!」「キレイなお洋服着てる!!」と駆け寄ってくる。アワアワとした私は、子供たちの輝く瞳に一歩後ずさった。
「お姫さま、何してるんですかぁ?」
「いっしょに遊んでくださぁい!」
「こ、こら! おやめなさい!」
遠慮なく私の手に触れてくる女の子を、施設員は慌てて引き剥がす。そしてすぐ青い顔をして謝罪してくるものだから、咎めるつもりなんて毛頭ないことを告げた。
正直、嬉しかった。子供たちがなんの偏見もなく、笑顔で駆け寄ってくれることが。
嘘や世辞ばかりの貴族社会で、純粋な子供たちに興味を持たれることは、なんだか自分に特別な個性でも芽生えたような気になってしまう。
「……私はお姫様じゃないけれど、一緒に遊びましょうか」
「ホントですかぁ!!」
私の言葉に喜ぶ子供たちは、嬉しそうな声を上げ手を握る。勇気を出してその手を握り返すと、子供たちは力強く私の腕を引いた。
私に興味を示す無邪気な子供たちの声や態度が、何をすべきか分からないでいる私を導くようで、ひどく心地よかった。
その日から、私は足繁く孤児院へ通った。純粋な子供たちは、部外者である私のことを受け入れてくれ、まるで施設員であるかのように『シェリー先生』と呼んでくれるようになった。それが嬉しくて、私は公爵家の娘であることも忘れ、子供たちの世話に没頭した。
貴族の令嬢にボランティアのような行為をさせている、と最初は戸惑っていた施設員も、次第に受け入れてくれた。きっと、私が望んで子供たちに会いに来ているのだと理解してくれたのだろう。
そして、孤児院での奉仕活動を通して、私はようやく自分のやるべきことを見つけられたような気がした。誰にも求められない私が、結婚するまでの三年でやるべき――いや、〝やりたいこと〟が。
家族のいない、愛を知らない世界中の子供たちに、愛と幸福を教えたい。
幼稚でありふれた、私の唯一やりたいこと。
「しばらくお会いできないかもしれません」
「どうして?」
約三ヶ月ぶりに学園で会った婚約者、シリウス殿下に誘われたランチの場で、私は唐突に告げた。最近は何をしているのか、天気が崩れやすい季節で不便はないか、という形式的な質問ばかりを投げかけられ、辟易としたから告げたのだ。
「やりたいことがあって、一年ほど休学しようと思っているんです」
「やりたいこと? 珍しいな。君にはやりたいこともないのだと思っていたよ」
「…………」
どんなこと? と続けて問いかける殿下は、当たり障りないようで、どこか私を見下している。私に対するつまらなさは、まだ殿下の中で健在のようだ。きっと、その退屈を払拭させることは、私には一生できないだろう。
「皇国中の孤児院を訪ね、恵まれない子供たちの現実を知り、公爵家の者としてできることを探したいと思っています。子供たちにとって、資金援助だけではない、精神的な支えになれることをしていきたいんです」
「あぁ……そういえば最近、中央区の孤児院で休日を過ごしているんだったね。いきなり妙な趣味を持ったと思っていたが、なるほどそういうことか」
当たり前のように私の行動を把握している殿下は、小さく笑みを浮かべた。私は自分の行いを〝趣味〟と表現されたことに、フォークを食事へ運ぶ手を止める。
「君をつまらないと言った僕の言葉を気にして始めたんだろう? そこまで気にするとは思わなかったよ。今更ながら謝罪する」
「……いいえ、殿下の言葉を気にして始めたわけではありません。これは私が自分で〝やりたい〟と感じたことです」
そうか、と返事をして水を飲む殿下は、私の傷ついた心に気付きもしない。思いやりのない些細な一言が、他者を傷付けるとは考えないのだろうか。
「それにしても、わざわざ休学して孤児院を巡るだなんて、不思議なことを考えるものだね。そんなことをしなくても、子供と関わりたいなら、結婚した後にいくらでも作れるのに」
「――はい?」
続けて告げられた何気ない言葉は、私の手の力を奪い、フォークを落下させる。
「ど、どういう意味……ですか……」
「幼い子供と庭で遊び、食事をしたり、昼寝をする。そんな簡単なことはわざわざ孤児院に行かなくても、僕と結婚したら好きなだけ――」
バチンッ――という痛々しい音が響く。傍に控えていた使用人たちは、ギョッとした顔で私を見つめた。
殿下の頬には、赤い痕が残っている。
「あなたには……与えられるべきものを与えられなかった子供の気持ちが分からないのですか!!」
「……与えられるべきもの?」
打たれた頬を自身で撫で、キョトンとした表情をする殿下が私の目を見据える。
「愛してくれる家族、安心して過ごせる家、腐っていない食事……それら全て、普通なら当たり前に与えられるべきものです。けれど孤児たちにとって、それらはとても貴重なものだったりします……」
「…………?」
「庭で遊び、食事をして、昼寝をする……それらを当たり前に行うことが、孤児の子供たちにとってどれほど難しいことか、お分かりになりませんか? 欲しいものを得られなかったばかりか、挙句の果てには奪われる……そんな恐ろしい思いをした子供が、孤児院にはたくさんいるんです。私は悲しい経験をしてきた彼らのために、できることを探したい……それなのに、殿下は子供を……命をなんだと思って……!」
怒りで涙が滲む視界で、殿下を責める言葉を探す。しかし、私の言葉が出るより先に、殿下が質問を投げかけてきた。
「その〝与えられるべきもの〟は、そんなに必要なものなのか?」
まるで、白紙のキャンバスのような純粋さで、殿下は問いかける。私は絶句から、暫し言葉を失った。
しかし、少しすると冷静になる。恵まれた殿下には、私の言葉の意味は理解できないのだろう、と。
「……はい、少なくとも孤児たちにとっては、必要なものだと思います」
「それが与えられたら、退屈も紛れるのかな?」
「殿下と違って、恵まれない子供たちは退屈とは無縁の生活を送っています。私のような無個性な人間にも、特別さを見出してしまうくらい……」
「へぇ……それなら、僕たちも子供が産まれたら、与えるべきなのだろうね」
いつまでも他人事な殿下は、どこか遠い目をする。私はその瞳に違和感を抱きながらも、今しがた感じたことを言葉にした。
「……殿下の子供に対する考えは、私とは合わないようですね」
「そうかな?」
「そうです。なので、結婚しても子供は作らない方がいいでしょう」
「?」
殿下は少年のように首を傾げる。
「けど、子供は必要だろう?」
「私とあなたの間では作らない方がいいというだけです。殿下が子供は必要だと考えるなら、側室でも置いてはいかがでしょうか」
席を立った私は、その場を去る準備をはじめる。
「……私はもう、あなたとの結婚に何も求めません。ですから、殿下はどうぞお好きにお過ごしください」
殿下の頬に残る痕に罪悪感を抱き、テーブルにハンカチを置く。そして短いカーテシーをして、その場を去った。
後日、父と学園の許可が降りたことで、私は一年間の休学期間を得た。休学中、宣言通り皇国中の孤児院と貧民街を訪れ、奉仕活動に専念した。
期間中はとにかく子供たちのことや、早急に手を加えなければならない施設と環境のことに追われ、殿下を思い出すことはあまりなかった。
奉仕活動に興味をもってくれた人々とも知り合い、次第に孤独を感じることはなくなった。目的を持ち、同じ志を持つ仲間ができたことで、自分の中で満たされなかった何かが満たされていった。
そんなかけがえのない仲間たちとの別れを惜しみつつ、私は学園へ復学した。久しぶりに学園へ足を踏み入れたその瞬間、殿下が私を出迎える。
おかえり、と柄にもなく頬を染める殿下に、私は疑問を抱く。
「会いたかったよ、シェリー」
「えぇ……?」
心の底から会いたがっていたみたいに、私の髪を撫でる殿下。意味が分からなくて、私は一歩後ずさった。
「ど、どうしたのですか、殿下……? なんだか雰囲気が変わったように見えるのですが……」
「あぁ、君がいなくなってから、自分なりにいろいろと考えたからね」
「何をですか……?」
「君に言われたことだよ」
殿下は後ずさった私に再び距離を詰める。
「君に頬を打たれたあの日、衝撃を受けた。全ての子供に〝与えられるべきもの〟があったということに。ほら、僕は正妃の子じゃないからさ、君の言う〝与えられるべきもの〟っていうのは、最低限しか与えられてこなかったんだ」
「……え?」
「母は僕を産んですぐ亡くなってしまったし、父や腹違いの兄弟は僕に無関心だし、乳母は任された仕事しかしてくれないし、誰も僕と遊んだりなんてしてくれなかった。だから段々と、全てが退屈だと思うようになったんだ」
寂しいという感情をおくびにも出さない、殿下の表情と声に、胸を痛めた。そうだ、シリウス殿下は陛下と愛妾の子。皇族の中で唯一、純粋な血でない方だ。何も知らずに責め立ててしまったけれど、殿下も苦労した幼少時代を送ってきたはず。
少し考えたら分かることなのに、失念していた。
「食事はいいものを与えられるし、睡眠だって好きなときにできる。当たり前だと思っていたことが、君のおかげで当たり前じゃないことに気が付けた」
「そう……ですか」
殿下の幼少時代も顧みず、責め立ててしまったことを思い出し、あの日の罪悪感が蘇る。どうしようもない感情に胸を押えると、殿下は明るい声で「それで……」と続けた。
「僕に与えられなかった、〝与えられるべきもの〟について、君がいない間に考えたんだよ。食事も睡眠も充分に与えられてきた僕に足りないものは、一つだけ。〝愛情〟だ。その愛情を与えられることによって、日々の退屈が紛らわせるんじゃないかって……そして、その愛情を与えてくれる人は、君しかいないってことに気が付いた」
「……はい?」
「シェリー、子供たちに与えるべきものを知っている君なら、僕に愛を与えることができるだろう?」
「な、何を仰っているんですか……?」
また一歩後ずさるが、殿下は二歩詰めてくる。
「あの日、何の関係もない孤児を想って僕の頬を打った君なら、僕を愛してくれると思うんだ。君から愛が与えられたら、僕はきっと満たされた日々を送れるだろう?」
「ちょ、ちょっと待ってください、殿下……! 何か話があらぬ方向へズレています……!」
「ズレていないさ。僕は君に愛されたいんだ。君に愛されるためならなんだってしてみせるよ。それこそ、君を愛することも厭わない」
愛を求める理由がおかしすぎて、私は思わず叫んでしまう。
「あ、愛してほしいなんて言ってません!! そんな妙な理屈で人に愛を求めないでください!!」
しかし殿下は諦めることなく、私の腰を強く抱いている。
「嫌だよ、シェリー。君が退屈で最低な僕を愛してくれるまで、絶対に諦めない」
どうしてこんなことになったのか。考えてみても殿下の思考は理解できない。
結局、結婚までの残り二年、駄々っ子のような殿下の求める愛というものに、私はひたすら翻弄されるのだった……。




