始まりと、終わり。そして君。
始まりと、終わり。そして君。
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短編。
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オフィスは既に暗かった。
電灯はほとんど消え、会議室の間接照明だけが二人を照らしている。
イ・ドユンは静かにデスクを整理していた。指先に残る書類の感触が硬い。
その隣の席で、締め切りレポートを仕上げていた新人のハン・ジフが静かに口を開いた。
「先輩、今日も残業ですね。」
「そうみたいだね。」
ドユンは時計を見た。夜11時52分。
窓の外のガラスは暗く、ソウルの灯りが下へと広がっていた。
「一緒に屋上に行きませんか?」
ドユンは顔を上げた。
ジフの声はいつもより少し低く、口元には彼特有のいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「少し風に当たりたいんです。疲れたし、このオフィス...息苦しいじゃないですか。」
ジフは笑って出ていった。
しばらくして、ドユンもその後を追った。
屋上のドアが「ピッ」と開いた。
夜の空気が体の奥深くまで染み込む。
オフィスの中とは違い、世界は静かで広かった。ジフは手すりの方へ歩いていく。
月明かりの下に見える彼のシルエットは、どこか寂しげに見えた。
ドユンが追いつくと、ジフが静かに言った。
「先輩。」
「うん。」
「いつまでそうするつもりですか?」
「…何を。」
「こうして避けて、距離を置いて。いつまで知らないふりをするんですか?」
ドユンは何も言わなかった。
風が吹き、ジフのシャツが軽くひらめく。首筋がわずかに露わになり、その隙間から鎖骨が銀色に光った。
ジフが体を翻し、ドユンに向き直った。
「僕、先輩が好きです。会社に入った時から。その眼差し、話し方、手つき、全部…最初からです。」
ドユンは無言で目を閉じた。
彼が言葉にしなくても、ジフは既に知っていた。
彼の視線が揺れるたびに。腕が肩に触れるたびに。会議室で並んで座るたびに。
「口先だけで我慢できるものじゃないでしょう。」
ジフが近づいてきた。
そしてドユンのネクタイを掴んだ。
硬い指先がネクタイを引くと、二人の顔の間に残された距離は5センチメートルにも満たなかった。
「したいこと、ただしてしまえばいい。今日は。僕もそうするつもりだから。」
ドユンは我慢しなかった。
唇が激しく重なり合った。
舌が口の中をまさぐり、息遣いが絡みつく。
ジフは最初はびくっとしたが、すぐに口を開いた。
舌と舌が触れ合った瞬間、二人の時間は止まった。
「ハ…」
ジフの息が漏れた。ドユンは彼の腰を掴んでぐいと引き寄せた。
体が重なり、手はシャツの下に滑り込む。
ドユンの指はウエストラインを辿って上がり、再び腹の下へと降りていった。
ジフは首を後ろに反らし、小さな呻きを漏らした。
「先輩、どうしてそんなに急なんですか…?」
「お前のせいだ。」
ボタンが一つずつ引きちぎられた。シャツが肩から流れ落ち、白い肌が月明かりに照らされる。
ドユンは唇を彼の首筋に埋め、ゆっくりと舌を押し当てた。
「ンッ…ハ…」
舌先が鎖骨を伝って動いた。
指先はズボンを緩めながら中心を覆った。既に熱くなっていた。
「見ろ。お前も望んでるじゃないか。」
ジフは顔を赤らめた。
ドユンの手がゆっくりと動いた。
下着の中に隠された中心を包み込み、指先で優しく撫でる。
「そんなことしたら…」
「ああ。お前がこれ以上耐えられなくなるように。」
ジフは両手でドユンの肩を掴み、腰を押し付けた。
キスはさらに荒々しくなり、二人の体の間の温度は耐えられないほど高くなった。
ドユンはズボンを膝まで下げ、ジフを壁に向かって立たせた。
「手をついて。」
ジフは両手を壁につけた。
背中は汗ばみ、息が深くなる。
ドユンは指二本でゆっくりと開いていった。
唾液をローションの代わりにした。
慎重に、しかし明確にジフの中を広げていく。
「ハ…もっと…」
「痛くないか?」
「もっと入れてください…」
ドユンは中心を手に握り、入り口に当てた。
熱く硬いその先端が、ジフの中へゆっくりと入っていった。
「う…ンッ…!」
狭く熱く、ドユンの中心を締め付けた。
最後まで押し込むのに何度か息を整える必要があった。
「締まってて、気が狂いそうだ…」
「ハ…先輩…もっと…」
最初はゆっくりと動いた。
入っては、抜け、そして。
徐々に、その動きはますます強く深くなった。
「あ…そこ…もっと…」
ドユンはジフの腰を掴んで突き上げた。
音が鳴るほどに、鉄製の壁が揺れるほどに。
息遣いは悲鳴に変わり、ジフは体を震わせながら唇を噛んだ。
「中に…出してもいいです…」
「お前もいけ。」
最後の数回の動き。
二人とも同時に崩れ落ちた。
ジフは中で震えながら放出し、ドユンは彼の深い場所にすべてを注いだ。
お互いの息は乱れ、太ももは震えていた。
しばらくして。
ジフは床に座り込んだまま、ドユンの肩にもたれて息を整えた。
「今日、間違いじゃないですよね?」
「…違う。」
「明日からはどうしますか?」
ドユンは答えの代わりに、彼の唇に再びキスをした。
今度は静かに、長く。
言葉の代わりに伝わる温度だった。
数日後。
ジフがドユンの家の前に立ったのは、退勤を終えてしばらくためらった後だった。
指はインターホンにためらい、頭の中は前日(昨晩)のことでいっぱいだった。屋上、あの壁に押し付けられ、体を差し出した瞬間々々。
あれが単純な衝動だったなら、今日このドアの前に立つこともなかっただろう。
― ピンポン。
ドアが開いた。
ドユンはシンプルなTシャツにトレーニングパンツ姿だった。髪は少し濡れており、彼特有の濃い体臭はシャワーの後でも変わらなかった。
「来たか。」
「…シャワー浴びました?」
「ああ。さっき。」
ジフは何か言おうとして、唇を軽く噛んだ。
そして敷居をまたいだ。ドアが閉まるや否や、ドユンが無言で手を伸ばし、ジフの腰を抱きしめた。
その胸は温かく、慎重だった。
屋上での激しかったドユンとは違った。
ジフはその腕の中で顔を上げた。
「先輩、今日はゆっくりしてください。」
ドユンの眼差しが揺れた。
ジフはさらに近づいた。彼の心臓の音が近くに聞こえた。
「昨日は…正直あまりに早く崩れすぎました。今日は…心まで全部感じたいです。」
その言葉に、ドユンはジフの頬に手を添え、静かに口づけた。
ドユンの部屋は静かだった。
電気は消され、カーテンの隙間から入る街灯の光がかすかにシルエットを照らしていた。
ベッドの上で二人は向かい合って座った。何も言わず、お互いを見つめ合った。
ジフが先に動いた。
ドユンの膝に座り、彼の肩に両腕を回した。
目を合わせたまま、唇を重ねた。今度は柔らかく長かった。
舌先が軽く触れると、ドユンは静かにジフの腰を掴んで押し座らせた。
「今日は…ゆっくりするよ。」
シャツは一つずつ解かれた。ドユンは急がなかった。
ジフの服を脱がせながらも、指先で首筋をなで、鎖骨を伝ってキスをした。
唇は軽く触れては離れ、舌は少しずつ肌を舐めた。
ジフは目を閉じ、身を任せた。
彼が感じる感覚は欲望を超えていた。
単なるセックスではなかった。
それはまるで、長い待ち時間の末に辿り着いた感情の確認のように感じられた。
「先輩…」
「うん。」
「もっと抱きしめてください。」
ドユンはジフの背中を撫でながらベッドに寝かせた。
二人は服をすべて脱いだまま、お互いの体温を合わせた。
肌と肌が触れ合い、息遣いと心臓が混じり合った。
彼の手がジフの太ももをなでた。
指先が膝の内側を通り、中心近くへと近づいた。
既に熱く反応しているそこをそっと包み込むと、ジフは小さく息を飲んだ。
「大丈夫か?」
「うん…気持ちいいです…」
ドユンは舌でジフの胸を舐めながら、ゆっくりと中心を愛撫した。
手で優しく動かしながら、口では彼の息遣いを愛撫する。
ジフの手がドユンの髪を掴んだ。
体が揺れ、短い呻きが口から漏れた。
「あ…先輩…それ…続けて…」
しばらくそうして中心を愛撫した後、ドユンは指を彼の入り口に持っていった。
再び唇を合わせながら、指先をゆっくりと押し込んだ。
「少しだけ…力抜いて。」
ジフは頷き、脚を開いた。
指一本がゆっくりと入っていった。
しっとりと濡れた内側は、徐々にドユンを受け入れた。
一本、二本。
指が入り、回転し、広げられる。
ジフは頭を振りながら息を吐いた。
「ハア…今、入れてください…」
ドユンは自身の中心を手に握り、ゆっくりとジフに押し込んだ。
「ハ…!」
最初から最後まで、急がなかった。
ジフは彼の肩を掴み、唇を噛んだ。
ドユンは額を合わせたまま、内側まで深く入っていった。
「すごく…好き…」
ゆっくりと押し、止め、再び引く。
その動きがまるで波のように繰り返されると、ジフはだんだん腰を浮かせ始めた。
音が混じり、息遣いが高くなった。
「ハア…そこ…気持ちいいです…」
「もっとやってあげる。」
動きはどんどん激しくなった。
ドユンはジフの手を掴んで頭の横にやった。
そのまま彼の体の上にのしかかり、リズムに合わせて突き上げた。
二人の肌がぶつかり合い、部屋の中はぬるぬるした音と呻きで満たされた。
ベッドシーツは濡れ、ジフの足は震えた。
「中に…全部出していいです…」
「一緒に行こう。」
もう数回突き上げた後、ドユンは体を震わせながらジフの中にすべてを注ぎ出した。
ジフも彼の手の中で果てた。
行為が終わった後も、ドユンはジフを胸から離さなかった。
背中をゆっくりと撫で、額にキスをした。
「ジフ。」
「うん…」
「お前…俺のせいで傷つくなよ。俺は元々表現が苦手だ。」
ジフは笑ってドユンの胸に顔を埋めた。
「大丈夫です。先輩が僕を抱きしめてくれる時…言葉より正確ですから。」
ドユンはジフをさらに強く抱きしめた。
二人を流れていた欲望は、今や愛になった。
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会社。
人前では何もなかった。
ドユンはチーム会議でジフを見ようともしなかった。
ジフも同じだった。コーヒーを淹れても目を合わせず、書類を渡す時も距離感を保った。
しかし、その距離の中には緊張感があった。
会社という空間が作り出した二重の緊張。
視線すら触れてはならないその距離で、二人は絶えずお互いを意識した。
ジフは時々ドユンに向かってごく微かに笑った。
口角の片方だけを上げる、他人には見逃しやすい表情。
ドユンはその表情を見るたびに喉が渇いた。
夜になるとジフはドユンの胸で泣いた。
口を塞ぎ、脚を開き、声を抑えた呻きを漏らした。
しかし昼間はただの会社の後輩だった。何の感情もない、礼儀正しい新人。
その二重性が…
むしろドユンをさらに狂わせた。
「ハン代理、今回のプレゼンテーションはお前が発表しろ。」
「はい、承知いたしました。」
会議が終わった後、ドユンは会議室の片付けをしながら、偶然すれ違ったジフをちらっと見た。
ジフはコピーを整理しながら軽く笑った。
「言葉遣いが綺麗ですね。『お前がしろ』じゃなくて、『一緒にやろう』って言ってくださってもいいのに。」
「じゃあ言い直すよ。ジフ、俺と会議を一緒にやろう。」
「…先輩。その言葉今、すごくそそります。」
「そんなこと、会社で言うなと言っただろう。」
「でも僕が好きなのは先輩の二つの顔ですよ。
会議室では冷徹で、ベッドでは…完全に別人。」
ドユンは唇をきつく結んだ。
その日の夕方、8時を過ぎるとほとんどの人が退勤した。
ドユンはデスクの仕事を整理しながら、ついジフの方に視線が向かった。
彼はまだ残っていた。
エクセルシートを確認するふりをしながら、ドユンを待つ眼差しだった。
ジフはゆっくりと立ち上がり、プリンター横の会議室廊下へ向かった。
そこは、この時間帯にはほとんど使われない空間だった。
ドユンは数分後、何気ないふりをしてその後を追った。
会議室のドアが半分閉まっていた。
ジフは内側の窓際に背を預けて立っており、ドユンを見るとすぐに笑った。
「来ると思いました。」
「今こんなことをしたら本当に事故になるぞ。」
「だからこそ、もっと好きです。」
ジフはドユンのネクタイを引っ張った。
唇がぶつかり、瞬間に息が混じった。
ジフは口を開け、ドユンの舌が深く入っていった。
ドユンは腰を抱きしめ、体を密着させた。
手は彼のシャツの中へ潜り込む。既にボタンがいくつか外れていた。
肌は温かく、胸は慎重にドユンの手つきを待っていた。
「ハ…先輩…壁に立たせてください…」
「ここで…?」
「もう我慢できません。」
ドユンはジフを窓横の壁に向かって立たせた。
ジフは両手を壁につき、ズボンの腰を自分で下ろした。下着の下に現れた太ももと尻。
そこは既に準備ができていた。
ドユンは自分のズボンを下ろし、中心を手に握って近づいた。
「何も音を出すなよ。」
「うん…早く…」
指一本を、慎重に差し込んだ。
内側は温かく、締め付けてきた。
ジフは唇を噛みしめながら息を殺した。
「もっと…入れてください…」
指二本が入り、内側が広げられた。
十分にほぐれると、ドユンは自身の中心をその間に合わせた。
「入るぞ…」
「うん…して…」
最初から深く突き刺した。
ジフは壁に頭を打ちつけ、低く呻きを漏らした。
「ハ…くそ…でかい…」
「静かにしろ。誰かに聞かれたら…」
腰をゆっくりと動かすと、ジフは半分崩れ落ちて壁に体を預けた。
肉と肉がぶつかる音。ぬるぬるとした雑音が繰り返された。
「気持ちいい…そこ、もっと…」
「こうか?」
ドユンはさらに深く突き刺した。
ジフは指先で壁を掻きながら、腰を揺らした。
「出していいです…中に…」
「もう少し…」
二人が絡み合って一つになったその瞬間、
会議室の外から誰かの足音が聞こえた。
止まった。
ドユンはそのまま、動きを止め、ジフは手で口を覆った。
二人とも息を殺した。
足音は会議室の前を通り過ぎていった。
緊張と欲望が同時に爆発しそうだった。
「今出すぞ…」
「一緒に行こう…」
最後の鼓動。
二人は同時に絶頂に達し、内側はドユンのもので満たされた。
ジフは震える足を支えきれず膝をついた。
数分後、ドユンは彼を支え、再び会議室の椅子に座らせた。
二人とも息を整えながら、無言だった。
ジフが先に笑った。
「先輩。」
「…何だ。」
「私たち、やっちゃいましたね?」
「…明日の会議の時、お前は俺の隣に座るな。」
「嫌です。僕、もう先輩の隣にしか座りませんよ?」
「今日の会議が終わったら、ちょっと残ってください。ドユン代理も一緒に。」
チーム長が何気なく言った言葉に、ジフは無心に頷いた。
しかしドユンは、ジフが自分をちらっと見たことに気づいた。
その眼差しには意味があった。いつもそうだった。何も言わなくても、そいつは言葉の代わりに視線で誘いをかけてきた。
会議は予想より長くなかった。
プレゼンテーションも、フィードバックも短く簡潔だった。
チーム長が先に出ていき、ドアが閉まった。
会議室には二人だけが残った。
ジフは椅子に座り、膝の上に肘をついてドユンを見つめた。
シャツの一番上のボタンは今日に限って二つも外されており、わずかに開いた胸元からかすかな肌が覗いていた。
「先輩、集中できないように、どうしてそんなに見たんですか?」
「…」
「会議中は静かだったのに、目はうるさかったですよ。」
ドユンはドアに鍵をかけた。
ガチャリ。
ジフがフッと笑った。
「先輩…」
「今は話すな。」
ドユンは一気に歩み寄り、ジフの腕をひったくるように掴み、机の上に押し倒した。
ジフの背中が会議テーブルに押し付けられ、足が開いた。
「言葉なしで始めるんですか?」
「今お前は話す状況じゃない。」
ドユンはジフの太ももを両手で開いた。
ズボンはそのまま履かせたまま、ボタンだけを外し、下着の中に手を滑り込ませた。
「くそ…ここはまたどうしてこんなに濡れてるんだ?」
「先輩が…そんな目で見つめるから…」
「言い訳するな。」
ドユンはそのまま下着の中に手を入れて中心を掴んだ。
ジフは短く息を吐きながら体を反らした。
「ハ…あ…」
手つきは荒々しく、素早く動いた。
オフィス廊下の向こうで誰かの足音が聞こえるかもしれない状況。
ジフはその危うい不安の中で快感を飲み込んでいた。
「今、ここで入れるぞ。」
「い、今ですか?」
「お前がそんなに俺を刺激したんだろう。」
ドユンは腰をかがめ、ジフの唇を覆った。
舌が触れ合い、歯が唇をかすめた。
片手でジフの中心を握ったまま、もう一方の手でズボンを脱がせ、尻の下を支えた。
「足上げろ。」
ジフは無言で足を上げた。
入り口に触れたドユンの中心は既に硬く膨らんでいた。
ローションもなしに、ドユンは容赦なく押し込んだ。
「ンッ…!」
「我慢しろ。まだ終わってない。」
最初の挿入は荒々しく深かった。
ジフの目が潤み、手はテーブルを掴んだまま力が入った。
ドユンは無言で腰を動かした。
下着は太ももまで下げたまま、ジフの体は半分剥き出しの状態。
だからこそさらに淫らで、さらに危険だった。
「ハ…ハア…先輩…もっと…」
ドユンは腰を深く突き刺しては、ゆっくりと抜いた。
その感覚があまりにも深く確かなので、ジフは体を震わせながら手で口を塞いだ。
「お前、この状況で興奮してるのか?」
「…うん。」
「じゃあ、もっと強く突き刺してもいいな。」
次の動きは鋭く無慈悲だった。
ドユンはジフの腰をしっかりと掴み、まともに打ち込んだ。
机の上の書類が数枚、風で舞い上がるほどの強いリズム。
音が鳴った。
肉と肉がぶつかる音、濡れた感触が混ざったリズム。
「中に…また…」
「ああ。いっちまえ。」
ジフは指先を震わせながら絶頂に達し、ドユンも数回さらに奥に突き刺した後、深い呻きとともに注ぎ出した。
内側は熱く、濡れ、お互いの精液が混ざり合った。
しばらくして。
ドユンはジフを優しく起こして立たせた。
ジフは相変わらず足に力が入らないまま、唇を噛んで笑った。
「先輩。」
「…何だ。」
「今日は声も我慢しなかったですね。」
ドユンはネクタイを締め直し、答えた。
「お前のせいで。」
「明日も刺激してもいいですか?」
ドユンは無言で笑った。
ジフはそれが答えだと知り、再びシャツのボタンを留めた。
そして会議室のドアを開ける直前、ドユンが低く囁いた。
「明日もこのドア、俺が鍵をかけるぞ。」
ジフはドユンの家の前でしばらくためらった後、インターホンを押した。
ドアが開き、ドユンは慣れた顔で彼を迎えた。
「来たか?」
ジフは軽く頷き、中に入った。
ドユンの家はいつも綺麗だった。口数が少ない分、感情も整頓されていた。
ソファに並んで座った二人、今日は殊更に静かだった。
沈黙の中、ジフが先に口を開いた。
「先輩。」
「…うん。」
「私たち、今何なんですか?」
ドユンの手が止まった。
リモコンを掴んでいた指先が微かに震えた。
「私たちがどういう関係かってことです。」
「…そんなことは必ず言葉にしないといけないのか?」
「言葉にしてもらえないと、僕がずっと一人で考えてしまうんです。
今みたいに、先輩が僕を好きなのか、ただ体だけ使っているのか…」
ドユンは何も言わずに頭を垂れた。
ジフはゆっくりと席から立ち上がった。
「はっきり言えないなら、僕、帰ります。」
その言葉が終わるや否や、ドユンがジフの手首を掴んだ。
瞬間的に強く。
そして一言も発さずに、そのままソファの上にジフを押し倒した。
「言えないなら—体で言え。
昨日みたいに、いや。今日は…もっと荒々しくしてくれ。」
ドユンの眼差しが燃え上がった。
唇がぶつかった。
舌はすぐに深く差し込まれ、歯が唇を噛んだ。
ジフは呻きを飲み込み、腰をよじった。
ドユンはシャツのボタンを外さなかった。代わりに引っ張って引きちぎった。
ボタンがいくつか床に落ち、その隙間から露わになった白い胸元に唇を打ち付けた。
「あ…乱暴にしろって言ったけど、本当に…」
「今お前は口を閉じてされるがままだ。」
指先が腰の下に潜り込み、ズボンは太ももまで捲り下げられた。
下着は既にびしょ濡れで、ジフの中心は際立って膨らんでいた。
ドユンは無言で唇を下に向けた。
舌で中心を舐め、一口で飲み込んだ。
ジフは息を飲み込みながら、ソファの肘掛けを掴んだ。
「ハ…あ、ちょっと待って…それ…そんな風に…」
指が同時に内側を広げていた。
片手は入り口をほぐし、もう一方の口は中心を飲み込み、三重の快楽を生み出した。
ジフはついに果てた。ドユンの口の中に、すべてを。
しかしドユンは唇を拭うこともなく、そのままジフの足を持ち上げた。
寝室にも行かなかった。
リビングの床、カーペットの上にジフを寝かせた。
「先輩、ここで…?」
「ベッドまで行けない。今気が狂いそうだから。」
自分のズボンを脱ぎながらドユンは深い息を吐いた。
ローションなしに、唾液と体液だけでジフの中に自身の中心を押し込んだ。
「あ…くそ…深い…」
「お前…俺を動揺させた。責任取らないとな。」
一気に押し込み、すぐに腰を動かし始めた。
荒々しく、素早く。
沈黙の代わりに鼓動だけで会話を交わす二人。
ジフは足を絡ませ、指先でドユンの腕を掴んだ。
「中に…全部出していいです…」
「言われなくても、そのつもりだった。」
もう数回深く突き刺した後、ドユンは体を震わせながら中に注ぎ出した。
ジフは既に体を震わせている状態だった。
行為が終わった後も、ドユンはジフを抱きしめたまま無言だった。
ジフが先に口を開いた。
「…じゃあ、言わなくても分かります。」
ドユンは彼の額にキスをして言った。
「付き合おう。お前が望む答え、今教えてやる。」
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読んでくれてありがとう。