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我に、まかせよ  作者: 熊谷 柿
跋章
18/18

 不慣れな隊列を成した一群を見送っていたのは、一匹の大きな亀だった。

 よく見れば、頭に鹿の如き角を生やし、神木に水脈を彫ったような甲羅の後ろに蓑毛みのげなびかせている。

施明しめいの奴め、いつの間にか呪を解いておったな? ならば、わしも解くとするかのう」

 ゆっくりと歩き出した奇妙な亀は、何かを思い出したかのように歩を止めると、振り返えるようにして遠くなる一群に目を向けた。

諸葛恪しょかつかくか……。呪にかかったままの方が、幸せなこともあるのだがのう。果てさて、どうなることやら」

 その奇妙な亀は再び独語すると、山の方へ向かってゆっくりと歩き出した。

 その山からは、風に乗って微かな子どもの笑い声が聞こえていた。

 あやかしの渓嚢けいのうが、笑ったようだった。(了)

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