01 僕の愛する人
カップルがイチャイチャする話です。私の趣味で大きい女の子が出ます。大きい女の子好きな人はぜひ読んでください。
ふぅ・・・今日も最寄駅に着くのは8時40分。家に着くのは9時前だ。ここ最近仕事が忙しいのもあるが、やっぱり僕の性格が原因だろう。
生まれつき頼み事が断れなくて色々引き受けてしまう性分なもので、こうやって残業ばかりの日々だ。まあ、真面目だけが取り柄の僕ならそうせざるを得ないのだけれど。
ただ、そんな生活を毎日しているとやはり身体も心も疲れてくるもので、自ずと僕の足取りは重くなっていた。疲れがどっとのしかかる感覚がする。ここ1週間、寝るのも遅かったし、明日の土曜日は昼まで寝ていたい。身体はそう訴えている。しかし、心の方はそうではなかった。
僕はスマホを見ながら夜道を1人歩く。暇でも潰すように聞く気もないラジオをイヤホンに流して歩く。ひゅうと冷たい夜風が紺色のコートに当たり、季節を感じさせられた。
そうして歩みを進めていると、家まで後5分くらい。つまらないラジオの盛り下がりとは逆に、足取りが自ずと軽くなる。身体が軽いのは、お腹が空いているからでも変に体調がいいわけでもない。いや、部分的にはそうかもしれないけど。でも、〝早く会いたい〟その一心のみが僕の歩く速度を加速させる。
とうとう自宅のマンションが目に入る。暗い外とは対照的にエントランスは非常に明るく、眩しいほどだ。
僕は、鍵を持っているのにわざわざインターホンで自室の番号を入力する。910と入力して呼び出しボタンをクリック。こんな時間にエントランスのインターホンを使う人なんて滅多にいないが、僕にとってこれは日課だった。
「航くんおかえり。今開けるね。」
女性の声と共に、エントランスの自動ドアが開く。彼女の声だけで僕の疲れはどこかへサッパリ吹き飛んだ。何度聞いても飽きない、癒される優しい声は僕を身体の芯から回復してくれる。
今や今やと待ち侘びたエレベーターに乗り、急いで9階のボタンをプッシュ。チンという小気味良い音が鳴ると共に開くエレベーターから一目散に降りる。マンションの廊下を他の住民に迷惑をかけないようにできるだけ早足で自室を目指した。
角を曲がり、人影が見えてきた。やっぱり、今日も出迎えてくれてる。僕の部屋の前には、優しい表情の女性が1人立っていた。
「ただいま。ごめんね遅くなって。」
「ううん大丈夫だよ。もうご飯用意できてるし一緒に食べよ。私もお腹ぺこぺこなの。」
彼女は私を上から見下ろす形で、しかしそれに似つかわしくない柔らかい物腰で接してくる。彼女は何も言わずとも僕の鞄を待ってくれて部屋に入った。
言わなくてもわかると思うが、彼女は僕の妻だ。毎日僕が仕事を、いや生きることの原動力となる、僕にはなくてはならない存在。それが彼女、エヴェリーナだ。
本当に僕には勿体無いとしか言いようがないほど素晴らしい人だ。本当に、彼女のおかげで僕の毎日は彩っている。
名前からもわかる通り、彼女はハーフ。日本人の父とスウェーデン人の母を持つ彼女の本名はエヴェリーナ・フレスベルク・茅野。僕ほどになると、このかっこいい名前も愛らしく感じる。
もう十分伝わっているだろうが、エヴェリーナはすごく優しくて頼もしい。こうやって帰宅の遅い僕のことを毎日玄関で待っていてくれるし、温かいご飯も作ってくれている。一つ一つの行動の気遣いがとても暖かい。
それでいて仕事も頑張ってるし・・・というか僕より全然稼いでいらっしゃる。本当に僕には勿体無いに違いない。
そしてやっぱりエヴェリーナの何が1番かと言えば、可愛さに及ぶものはないだろう。大きなメガネの下のぱっちりとした目元は、母親譲りの青い瞳がきらりと光って美しい。まつ毛も長く、誰が見ても一目でわかる美人だ。
さらに若干白みがかった栗色の髪の毛は肩下まで伸びており、一本一本に艶があって、シャンプーのいい匂いが漂う。特にセットしていないのに絶妙にマッチしていて愛らしい他ない。
そしてやはり1番目を引くのは誰も寄せ付けないその圧倒的なスタイルだろう。僕は決して小さくはないのだが、その僕をはるか上から見下ろす長身。ハーフって凄いなって自然と思い知らされるだろう。こんな女性他には見たことない。
エヴェリーナは背が高いだけでなく美しい身体つきだ。まさしく抜群のプロポーション。小顔で少なくとも9.5頭身はあるであろう身体から伸びるのは細すぎず太すぎず程よく締まった長く美しい四肢。並のモデルを軽く凌駕するモデル超えのモデル体型だ。
さらにちょうど僕の目線辺りに広がる大きな2つの山脈の立派なこと。スタイル維持のためジムに通って身体を鍛えているらしいが、ここばかりは遺伝だろう。ハーフって凄いなぁ。
そんな全男子の理想、とまでは行かなくとも、僕にとってはこれ以上ない最高の奥さん、それがエヴェリーナだ。こんな人が僕の奥さんであることに感謝でしかない。
僕はエヴェリーナと、彼女の作った美味しいご飯の匂いに釣られて彼女と共に部屋に入った。スーツを脱ぎ、手を洗ってそのまま食卓につく。その間にエヴェリーナはご飯と味噌汁をよそってくれたようだ。こういった小さな気遣いが本当に上手いんだよな。むしろこっちが申し訳ないくらい。
「「いただきます。」」
僕たちは向かい合って食卓を囲む。焼き魚に野菜炒め、ひじきの和物に湯豆腐、それにご飯と味噌汁。きちんと栄養バランスを考慮した健康的なメニューだ。これだけの品数を用意してもらうなんて、店なら千円はゆうに超えるだろう。
「今日も美味しい。毎日ありがとう。」
「そう?そう言ってくれると嬉しいな。航くん疲れてると思ってこんな献立にしたんだけど喜んでくれて良かったぁ。」
軽く褒めると露骨に嬉しそうなエヴェリーナ。こんなところも可愛いなぁ。それに、何より美味しそうに食べるエヴェリーナを見ているのが1番幸せだ。その体格に見合った食べっぷりは見てるこっちも癒されてしまう。
「最近お仕事の方はどう?やっぱり大変?」
僕はもりもりと山盛りのご飯をかき込むエヴェリーナに尋ねた。エヴェリーナは一口が大きいものだから、食事中に質問をすると返ってくるのに時間がかかってしまうが、食事中のエヴェリーナは最高に可愛いので全く問題ないというかむしろご褒美というか。
「ううん。全然平気だよ。ちょっとずつ伸びて来てるから余計にやる気入っちゃうんだよね〜今週のイラストは出来てるし、来週のはあとペン入れで終わりだよ。それに最近は航くんの方がずっと忙しいんじゃない?」
エヴェリーナは嬉しそうに微笑んでそう言ってくる。そして山盛りの茶碗を空にし、更におかわりをよそってまた幸せそうに箸を口に運ぶ。やはり僕の癒しはエヴェリーナに限る。
「へぇ〜ほんと凄いなぁ・・・僕なんて毎日毎日残業さ。これも僕が悪いんだけどね。」
「そうなんだ・・・航くんが頑張ってるなら私ももっと頑張らなきゃ!もっと美味しいご飯作って、漫画ももっと上手くなって〜それに、明日お休みなんだしどこかお出かけする?私行ってみたいパスタ屋さんがあって・・・」
明るく振る舞うエヴェリーナ。疲れている僕も、思わず釣られて笑顔になりかける。けれど、まだ残っている仕事や疲れがどうしても僕をブルーにしてしまう。
「うん。そう言ってくれるのは本当に嬉しいんだけど、僕実はまだ仕事残ってて、明日やらないとなんだ。せっかく土曜日なのにごめんね。せっかく誘ってくれたのに僕のせいdむぎゅっ!?」
僕の言葉を遮るようにいつの間に後ろに回っていたエヴェリーナが僕の口を柔らかく大きな手で覆い尽くす。思わず俯いて喋っていて気が付かなかった。
「ほらダメだよそういうの!航くんいつもそうやって自分のせい自分のせいって!航くんは悪くないよ。むしろ、毎日お仕事頑張っててほんとにステキって思っちゃう!お出かけはまた今度にしよ!私は航くんとお家でゆっくりするのも好きだよ。」
誰よりも優しく、僕の全てを受け入れるような口調で励ましてくれるエヴェリーナ。暖かくて、優しい温もりに包まれながら、ぐっと目頭が熱くなる
「航くん疲れてるんだね。疲れてる時はいっぱい食べなきゃ!今日駅前のケーキ屋さんでケーキも買っちゃったんだ〜今週のご褒美!一緒に食べようね!」
「・・・ふふっ、僕はエリーナほどは食べれないけどね。ありがとう。」
「私そんなに沢山食べてないもん!航くんが少食すぎるの!それに美味しいしお腹空くんだから仕方ないでしょ!」
軽く不貞腐れた様子で椅子に座り、野菜炒めに箸を伸ばすエヴェリーナを見て自然と笑みが溢れてしまう。本当に、僕のことを愛してくれている現実が夢でも疑わないだろう。
そんな毎日のちょっとしたように見える、僕にとっては一つ一つがあまりにも大きな幸せを噛み締めている現状がとびきり心地よくて仕方ないんだ。
追記
エヴェリーナと航平は2人とも27歳です。
エヴェリーナの身長は198.7cm、航平は172cmです。