うわああああああああ!!!
「うわああああああ!!! 私のレベルが...! たったの1に!!!」
驚く私に目の前の少年はほくそ笑む。
「はんっ! どうせ元からレベル1なんだろう? 期待などしてないさ。なんせ俺様は腹違いの第三王子。鼻っから相手にされてないって分かってるよ。今回の王様を決める儀式だって盛り上がってるのはレベル100の勇者を召喚した兄様たち。ルックスも頭の良さも腕っぷしも金も血筋さえも俺様はなに一つ兄達には勝てないんだよ!」
バンッ! と椅子を蹴り倒す彼の表情からは怒りと憎しみに塗れた憎悪にも似た気持ちが滲み出ていました。
何と言いますか、その表情を見た時に私は彼のことをなんだか放って置けなくなったのです。
(...絶対にこんな事をしてる場合じゃないんだけどな)
そう思いつつも私は自分から名前を名乗りました。
「...私は黒木蜜香。あなたの名前を聞かせて」
「...無駄だと思うが一応名乗っておく。ミヤポコ=ウンチュラ=キラダンテ様だ」
「みや...なんですか?」
彼は一旦間をおいた後にもう一度言いました。
「ミヤポコ=ウンチュラ=キラダンテ様だ」
「...名前長くないですか?」